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共にあるということ
朝起きたらなぜか、鉄&葉酸のサプリの袋が顔の上に落ちてきた。自分で飲もうとしたのかなんなのか、そのまましばらくの間ぼうっとしていた。
このサプリは、たった2粒で1日分の鉄と葉酸が摂れるみたいだけど、ズボラな私には毎日こまめに飲むということがなかなかに難しかったりする。
弱ったことに、私の代わりに毎日このサプリを私の口に無理やり放り込んでくれる彼は、はるか遠く海の向こうへと旅立った。
「いやもちろん自分で飲めるけど〜…飲めるけどさ〜。」
とブツブツ言いながら袋を開ける。いつの間にかサプリは残り2粒になっていた。
無造作にポイっと口へと放り込む。すると、何かのスイッチが入ったのか、涙が止まらなくなってしまった。
いよいよ金沢駅へ彼を見送る日。
車窓からとても美しい景色が見れた。みんなが彼を見て笑っている。シェアハウスの家主の門出だからとかそういう以前に、「最後に森さんを一目見たい、見届けたい」というそれぞれの純粋な気持ちが伝わってくる。
決して、言葉を尽くすことを諦めたくはないけれど、それ以上に想いというものは、お互いがお互いをきちんと見つめてさえいれば、しっかりと伝播するのだと実感する。
私はこういう風景を見続けていたい、こういう空気に触れ続けていたい、心からそう思った。
私自身も、いつでもどこでも彼の大丈夫を願っているし、心から愛している。それだけじゃなくて、シェアハウスの人や鯖江の人、鯖江に訪れる人、彼が大切に思う人も、その人たちの思いも、まるっと全てが愛おしい。こんな豊かな気持ちってあるだろうか。
みんなが織りなす軌道を、ただ側でじっと見つめていたい。それができるこの環境を今改めて幸せに思う。シェアハウスって、家だけを分かち合うんじゃないんだなとつくづく実感する。
余談。めちゃくちゃ私事だけれど、実は、この秋に第一子を出産する予定だ。その関係で私は一旦鯖江を離れる。
知らない土地での子育ても、何もわからない子供のことも、「きちんと」できるか心配している。
でも、おそらく私の考えているような「きちんと」は本当は必要がないということに、どこかで勘づいてしまってはいる。それは、この家での暮らしが教えてくれたのだ。
大事なのは、たとえ手探りでも相手と対話しようとすること、そしてわからないなりに理解しようとすること、何事においてもそういう姿勢を大切にしていけたらいいなと思う。
そして、鉄&葉酸サプリを毎日2粒きちんと飲むことも忘れずに。
私はこれからも、偶然隣り合わせた人の幸せを心から祈り続けたい。この家で出会った人を想うように。
そして、何度だって出会いなおして、時間を重ねてゆきたい。それが、「共にある」という気がしている。
……改めて書くとなんか恥ずかしい。笑
読んでくれてありがとうございました^^
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