heaの『Salamat』が素晴らしい件
heaというバンドを知っていますか?
フィリピンと日本のハーフの兄弟・アーヴィンくんとアキトくん(vo, g)、D.O.Iちゃん(dr)、そして真城めぐみさん(cho)という、環境も世代もバラバラな、けれどひとたび音を奏でれば凛と香り立つような美しい歌が流れてきます。
真城さんはご存じヒックスヴィル、ジョンB & ザ・ドーナッツ! のメンバーで、近年は田島貴男さんのコーラスをはじめ数多のユニットやグループで活動中の、ダイナミックで繊細な美しい歌声の持ち主です。私が初めてheaを聴いたのは、そんな“みんな大好き”ましろネエさん(私より年下だけど)のツイッターでした。
聴いてみて〜、と音源のリンクが貼ってあり、早速ぽちっと出かけてみると、そこには、アスファルトで敷き詰められた街を歩いていたときにふと出会った透き通った川のような、待ちくたびれた様子もない微笑みのような、不条理に絡まった糸をゆっくりほどいてくれるような、静かで強い歌がありました。
歌詞は英語なので内容はほとんどわからないのですが、それが聴いてるこちらの想像力をさらに膨らませてくれて、街で見つけた川にそろりと降りて行ったり、微笑みを返したり、ほどいた糸で何かを編んでみたりと、いつのまにかheaの世界に足を踏み入れていました。
なにこれ素敵、と思い、真城さんに連絡したら他の音源も聴かせてくれて、いいねいいねとなって、私が作っている雑誌《ラッキーラクーン》で取材させてもらったら今まで経験したことのないユニークさとユーモアに笑いっぱなしで、ライブはもちろん、YouTubeで配信される動画も楽しくて、さらに先ごろ発売されたアルバム『Salamat』がそれはそれは素晴らしくて、ぜひ彼らの話を聞きたいと都内某所のレストランに集まってもらいました。
今はもう『Salamat』の全曲は
完全に生まれ変わった形になってるんです(アーヴィン)
——アルバム、すごくよかったです。
アーヴィン ありがとうございます。
——制作期間は長かったんですか?
アーヴィン 長かったです。このパンデミックに入ってから作った曲も多くて。籠もってた間にみんなで少しずつ作っていきました。
——そのときはもう次のアルバムということを視野に入れて?
アーヴィン あ、そういうふうに考えていませんでした。曲だけ、ひたすらみんなで作って。籠もっている間はそれしかできなかったし。
真城 出すタイミングとかも考えられなかったからね。
アーヴィン そう。そして気づいたら、8曲できていて、それがアルバムになりました。
アキト バーッと録ったというよりは、少しずつ録りながら作っていった感じですね。
アーヴィン だから(YouTubeで数回行なわれた)配信を観ていただくと、アルバム発売前にもう全曲やってたことになるんですけど、アキトのギターがすごい変わってるし、俺の歌も変わったし。
アキト その日の機嫌もありますしね、僕の場合はね(笑)。
アーヴィン リズムなんてその都度違うかもしれないっていうくらい。でもそれがハマったって感じですね。
——やっていく間にどんどん演奏や歌が変わっていくと、どのタイミングで、これで完成、ってなるんですか?
アキト たぶんないよね。
真城 時間があるんだったら、たぶん手を加え続けると思う。
アーヴィン これは今回は言うべきことかどうかわからないけど、今はもう『Salamat』の全曲は完全に生まれ変わった形になってるんです。
——どういうこと?
アーヴィン 要するに、全然違うアレンジに。
アキト 同じ曲でも形が変わってる。
アーヴィン ライブでやったら、あの曲かどうかもわからないくらいの。
真城 そうなの?(笑)
アーヴィン 真城さんが参加していないところでやってました(笑)。
アキト だから『Salamat』は途中の記録っていう感じですかね。よく曲が完成したら記録するっていうパターンはあるけど、heaの場合は(記録したあとの)その先がまだある。ずっと動き続ける絵みたいな。
——これでOK、じゃなくて、この先どうなるかはわからないという。
アキト こっちの人生によって変わってくる(笑)。
アーヴィン 演奏に関わる人によっても変わってきます。
——たしかに今までリリースされた曲も、配信ライブで聴くと、だいぶアレンジが変わってたりしてますもんね。
アーヴィン いっぱいあります。それが楽しいと思いますし。だからまた早くライブやりたいんですよ。新しいバージョンで(笑)。
——もう?!
アーヴィン そうです!
——自由だな〜。歌詞も変わったりしますか?
アーヴィン 歌詞も歌いまわしとかで変わってくる。あとね、歌う音階も変わってきますね。コーラス3人なので、メロディを3人で構成してるから、そこは伸ばしきったほうがいいとか、よりよい方向に変わってきますね。
——真城さんはこういうスタンスはどのように受け止めてますか?
真城 でもね、今回のアルバムに関しては、私があまり関われなかったところで3人がずっと配信ライブをやっていく中で生まれた曲なので、もちろんレコーディングには行ってるけど、今までとはちょっと違う関わり方でできあがったって感じですね。
——レコーディングで新しい曲を歌ってみて、どうでしたか?
真城 今回のアルバムの中には、これはheaじゃないとできないだろうなという曲が数曲あって、いちばん今までで好きなアルバムかな。
アーヴィン やったー!
真城 だからとっても自信作だし、多くの方に聴いてほしいんですけど。難しいよね、音楽って。『Salamat』は長い時間をかけてじっくり広めていきたいなと思ってます。
いつでも戻ってこられる記録を作るのはすごくいいな、と。
ワープポイントみたいな(アキト)
アキト 音楽って、刺さるタイミングはバラバラですもんね。最終的に(作品を)仕上げるのはその人の人生のバックグラウンドがあって、そこで完成するじゃないですか。そのときの気分にもよるし。
——聴く人のコンディションとかにも左右されるよね。すんなり入ってくるときもあれば。
アーヴィン あと、人生の経験値かな。その(曲と同じ)思いを経験したときに応えてくれるかもしれないし。昔、Green Dayがすごい好きで、中学校のときのバンドでコピーしてたんだけど、あとで歌詞の意味を知って、これを歌ってたんだ〜と思って、あれは衝撃だった(笑)。
アキト でも知らない言語の曲で感動することはあるわけだから。
アーヴィン そうそう。だから歌詞の意味はわからなかったけど、かっこいいと思って元気になってましたよね。
アキト あれって解像度なんですよ。作品の情報が多ければ多いほど解像度が高くなるから、これはこういう曲っていうものがくっきりしてくるんだけど、それをぼやかしているような、印象派の絵みたいなものだと、椅子にも見えるしテーブルにも見えるし人にも見えるような、そういう余白があるじゃないですか。だからそういうよくわからないものがいいのかもしれない。
——うん、魅力的だと思います。私も英語はわからないけど、heaを聴いていると、ああ悲しいのかな、せつないのかな、楽しいのかなって、勝手に自分の中で解釈するのが楽しいし、和訳を読んで、あれ全然イメージが違ったとかっていうのもおもしろい。だからさっき言ってた、もう既に『Salamat』全曲のアレンジが変わっている話も理解できます。
アーヴィン アルバムでこう演奏しているから今後もそうしていきます、っていう感じではないですね。そのときの自分たちの気分とかセンスも変わってくるし、そこで行き着いたものが僕らの全力だと思うし。
アキト 記録することによってその人たちはそこに戻ってくるじゃないですか。という行為は大事ですよね。僕たちは絶対に動いちゃうから静止画を作れないんですけど、でもその人たちにとってはいつでも戻ってこられる記録を作るのはすごくいいな、と。ワープポイントみたいな。
——ワープポイントだし、セーブポイントでもありますよね。
アキト そうです。
——D.O.Iちゃんは今回のアルバムについては、どうなんですか?
D.O.I 動画のクリエーターがこのアルバムを聴いて、「U & I」を、なぜか私立の男子校のイメージビデオのBGMに使いたいっていう連絡が来て、ああ、合うね、って言いました。でもこの曲は男子校の生徒が騒いでるような歌詞じゃないよって思ったけど(笑)、その監督は「U & I」、僕と君、学校と僕、先生と僕、っていう解釈をしたみたいで。
アキト いいねぇ。
D.O.I 勝手なイメージで、これが男子校のイメージに合うって言って、採用されることになったんですよ。こういうこともあるんだな、と。
アーヴィン 「U & I」は、違うもの同士だけど共存してるよ、っていう歌なんですけど。最初のイメージは太陽と月。交わることはないんだけど、どっちも必要な力が地球に働いているということを物理的に身近にしただけ。
——歌詞を書くのは好きですか?
アーヴィン 大好き。自分が小さいころからRPGで育ったっていうのもあって。
——そうそう、RPGで日本語を覚えたんですよね?
アーヴィン ドラクエ3で(笑)。だから物語を書くのは好きですね。(前回のアルバム)『Goddess』では物語性をすごく強調したけど、今回の『Salamat』はもうちょっと身近なところを表現したらどうなるのかなと思ってやってみたんですけど、英語詞には変わりないから、そこの壁のハードルは一緒で。ちょっと悲しいストーリーとかを書いて、悲しみの連鎖を止めようと思って。これを聴いた人が同じ経験をしないように、とか、まわりにいる人を失わないように。こういう歌があることで連鎖を止めるということを意識してました。
——それが『Salamat』のテーマだったんですね。
アーヴィン そう、8つのストーリーで、大事な人に「Salamat」(ありがとう)と。親だったり友達だったりたいせつな仲間だったり。全部、テーマは感謝。
——聴く人もそれぞれ自分の物語を重ねて聴ける、包容力のある作品だなとも思いました。
アーヴィン そうです。そこはすごい自由度があります。
実は今、日本語の歌詞に挑戦していて。
9曲ぐらい書きました(アーヴィン)
——バンドとしては、このアルバムを経て、今はどんな状況なんでしょうか? さらに何かが固まりつつあるとか。
アーヴィン どうだろう? 今作っている音はまだ公開していないので、それができたらガンガン、ライブができると思います。
真城 とにかくライブの本数を増やしたいんですけど、それがままならなくて。
アーヴィン 本当は東京以外にも行きたいんです。
真城 ぜひ来てくださいっていうカフェとかもあるんだけど、あとはお客さんが集まってくれるかどうか(笑)。
——それにはやっぱり情報を広めて、曲を知ってもらって、っていう。
真城 そうですね。私は、heaは関西あたりから火がついたらいいなぁ、って。全国でヒットする曲も火がつくのは1ヵ所で、そこから広まっていくっていうことがときどきあるから。そんなふうになったらいいな、って。スピッツだってスガシカオさんだってたしか関西から火がついたんですよね。
アーヴィン 日本語の曲ですね。日本語の歌詞、書きたいな。
真城 書いてみれば? 最初は慣れないかもしれないけど。
アーヴィン 実は今、挑戦していて。9曲ぐらい書きました。
——9曲?!
アーヴィン 全部、日本語。でもそれでバンド構成が創造できないとダメですよね。今はまだアコースティックギターと歌だけでとどまってる状態なので。
——おもしろそう。アーヴィンくんにしか表現できない日本語の歌詞ってあると思うから。日本人にはできない発想とか、日本語の使い方とか。
アーヴィン あると思います。
——それが少しずつでもできていったら大きな魅力になるような気がする。
真城 うん、聴いてみたい。
アーヴィン ただ、今までheaを聴いてくれてた人たちがびっくりしないといいなと思って。
真城 それはあんまり気にしなくていいんじゃない?
D.O.I 聴く人のことはそこまで考えてないかな、俺は。
アーヴィン 急にシフトチェンジしたらバンドが困らないかな、とか。
D.O.I それは困るよ、急にツーバスとか言われたら(笑)。
アーヴィン それはないから大丈夫(笑)。
D.O.I (ツーバスで)喜ぶ自分と困る自分が同時に出てくるから。
真城 サウンドが多少変わったとしても、核となる部分は変わらないだろうし。
——アキトくんはどう? 日本語の歌詞。
アキト 僕は、子供のころに英語の曲を聴いてても意味がわかっていたわけじゃないので、いまだにその聴き方が残っていて。言語が音としてのシェイプとしか捉えられないっていう癖があるんですよ。日本語だったら角ばったイメージとか。
——ああ、カクカクした感じですよね、たしかに。
アキト 最初に曲を聴くときに歌詞を聴こうっていう耳にならないんです。僕も今まで100曲以上、作ってはいるんですけど、日本語の歌詞はひとつもない。角のある音のシェイプを扱うことは難しいですね。
真城 アキトのバンドもかっこいいんですよ、すごく。80'Sな感じで。
アーヴィン そう、日本語は角ですね。角がネックになってメロディの音符が減るっていう。そのハードルがあったかな、今までは。
アキト 日本語のかっこいい曲っていっぱいあるじゃないですか。すごすぎ! と思って。この音としてのシェイプをきれいに扱えて、自然に聴けるし、気持ちよくリズムに乗ってる。それが自分にはできないから。
いや、でも「草原のリズム」って言われたら、難しいよ(笑)(D.O.I)
——heaはこうして喋っていても、ライブでもYouTubeでも、平和で楽しそうなイメージですけど。
真城 いやぁ、バンドだから、そんな楽しいことばっかりじゃないけど。
アーヴィン 楽しいとかつまらないとかっていうより、みんな、こうやって生きてるって感じかな。じゃあ逆にバンドやめて何するのって考えたら、何も思い浮かばない。でもゆっくりやる気はなくて。ちゃんと模索して、いろいろ仕掛けていきたい。この状況ならではのやり方もあると思うから。
——より多くの人に知ってもらうために、ってことですね。
アーヴィン そうです。ライブができないからダメなのかっていうと、そうではないと思うし。世の中にはSpotifyとかのサブスク系に反対するミュージシャンもいるけど、僕ら、そこはフラットで。新しいツールを使う時代になってるなっていうのは感じてます。
アキト でも今は制作のほうに集中していて。あ、イケてるイケてる!みたいな感じになっちゃってて。
——それはさっき言ってた『Salamat』の曲の別バージョン?
アーヴィン そう。従来のスタイルって誰でも思いつくし、自分の中で「もっとこういうのがある!」っていうのが芽生えちゃったので、それに近づけようとしてやってるんですけど。サウンド的には生まれ変わったような感じで。
真城 コーラスも新しく入れる?
アーヴィン あ、でもね、対応できるよ。初めてじゃない、でも新しい。このメンバーってすごいなと思ったのは、すごい変化なのに数回の演奏で「これだね!」っていうところにすぐ行けるんですよ。
——そのスピードで思い描いたところに行き着いたわけですね。
アーヴィン (思い描いた)以上でしたね。わ、すごい!と思って。
——それはいつ発表するんですか?
アーヴィン ライブですね。配信とか。
——D.O.Iちゃんはそのへん、どうなんですか?
D.O.I 僕は何も考えてないです。常にフラットというか(笑)。僕は自然体でやっていこうかな、と。でも全員が自然体でいいとも思ってないし。それぞれの思う方法でいいんじゃないですかね。
真城 まあ、このバンドはバラバラだよ。
アーヴィン バラバラです、見事に。生活スタイルも違うし、時間帯も違うし、聴く音楽の趣味もそれぞれ違うんだけど、(楽曲を)作ったら早い。そこがよくわかんない(笑)。普通、ここまで合わなかったら音を探すのも時間かかるはずなんですけどね。超絶早いんですよ、発見とたどり着きが。
——意思の疎通が。
アーヴィン 言葉じゃないんです、そこは。音を出して、これだな、っていう感覚。
D.O.I 僕は「もうちょっと言葉をちょうだい」って言いますけどね。大地のイメージって言われて、大地かぁ……って。30分ぐらい考えて、これが(俺が思う)大地だよ〜って聴かせると、「それは大地じゃない。地中だな」って(笑)。
アーヴィン そんなこと、あったっけ?
D.O.I あったよ。「草原で」って言われて、どのくらいの広さの草原? これくらいだったらゴルフ場じゃね? とか(笑)。
アーヴィン どんな草原を思い浮かべるかはその人次第だし、そういうのもたいせつかなと思って。みんな同じイメージじゃなくてもいいし。
D.O.I いや、でも「草原のリズム」って言われたら、難しいよ(笑)。
アーヴィン と言うわりに、2〜3回のテイクでやってくれるんですよ、これ!っていうやつを。そう考えると言葉とか理屈では説明できない次元で曲作りしてるんだなと思って。テレパシーとか。
真城 テレパシー?(笑)
アーヴィン そういうことでしょ、だって。3回で意思疎通できるはずがないことをやってるんですよ。実は初めて曲のサンプルを持ってきたときもそうで、何回か演奏してるうちに「これだ!」ってなることが多くて。そこはハイパーだな、と。
D.O.I いやいや、いつもアキトとスタジオの外で綿密に打ち合わせしてるから。
アーヴィン えっ、ホントに?! ほぅ〜? 知らなかった!
真城 あはは、テレパシーでも何でもないじゃん(笑)。
アーヴィン わりと普通の人がここにいました。みんなテレパシーが使えるんだと思ってました(笑)。
アキト D.O.Iちゃんと決めることに対して辻褄を合わせるためにすり合わせはするけど、こっち(対アーヴィン)はテレパシーでやってるかもしれない。
——やってることは音楽だから、そこでのみなさんの意思の通わせ方はみなさんにしかわからないことなんでしょうね。
アーヴィン 当たり前すぎて、改めて考えたことがなかったけど、普通に考えてみたらすごいことなんですよね。今まで仕事でお手伝いしたバンドとかは1曲の正解にたどり着くまで1週間かかったりしたんですよ。ああでもないこうでもない、って。僕はそれが普通だったので、heaをやるまでこんなに早く楽曲が仕上がるものとは思ってなかったです。
初期にやってたバンドの活動に近いかな。
あと、heaに必要なものって何だろうなっていつも考えてる(真城)
——真城さんはたくさんのバンドやミュージシャンと関わってますけど、heaは真城さんにとってどういう存在ですか?
真城 自分がメンバーとして所属しているバンドが4つあって、ヒックスヴィルと、ジョンB & ザ・ドーナッツ!と、八橋義幸くんとやってるユニット(Yoshiyuki & Megumi)と、heaなんですけど。heaはある意味いちばん気楽でいられるというか、自分にとってはそういう部屋ですね。音楽的にどうこうというのとはまた違うところにHEAはいて、音楽だけに集中してるのとは違う付き合いをしているというか。
アーヴィン ライフワークとか?
真城 そうそう、ライフワークに近いですね。ヒックスヴィルは長年やっていて、もっとライブがやりたいって彼らも思ってるけど、また違う立ち位置というか。ドーナッツ!はやっぱりジョンBを支える側っていう感じもあるし。だからheaは初期にやってたバンドの活動に近いかな。heaの場合はフットワークが軽いんで、わりと何でもこなせちゃうというか、なんとか乗り越えられる。あと、heaに必要なものって何だろうなっていつも考えてるんだけど。
アーヴィン 人生って操れたことがないじゃないですか。(バンドは)それにすごく似てる感じがする。計画性がないのかもしれないけど、思うままに接したり寄り添ってたら、気づいたらここまで来てたっていうぐらいで、狙ったとおりに行かないし、今まで経験した段階で言うと、人生にすごく似てる。バンドが生きてるみたいな感じ。heaっていう固有名詞があって、願いが叶ったり叶ってなかったり、美しい瞬間や悪い瞬間があったり。
——heaの人生があるってことですかね。
アーヴィン そうですね。計画通りじゃないっていうか。
真城 たとえばラッキーラクーンに載ってる他のアーティストはみんなキャリアも長くて、バブルな時代も経験してるけど、それとはまったく違うところにheaはいて、毎日音楽のことを考えてる。それぞれ音楽との関わり方は違うんだけど、だから(バンドとして)成り立ってるのかなっていう感じもする。でも本当はもっといろんな人に聴いてほしいし、売れたいし、いろんなところに行ってライブもやりたいし。バンドとして願っているのはそういうことですね。
アーヴィン 今度これこれこういうことがあります、っていうのが言えなくて、本当に申し訳ないんですけど(笑)。
——いえいえそんな、とんでもないです!
真城 いろんなところでライブやりたいね。今はそういう気持ちが強いですね。
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