【スティーヴン・キングも太鼓判?!】映画「ドクター・スリープ」の衝撃的結末(ラスト)、あの「シャイニング」の40年後、堂々完結編!
1.映画「ドクター・スリープ」は、あの「シャイニング」の40年後、堂々完結編!
映画「ドクター・スリープ」は、あの「シャイニング」の40年後、堂々の完結編です。
映画「ドクター・スリープ」の予告編はこちらです。
この映画は実によくできていて、多くの方にお薦めしたい映画です。
映画の構成や心理描写の巧みさやプロットの完成度など、他のありがちなホラー映画と比べると、遙かに高水準で群を抜いています。
マイク・フラナガン監督も、これがあの「シャイニング」の完結編だということで、相当力を入れていたのだと思います。
「僕はスティーヴン・キング原作映画を2本作った。」
「彼は子供の頃からずっと僕のヒーローなんだ。」
「シャイニングが大好きなんだ。」
「世界の見方が変わったよ。」
「続編が出版されると知った当時は狂乱し、2日で読み終えたよ。」
「キューブリック映画に敬意を払いつつ、真の続編になるように作り上げていった。」
「キューブリック映画の存在は巨大だ。」
「その2つの世界の融合を試みることができ、非常に光栄だった。」
「スティーヴンの作った美しい物語や登場人物を、象徴的な映像美に落とし込んだんだ。」
評論家も絶賛。
また何度も繰り返し、見てみたくなるような魅力にも満ちているので、時間のある方はブルーレイやDVDも購入して、繰り返し見て頂ければ、その度に新たな発見があるのではないかと思われます。
それではこの映画「ドクター・スリープ」のあらすじから順にご説明していきましょう。
2.映画「ドクター・スリープ」のあらすじと結末(ラスト)
1980年、フロリダ州のある湖のキャンプ場で、バイオレットという一人の少女がローズ・ザ・ハット(レベッカ・ファーガソン)とその仲間達によって殺されました。
ローズの仲間達は「トゥルー・ノット」という集団で、シャイニングの能力を持った子供達を拷問し、殺害することで発生する「生気」を貪ることを食料としていたのです。
ちょうどその時、あのオーバールックホテルの惨劇から生還したダニー・トランス(ロジャー・デール・フロイド)は、あのホテルにとりついていた一人の女性の亡霊に悩まされていました。
ディック・ハロラン(カール・ランブリー)はあのホテルの惨劇で命を落としていましたが、良き霊としてダニーの元に訪れ、
「私も昔教えてもらった。」
「お前もいつか誰かに教えるだろうよ。」
「オーバールックホテルの飢えた亡霊達がお前を狙ってる。」
「あの女もね。」
「一部の連中には、シャイニング(特殊な力)が食べ物になるんだよ。」
「100万ワットのバッテリーがあのホテルに繋がってるようなものだ。」
「この世は飢えている。」
「邪悪な連中はいつも腹を減らし、まるで血を吸おうとする蚊やヒルだ。」
「手の施しようがない。」
「できることは、連中の狙いを逆手に取ることだ。」
「この箱のことを知り尽くすんだ。」
「その箱と同じものを頭の中に置くことになる。」
「次にあの女が現れたらこの箱を使ってみろ。」
と言い、箱の中に亡霊を封印する方法を教えます。
ダニーは自宅の浴室へ行き、女性の亡霊を封印することに成功します。
そして歳月が流れ、2011年ダニー(ユアン・マクレガー)の心は荒れ果てて、アルコール中毒者になっていました。
ニューハンプシャーのアルコール中毒者支援団体に入り、そこで親切にしてくれたビリー・フリーマン(クリフ・カーティス)と友達になります。
ビリーは借家を紹介し、当座の家賃も立て替えてくれました。
支援団体の主催者の医師ジョン・ダルトン(ブルース・グリーンウッド)の失った腕時計の場所を言い当てたダニーは、ジョンにホスピスの仕事を紹介されます。
ホスピスには猫がおり、死期が訪れた患者の部屋に必ずやってくると言われていました。
患者も既に自分の死期を悟っています。
ダニーは患者に静かに語りかけ、このようなことが何度も繰り返されるうちに、彼は「ドクター・スリープ」と呼ばれるようになりました。
ダニーが自宅に戻ると、黒板に「Hello」の文字があります。
ダニーは「Hi」と返事を書きます。
この黒板のメッセージは、その後この物語を語るうえで、重要なポイントになっていくのです。
8年後、ダニーは黒板に新たなメッセージを見つけます。
その文字は「REDRUM」。
MURDERの逆文字です。
トゥルー・ノットは野球の天才少年ブラッドリー・トレバー(ジェイコブ・トレンブレイ)を誘拐し、拷問、殺害します。
そしてダニーと同じくシャイニングの能力を持った少女アブラ・ストーン(カイリー・カラン)がこれを察知し、ダニーにこれを知らせたのが、あの黒板のメッセージでした。
アブラはダニーに会いますが、ダニーは彼女の安全のことを考え、このことは忘れて元の静かな生活に戻るべきだと言います。
その頃、ローズはアブラの存在に気づき、逆に生気を奪おうと企みます。
しかしアブラはトラップを仕掛け、ローズは重傷を負ってしまいます。
ハロランはダニーの元を訪れ、かつて自分がダニーを守ったように、今度はダニーがアブラを守ってやるべきだと諭します。
そしてこれが自分の最後の訪問だと言います。
ダニーはビリーに今回のことを打ち明け、ブラッドリーの殺害現場へ行き、グローブを回収します。
そしてトゥルー・ノットをおびき寄せ、彼らの大半の射殺に成功しますが、ビリーは殺されてしまいます。
そしてトゥルー・ノットの一味の一人のクロウ・ダディ(ザーン・マクラーノン)は、アブラの父親を殺し、アブラに薬を投与し拉致します。
ダニーはシャイニングの能力を使い、アブラの身体に入り、クロウに接触し、クロウに急ハンドルを切らせて自動車事故を起こし、アブラを助けます。
ダニーはアブラと再会します。
「僕らのような者に危険な場所なら、あの女にも危険な場所だ。」
「僕らよりね。」
「彼女は諦めない、絶対に。」
「だから今しかない。」
ダニーとアブラはあの40年前の惨劇のあった呪われた場所、オーバールックホテルに向かいます。
ダニーはホテルのボイラーを回し、寂れたホテルをシャイニングの力によって目覚めさせます。
ホテルのバーでは亡き父ジャックの姿をしたバーテンダーの亡霊に出会います。
彼はダニーにウイスキーを薦めますが、ダニーはそれを拒絶します。
ローズがホテルにやってくると、ダニーはトラップを仕掛けローズを箱の中に閉じ込めようとしますが、これには失敗。
ローズはダニーに襲いかかりますが、ダニーは虚構の箱を開き、ホテルの亡霊達を解放、亡霊達はローズを殺害します。
ダニーはアブラに逃げるように言い、自身はホテルを燃やして、この世から消滅させようとします。
死の直前、ダニーは母ウェンディの幻覚を見ます。
そしてホテルは炎に包まれて、燃え落ちます。
40年間のこのホテルの悲劇の歴史が、遂にここで幕を閉じることになります。
そしてアブラの部屋に場所を移し、今度はダニーが亡霊としてアブラに語りかけます。
「この世は飢えている。」
「邪悪な場所。」
「他にもいるかもしれないが、君のような人もいる。」
「立ち向かう人が。」
「君に初めて会った時、隠れてろと言ったね。」
「じっとしてろと。」
「能力を隠せと。」
「でも間違ってた。」
「君はそのままでいい。」
「輝き続けて。」
アブラの母が夕食に呼びに来ると、ダニーは消えます。
「ダニーと話してたの。」
「死後も生き続ける。」
「存在し続ける。」
「彼もパパも。」
そしてアブラは廊下で、浴室にかつてのオーバールックホテルの女性の亡霊がいることに気づきます。
アブラは
「すぐ行く。」
と母親に答え、
そして浴室の扉を閉め、亡霊と対峙するところで、この映画は幕を閉じます。
3.この作品こそ、真の決定版「シャイニング」と言える、その理由とは?
スティーヴン・キングは、映画『ドクター・スリープ』特別映像(S・キング&フラナガン)2019年11月29日(金)公開で、
「大人になったダニーがどうなったのか、ずっと気になっていた。」
「マイクの映画は独立した作品だ。」
「独自の高揚感と観る喜びがある。」
「小説『ドクター・スリープ』の素晴らしい映画版だ。」
「同時にキューブリック映画『シャイニング』の素晴らしい続編でもある。」
「観るべき映画だ。参加できたことを誇りに思う。」
と言っています。
「シャイニング」の時には、映画の出来に納得しておらず、キューブリックの批判を繰り返していました。
スタンリー・キューブリックは確かに偉大な映画監督です。
そこには疑いの余地はありません。
しかしスティーヴン・キングからしたら、そこは少し肌感覚が合わないというか、映画化において何か違和感を感じていたのでしょう。
自分がこの作品に込めた意図と、映画版の解釈とは違う..,といった感じでしょうか。
しかし今回の映画で、シャイニング(特殊な力)の説明がはっきり示され、スティーヴン・キングの元々意図していたものが、より明確になりました。
その意味で、今回の映画こそ真の決定版としての「シャイニング」になったと言えます。
40年後のこの完結編は、特にラスト近くで前作の「シャイニング」のオマージュ・カットをふんだんに使用しており、そこからラストのアブラが浴室の扉を閉めるシーンまでの流れがまさに圧感です。
これは傑作です。
映画「ドクター・スリープ」是非お薦めです。
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