さあ走れ!俺たちのエクスプレス

1月に入ってからTTFCで観ていた烈車戦隊トッキュウジャー全47話を観終えました。また一つ、自分にとって大切な作品になりました。


あの秘密基地と繋がっている

初めは、ただ目の前のシャドーたちを振り払っていたトッキュウジャーも、その戦いが進むにつれて徐々に子どもの頃(というと少し語弊はありますが)の記憶を取り戻していきました。

忘れていたものを思い出す。今まで空白になっていたものが繋がっていくあの感覚に胸が熱くなりました。
初めてハイパーレッシャターミナルを訪れて、トッキュウジャーの使命が明かされたエピソードでは、子ども時代の自分と邂逅する場面もありました。とにかくあの手の演出に弱いです。キラキラした笑顔のライトが幼い自分とハイタッチして駆けていく。あんな場面見せられたら泣きます。

かつて秘密基地で書いた定期券が全ての鍵になっているのも、盛り上がりの大きなポイントでした。秘密基地を思い出した回もそうでしたし、クライマクスではもう一度トッキュウジャーへ変身するきっかけにもなっていました。あの定期券は、きっとお守りみたいなもので、あれがあればいつでもあの場所に戻れる、あの時の気持ちを思い出せる。

作品を好きになる気持ちを同じだと思いました。いつか時間が経っても、トッキュウジャーに会えば、あの時にもらった感情を取り戻せる。そういう意味で、本当に好きな作品です。

光を欲しがったゼット

シャドーラインの幹部たちも皆魅力的でした。その中でもやはり、闇の皇帝・ゼットは外せません。”キラキラ”を欲しながら、ついにそれを手に入れることなく終わっていきました。シャドーラインの中枢メンバーは、明(ザラム)も含めて最後には”キラキラ”を宿していっただけに、感慨深いものがあります。

特に、あれだけ皇帝から光を遠ざけようとしていたモルク侯爵とネロ男爵が、”キラキラ”を携えて皇帝の闇の一部となっていったのには、込み上げるものがありました。それに対して、一言だけ餞別の言葉を掛けるゼット。あのシーンだけでも、複雑な感情が入り混じっていて良い場面でした。
そんなゼットもグリッタに救出されて闇へ還っていき、密かにホッとしました。敵キャラだけど、簡単に勧善懲悪のなかで片付けられて欲しくないなと思っていただけに、自分にとっても救いのような感覚がありました。
ライトと会うたびに、嬉しそうにしているゼットを見たら、好きになっちゃいますよ。

”キラキラ”を欲しがったゼット。トッキュウジャーは、子どもの想像力のお話だっただけに、ゼットの姿は何でも欲しいものを手に入れようと悪ガキ、ガキ大将のようにみえました。
これはオタクの妄想ですが、生まれ変わりでも何でもして、ライトとゼットが一緒に笑っている所が観てみたいですね。

ビュンビュン!トッキュウジャー

最終話のEDで流れた「ビュンビュン!トッキュウジャー」
ここで聴くより前に、特撮主題歌集で聴いていて、一聴してあのスカのリズムと爽快感に心を奪われていました。それが、満を持してハッピーエンドのバックで流れていて感無量でした。

過去と現在は繋がっていて、現在と未来もまた同じように繋がっていく。そういうことは感覚では分かっているし、他の自分の好きな作品(例えば、アイカツ!)からも受け取ってきました。
今トッキュウジャーから受け取った感情が過去のものになっていっても、その先の道までちゃんと続いているから、前を向いていける。だから大丈夫。そんな気持ちにさせてくれる一曲です。物語は終わりだけど、日々の生活は続いていく。そういう時に、支えてくれる曲だなと。

終わりに

エピローグの登校する場面で、ミオがトカッチの手を引いているのを、ヒカリがそっとみている演出もニクイなあと思いながら見ていました。

改めて、また一つ大切な作品が増えました。ところで、トッキュウジャーの定期券はどこかで買えませんか?



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