小さな世界 #6 【雪景色】
また続きを書き始めようと思います。
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雪景色
小さい頃、僕の地元は冬になるとよく雪が積もっていた。温暖化の影響なのか、今では本当に雪が降らなくなった。
子どもの頃は庭で雪だるまや、すべり台を作ったりすごく身近なところに雪があった。
雪だるまを作るときは、調子に乗って上に乗せるほうを大きくし過ぎてしまって非力な僕では持ち上げられなくなってしまったな。
屋根からぶら下がっている長いつららを見つけたときは大興奮だ。雪だまを固く固くにぎって、つららに向かって思い切り投げる。
高い屋根にできたつららは難易度が高く、なかなか当たらない。当たっても玉の勢いがないと折れない。
折れるまで投げ続ける。くだらないゲームに没頭していた。
そんな具合で毎日足がしもやけになるまで遊んでいた。
夜まで雪が降り続く日は、晴れていると月明かりに反射して庭がうっすらと明るくなる。コントラストがきれいだった。
朝起きて学校に行くときは、わずかに人が通った後のある箇所を同じように歩いていく。
学校までの道は右も左も田んぼだ。
田んぼ一面に雪が積もると、地面の凹凸が消える。一直線に白い世界が続いている。
僕は誰も踏み入れていない、そして踏み込まれることのない雪の積もった田んぼが好きだった。
まるで、写真から取り出してきたような景色はずっと見ていられた。
きれいなところに飛び込んでみたい衝動に駆られるのだが、それ以上に誰も踏み入れていないきれいな景色のままであってほしかった。
僕はつい物事を俯瞰で見てしまうところがある。
いつからだろうと思っていたが、物心ついた小学生の時からそうだったのかもしれないな。
そういえば我が子と雪遊びってしたことないな。いつか雪だるまを作ろう。
(つづく)
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