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0142「光景/後景(6)」



「……っはあ〜ん!ああ〜〜〜ンまじかよお〜〜〜」
「っははは!」
「でえぇ〜。おいマジかよ〜」
「くっふふふふ……っ。湯たんぽ?」
「そうだよ〜マジかよ〜」
「あったかいよね」
「あぁったけえよお〜。んだよこれ〜〜〜」
「へへへ。ちょっと待っててね。わたしも歯磨いたら布団入る」
「ふぃえ〜〜〜あったけえ〜〜〜」
「わかったから。あったかいね湯たんぽ」
「はあ〜……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……よっ」
「……」
「……あ、気づかれちゃったか」
「いれないよ」
「え〜」
「もう定員オーバーだよ」
「うそ〜ん。そんなこと言わずに」
「いれないよ」
「……」
「……」
「……」
「じゃあ……。わたしはソファで寝るね」
「ようこそ」
「ふふありがとう」
「……」
「ふぁ〜〜〜まじかよ〜」
「っふふふ。そうだよ」
「まじなの?」
「まじだよ」
「んにゅ……よいしょ、あ髪ごめんね」
「ううん、ごめんごめん。ふう……」
「んんむ……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……あのさあ」
「……うん」
「……なにか、むかしの、かなしいこととか、はずかしいこととか、しくじりとか。……くやしかったこととか、さみしかったこととか。……傷ついたこととか、ムカついたこととか、納得できないこととか。やるせないこと……とか……。せつないこと、くるしいこととか。そういうことばかり頭のなかを巡って。……際限なく落ち込むような日って、どう過ごしてる?」
「んめ……っちゃ、からだ動かす……」
「ふふふなるほどね……」
「うん……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「じゃあさあ……」
「ん……」
「いまみたいな。……雪の時期は、どうしてる?」
「うーん……」
「……」
「……薪割り」
「っ。……っ。ふふ……」
「うん」
「なるほどなあ……」
「薪割り」
「うん……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……わたしも薪割り、……したいなあ」
「ええ……?」
「やってみたい」
「危ないよ……」
「やりたいなあ……」
「うーん」
「あ、餅つきしたいな。餅つきもしたい」
「餅つき」
「関係ないか……」
「……あー。うーん。……でも。薪割りと餅つきって似てるかもな……」
「からだの動かし方が?」
「うーん。うん……。たぶん」
「そっか……」
「うん」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……湯たんぽ、危ないから、布団から出すね」
「うん」
「……」
「……」
「……ありがとうね」
「うん」
「おやすみなさい」
「おやすみ」

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