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受験生のための【5択問題】攻略法

理学療法士や日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの試験って5択問題ですよね。

僕自身も対策して試験に臨みましたし、現在はAT養成校で、AT試験の理論分野のかなりのシェアを持つスポーツ医学、スポーツ内科学を担当しています。

学生たちの普段の小テストや期末テストもAT試験に準じた形式で5択問題を作るのですが、

「その選択肢はどう考えても消せるやろ」
「こことここで悩んだのなら仕方ない」

など答えを見てて色々と思うことがあるわけです。

そこで今回の記事は5択問題を解くときに僕が考えていることをご紹介いたします。


過去問研究

試験は誰かが作っています。

この作っている人が「正しい」とした選択肢を正しいと答え、
「間違っている」とした選択肢を間違っていると答えられれば合格です。

ということは問題作成者がどのように問題を作るかを想像することから対策は始まります。

問題を作成するうえで、今年の受験者が過去の合格者と同等の知識を持つためには、過去問を参考に必ずするはずです。

今までの問題で不適切問題とならなかった問題やその選択肢の分は、超絶お忙しいであろう問題作成者の作成時間を短縮するために役立ちます。

・そのまま使う(一部文言は変更するかも)
・一部を使う
・語尾などを変えて正誤をひっくり返して使う
・問題レベルの参考にする

など過去問の使い方は様々ですが、受験生としてこれを研究しない手はありません。

最低でも過去3年間分は丸暗記できるくらいにやりこみます。

5択問題の作り方

さて、5択問題を過去問を参考にしながら作成していくのですが、
5択問題を作るためには、

・5つ文章を用意して
・そのうちの1つもしくは2つを正しい(誤っている)文章にして
・正しいもの(誤っているもの)を1つもしくは2つ選べ

とすれば完成です。

つまり、問題作成者は「正しい文章」と「誤っている文章」を作っていくことになります。

それぞれ解説していきます。

正しい文章はシンプルに教科書通り抜き出されていることが多い。


正しい文章に自論は入れにくいのです。


正しいとは人によって様々なので、現場でよく起こることや、問題作成者の経験則でも問題は作れそうですが、見方がいろいろあるためリスキーです。

後々問題に対する検証が入っても、この教科書のここに書かれています!という根拠があると問題が作りやすい。

それに対して、誤っている文章はウソを書くわけですから、少し頭をひねります。
ウソになりすぎると問題が簡単になり、それっぽいウソであると難しい問題というわけです。

誤っている文章はウソなので、どのようにウソをつくかを思い浮かべることが5択問題を解いていくテクニックとなります。

それでは、次より具体的なテクニックを紹介します。

正しい文章と誤っている文章の見抜き方5つ

(※あくまで僕の考えです。コツです。これで間違えても怒らないでね笑)

✅断定表現=まちがい

・絶対に~である
・必ず~である
・常に~である

などの表現が含まれているときはウソである可能性が高いです。
世の中「絶対」はなかなかないもので、例外が存在します。

常識的に考えて、ほぼそうだろうというような文章でも、こう言った極端な表現を使って例外を一つも許さないというのは勇気がいります。


✅限定表現=まちがい

・~なのは~のみである
・~なのは~だけである

理由は断定表現と同じ例外が存在するから。
まあそういうこともあるだろうけど、物事を限定して言い切ってそれを正しいとしてしまうのは出題者がリスクを背負うことになるのでしないはず。

こんな感じの表現があれば誤っている候補にあたりをつけてみてください。


✅例外表現=ただしい

誤っている文章を見抜くことが大切ですが、上記2つの考え方からいくと例外を認めているような文章は正しい可能性が高いです。

ただし、この場合はそれほど多くない事柄を扱うわけですので、語尾が特徴的になります。

・~の場合がある
・~のときは~である
・~なこともある

こういう煮え切らない語尾は正しい可能性が高いのです。

これの変形バージョンとして、1度否定して言い直すもあります。

・Aだが、Bもある
・Aである。しかしBでもある。

ここでAには一般論や原則。Bには個別論や例外を入れてくるパターンです。
これも一般論や原則のみを否定し、個別・例外を認めているので正しい可能性が高い表現です。

✅イイ加減・非常識・理不尽=まちがい

「明らかにあかんでしょ!でも試験だしひっかけかなぁ」っていう気持ちもわかりますが、
「それを患者さんや選手にしちゃだめでしょう」
という直感は当たっています。自分を信じてください。

こういう書き方でひっかけ問題を作るのはとても難しいというか面倒くさいです。

・~するだけでよい

みたいなイイ加減な態度をとってくる選択肢も間違いのことが多い。

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【練習問題】

さて、昨年の日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの過去問をひとつ解いてみましょう。

AT志望の方でなくても、書いてある単語が訳分からなくても、ここまで読んでこられた方ならどなたでも正解できるはずです。

では、どーぞ。


問 脛骨過労性骨膜炎について正しいのはどれか。2 つ選べ。

a. 下腿上 1/3 あたり内側の痛みは、長趾屈筋に起因する。 
b. 下腿下 1/3 あたり内側の痛みは、ヒラメ筋に起因する。
c. 後脛骨筋は痛みの発生に起因しない。
d. 足部の過回内も原因となる。
e. 動的アライメント(knee in & toe out)も発生原因となる。




解けましたか?





答えは、d.e ですね。

~も~となる。は正しい可能性が高い文章。これをまちがいとするには、そんなことが1回も起きてはならないということを証明しなくてはいけません。

cのような文章も誤っている可能性が高いと見抜きやすい文章です。

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いかがでしたでしょうか。
こんな風に日本語をきちんと読み解いて、問題作成者の気持ちに立つことで正解率をあげることはやってみて損はないのかな、と思います。


もちろん、教科書に書いてある物事の本質を学んでいくことは大前提です。


しかしながら僕は、これからの時代、そういう教科書に書いてある知識はすぐに検索すればいいと思うんですよね。

知識を詰め込むよりも検索力や、情報を読み解く力を鍛える。

さらに、社会に出たときに、このように問題の本質を考えたり、どうやって対策をすれば効率が良くなったり、相手の考えを読んでみたりする


こんな力が、実際の現場で使えるのではないかと感じています。


最後まで、お読みいただきありがとうございました。


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