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「編村集一」(読者へ/今後のショートスパンコールについて)

はじめまして、編村集一あみむらしゅういちです。
作家・仲西森奈の、主にショートスパンコールの編集を担当しています。このnoteに、出版社さりげなくより刊行された2冊分、計100編の公開・投稿を終えた時点で、編集視点から読者へ簡単なアナウンスをお願いしたい、と頼まれましたので、こうしてここに出張ってきました。

2024年8月25日時点でこれから仲西がnoteに投稿していく作品群は、未だ書籍化されていない、またその目処も立っていない、未発表の作品になります。既刊分の100編については1編100円、1冊(1マガジン)1980〜2200円での有料公開となっていますが、101編目以降の作品に関しては当面のあいだは無料で公開、その後段階的に有料(1編100円)に切り替えさせていただきます。

現状、仲西は150編目まで初稿を書きあげている状態です。
今後の流れとしては、初稿ないし第2稿の状態を50編(書籍版1巻分)無料公開。そして次巻分50編の初稿制作と並行して無料公開分のさらなる改稿を進め、次巻分50編が書き上がり次第、その初稿を無料公開し、前巻の無料公開分50編の中身を第3〜5稿に差し替えつつ有料公開に切り替え。という進行を予定しています。

次巻分、つまり101〜150編目までの公開頻度に関してはなかなか読めない部分も多いのですが、すくなくとも1週間に1編は公開していけるようなペースで進めていけたらと思っています(もっとペースが早くなる可能性もあります)。その後のペース配分に関しては、150編目を投稿・公開した時点で決めるつもりです。

作品公開に関してはそんなところで、もうひとつ、この作品のこれまでの読者に向けて、大切なことをお伝えしておかねばなりません。

ショートスパンコールの読者は、誤解を恐れずに言うととてもシャイで、同時に(これも誤解を恐れずに言うと)妙に熱っぽくもある。ウェブと現実、オンラインとオフラインが倒錯し反転しかけているような現代において、その倒錯や反転を拒み続け、現実やオフラインに生きている人が多いように感じる。ショートスパンコールの制作に関して、仲西は基本的に編集の手を借りずに(正確には私・編村の手を借りていますが)ひとりで書き続けてきました。ひとりで書き続けるしかないのだと思ってきました。しかし仲西の読者は不思議で、ふとした拍子に、仲西のほかに誰もいないような場所やタイミングで目の前に現れて、あなたの作品を読んでいる、あなたの作品をこれからも読む、ショートスパンコールの完結をいつまでも待っている、とのみ伝えて颯爽と去っていく。仲西はそんな読者の存在に何度も救われてきたし、3巻目として出版されるはずだった50編のなかには、明確に、読者の言葉がきっかけで書いた、あるいは読者によって書かされた﹅﹅﹅﹅﹅小説が何編もあります。そして、そういう執筆体験があったからこそ、仲西も私も、へこたれずに、こうして作品を公開し続けていく選択を取ることができているのです。

これからこの作品がどんな販路を辿っていくことになるのかは、読者諸氏の手にかかっていると言っても過言ではありません。この先投稿・公開されていく作品で、なにか大切なことを思い出したり、鈍い痛みを覚えたり、突き刺すような絶景が見えたり、笑ったり、叫びだしたくなったり、どこかへ行ってしまいたくなったりしたら、どうか各々の方法で、作品を拡散したり言及したりしてほしいのです。とはいえ、へんに気負う必要もありません。大丈夫、なにを言ってもなにをしても、作品や仲西や私は損なわれませんし、潰れません。この世に日々生まれる無数の新刊書籍に、なぜいまもなお感想用のアンケートハガキが挟み込まれているのか、考えたことがありますか。それは、すべての作者が、そしてもちろん私のようなすべての編集者が、すべての作品が、すべての登場人物が、その目で見たすべての風景が、読者諸氏の/あなたの感想を求めているから、感想を必要としているからなのです。

こんな感じでしょうか。長々と失礼いたしました。
それでは、またどこかでお会いしましょう。編村でした。

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