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作品概略|各巻目次|エピグラフ


作品と経緯(概略)

01『そのときどきで思い思いにアンカーを打つ。』

note版

書籍版

献辞

わたしにまつわるほとんどすべてのあなたたち。特に、橋本吉史、長嶺慶治郎、杉本龍哉、岡﨑希、篠原繭へ。わたしにまつわるほとんどすべてを象ってくれた、「京都」という時間、その時間をつかの間共有してくれたすべての関係者へ。そして何よりふたつのささやかなチーム、TOWAIEとSARACHI、そこに所属していた、している人たちへ。手に取り、差し出せる限りの愛と、この作品に費やし、そしてこれから費やし続ける膨大な日々を捧げます。ありがとう。

惹句

仕事を辞めてパリへ飛ぶ人。「神」という名のウーパールーパーを看取った人。内臓が地球の人。はじめて朝を体験する人。火山灰を集める国籍不明の人。突然誰かに語り始める人、人、人。YouTuber御用達のコンビニ。そのコンビニの老店主。道端のバヤリース。カーセックス。ある人間の愉快な一年。そのなんやかやと、それ以外のなんやかやが、交錯して錯綜して頻繁に脱線する。仲西森奈の連作掌編小説。もしよければ、見届けてください。

目次

『そのときどきで思い思いにアンカーを打つ。』
目次

エピグラフ

ルール1
信頼できる部分を見つけ、しばらくそれを信頼すること。

ルール2
学生の義務 先生と仲間から可能なかぎりすべてを引き出すこと。

ルール3
先生の義務 学生から可能なかぎりすべてを引き出すこと。

ルール4
すべてを実験と思うこと。

ルール5
自己鍛錬できる人であること。
これは聡明な人や賢い人を選んでそれに倣うことを意味します。
鍛錬できる人は良いやり方を真似できる人。
倣いながらさらに良いやり方を見出す人。

ルール6
間違いは存在しない。勝ちも負けも存在しない。つくることだけが在る。

ルール7
唯一のルールは作業すること。取り組み続ければ何かに繋がります。
すべての作業をこなす人が最終的に何かに到達できます。

ルール8
創造と分析を同時におこなわない。二つは別のプロセスです。

ルール9
できるかぎりハッピーでいる。自分であることを楽しむ。
考えている以上に軽いことです。

ルール10
“私たちはすべてのルールを破る。自分が決めたルールでさえ。
どうやって? 未知数Xのために十分な余白を残しておくこと”
ジョン・ケージの言葉

役に立つヒント:
常に動きまわること。行き来すること。授業に出席すること。
手当たり次第に本を読むこと。映画を注意深くたくさん観ること。
すべてをとっておくこと。あとで役立つかもしれないから。
来週、また新しいルールを考えましょう。

イマキュレート ハート カレッジ 美術学部のルール

02『名付けたものどもを追う道筋を歩きながら、』

note版

書籍版

惹句

タワーマンションの清掃員はどこかのだれかのカーセックスを書き続ける。未来は懐かしくて、自転車は漕がれて、モノは盗まれて、サモトラケのニケのぬいぐるみは今日も抱きしめられている。あらゆる一人称。インターネットの片隅。ロッテリアの喫煙席。地に足のつかない男たち。はじめて飲んだお酒。抽出されたコーヒー。ある人間の愉快な一年。そのなんやかやと、それ以外のなんやかやが、交錯して錯綜して頻繁に脱線する。仲西森奈の連作掌編小説。もしよければ、見届けてください。

目次

『名付けたものどもを追う道筋を歩きながら、』目次

エピグラフ

1 縁は権よりも強し。

2 質と量は速度で決まる。つまらない二項対立にとらわれるな。

3 無礼者であれ。

4 バカとアホを見極める。

5 作ることを正しく恐れ、見せることを正しく恥じよ。

6 失敗したら旅に出よう。

7 アイデアは常にポジティブであれ。

8 ちゃんと喜んでちゃんと凹め。

9 授業はなるべく出るべし。

10 「I hope our paths will cross again」
作れば会える。会えば作れる。
そういう円環を宿してそれぞれの道を歩むこと。

ニューホライズン10ヶ条

03『空想を呼び声として、』

note版


惹句

秘密基地には木の枝があり、木蓮の葉は揺れ、飴玉は透き通り、海は水たまりのよう。今日もどこかでたばこは巻かれ、人と人は出会い、あなたを傷つけたことも救ったことも教えないまま「私」はその場を去っていく。ファミレスの安ワイン。絵文字の炎。うんこ味のカレーとカレー味のうんこ。そびえ立つ宗教施設に、誰かのクラウド上で眠り続ける記念写真。エマ、サガミ、この地球。ある人間の愉快な一年。そのなんやかやと、それ以外のなんやかやが、交錯して錯綜して頻繁に脱線する。仲西森奈の連作掌編小説。もしよければ、見届けてください。

目次

『空想を呼び声として、』目次

エピグラフ

「ときどき、生きていると、この世の外へはみだしてるって思うこと、おまえ、ない? 別に悪いことをして、はみだすわけじゃないんだ。ただ内に入れないっつう、そういう気分。そういうとき、おれ、補欠になってる。今だって補欠だ」

小池昌代『タタド』所収「45文字」(新潮社)p.156

「中間はないんだね?」
「中間はないの」と彼女は言った。「何故なら、そこには中間的なものが存在しないからなの」
「中間的なものが存在しないところには、中間も存在しない」と僕は言った。
「そう、中間的なものが存在しないところには、中間も存在しないの」
「犬が存在しないところには、犬小屋が存在しないように」
「そう、犬が存在しないところには、犬小屋が存在しないように」

村上春樹『国境の南、太陽の西』(講談社)p.232

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