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「仲西森奈」(このnote/ショートスパンコールについて)

「……。……っん゛ん゛ん!いやいやすんませんほんとに。あー……。あ、もう大丈夫、ですか。っは、あ、はい、えー、こんにちは。仲西森奈です。仲良しのなかに東西南北のにし、フォレストの森に奈良の奈で、なかにしもりなです。……っふふ、いやなんでもないです。仲西森奈でーす。はい。はーい。なにから、えー、となにから、そうだな、一応この名前はペンネームで、本名じゃないんですけど一字違いなんでほぼ本名みたいなもんです。マヌエル・プイグっていうアルゼンチンの作家がいるんですけど、その人の『蜘蛛女のキス』って小説に登場する、モリーナっていう人物が森奈という名前の由来です。モリーナ、から縮めて、モリナ。そこに漢字を当てて、フォレスト奈良。奈良の奈っていう漢字は、古くは紅林檎を指していたらしくって。古くは?いまも?だったかなうろ覚えですが。えー、っとそれで、森のなかの一本のリンゴの木、みたいに、凛と在りたいみたいなそういう、うん、気持ちを込めていたり。あとはモリナって音は守る名前、「守り名」とも書けて。名前ってプライドみたいなものだからたぶん。そういうものを、わたしは、わたしが、わたしを守っていくんだっていうそういう、なんか、うーん、ですね。そういう意味のこもった名前が森奈です。
 わたしは作家で、作家って言ってもいろいろいると思うんですけど、主に小説や、短歌、エッセイや詩、ですね、を書いている人です。しばらくやってないですけど朗読なんかもします。記号の、しかくしかくしかく〜で3つ並べてクチロロと読む、そういう音楽グループの一員でもありますが契約社員という名目でベンチウォーマー的な、ライブなんかにときたま召集されて歌う、そういう、こともなぜかしていますね。上手いかどうか、聴くに耐えるかどうかはさておき、歌うのは好きです。いまは石川県の金沢市に住んでいて、金沢は犀川、動物のサイに川でサイガワですね、という大きな川が流れていて、夜は河川敷には誰もいなくなるから、うれしいときもむかつくときも、夜は犀川へ行って、水の音にかき消されるのをいいことに、っふ、暗闇のなかでめちゃくちゃに歌ったりしています。近くの道路を走り去っていく車のライトが、暗がりでくるくる踊り歌うわたしを照らすことがあって、あれは気持ちいい。気持ちいいけれどちょっといたたまれないです。さすがに。いやこんな話はよくて、いいんですけど、えー、と。作品についてですね。この場を借りていくつか言っておいたほうが、うん、いいかなと。
 えーなにから、うーん。あ、そうだね。まずこのnote、紙のノートじゃなくてWebサービスのほうね、は、ショートスパンコールという作品群を投稿、公開していくために作成しました。ショートスパンコールっていうのは造語です。短編小説より短い、ショートショート、掌編小説の連作で、1000編書く、1000編で完結する、そういう作品です。1編目を書いたのは2017年とか18年とかそれくらいのころで、数編書いて。……そのころ、出版社さりげなくって会社から打診があって歌集を出版することになり、そのための制作で一旦書く手が止まって。『起こさないでください』という歌集が無事上梓されてひと段落した2020年1月ごろからまた書き始めて、100編目までは『起こさないでください』同様出版社さりげなくから刊行して、きました。で、えー、っと。さりげなくから刊行されてきた、いわゆる書籍版、は、1巻50編収録で全20巻刊行予定。つまり2巻まで出たってことですね。各巻タイトルは20巻揃ったときに繋げてひとつの詩、テキストとして読めるようになっていて、なんていうかあれですね、漫画『ドラゴンボール』の単行本背表紙の続き絵みたいな、それのテキストバージョンみたいな、そんなイメージで作られています。いました。なんで過去形かっていうといろいろあって、あははうんほんといろいろ、いやわかんないけどいろいろかどうか、まあ、あって、3巻目以降の刊行はできないとさりげなくから通達されたんですね。ちなみに『起こさないでください』を含めたわたし名義の既刊本すべての増刷も停止。つまりわたしはいま私家版で出した歌集『日記』以外のすべての著作が版元絶版になっているってわけなんですね。そこでnoteというわけです。
 繰り返しますが、このnoteではショートスパンコールを投稿、公開していきます。最初の100編、つまりさりげなく版で言う2巻目までの作品も、すべてここで公開していきます。最初の100編は有料記事、有料マガジン扱いで公開していきますが、101編目以降、3巻目以降のまだ書籍化されていない作品はしばらく無料公開、段階的に有料に切り替え、という形をとっていこうかなーといまのところ考えていますが、考えが変わったりするかもしれず、そこらへんは臨機応変にやっていけたらなと、うん、……思っていますね。あ、ちなみに、そうだ、大事なことを言い忘れてた、へへ、この作品群は、えー、そう、どこから読んでも、どの巻から読んでも問題ないような造りを目指してここまできて、そしてこれからもそういう造りを目指して書き連ねられていくものなので、101編目から先だけを読んでも問題ないですし、2巻目だけを読んでも問題ないですし、将来的には、758編目と452編目だけを読む、みたいな読み方をされてもきっと問題ないのだと思います。うん。なので、安心して安心してっていうかうーんそうね安心してはははは、どこから読み始めてもらっても構いませんよという、ところですね。どこか、んねー。新たな版元が見つかればよいのですが。こればっかりはわかんないね。でも、うん、せっかくなら、全力で楽しみたい。そうでしょ。あははそうでしょ?
 うーん。うん。こんなところかなー。んん゛ん゛!うん。ごめんごめん。ありがとうね。いやいや。まー、やりましょか。ではでは。仲西森奈でした」

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