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FIPとわかるまで
これは一歳二ヶ月を目前にしたラグドールの男の子「モルゲンステルン」が体調を崩してからFIPにたどりつくまでのおはなし。
一番大きな異変は食欲不振でした。
2022年6月
6月に入る辺りから、ドライフードを少し残すようになったのが気になっていました。
が、以前にも食いつきの悪いフードがあり、種類を変えるとペロリと平らげていた事もあったので今回もそれだろう。1.75kgになる大袋の最後だし、匂いが飛んだり、劣化して美味しくないんだろうと思っていました。
6/4 一度目の病院
前日から食欲不振気味でしたがこの日は朝から食べようとしません。
いつもならブラッシングを始めるとすぐにヘソ天する子がしない。
抱きかかえようとしたら声をあげる。
昨日から排便が無いのは少し気になるけど、食べる量も少なかったせい?
朝晩の排尿もあるし、嘔吐も下痢もない。
気にかかる事は様々にあるけれど、病院に行こうと決めたのは
今まで一日たりとも欠かす事のなかった早朝4時前のモーニングコールがなかった事でした。
病院で診ていただきましたがこの時点ではFIPの疑いすらありませんでした。
体重は微減。微熱がある程度。
やはり腰を触った時に鳴いたので、腰を打ったか。
レントゲンを撮ると椎間板の間が少し狭目なので、椎間板ヘルニアになりかけているのかもしれない。と。
痛み止めの注射を打ってもらい、飲み薬も貰って一安心。
と思ったのも束の間。
やっぱり何かが変。
カリカリを食べないのは変わらず。肝リピドーシスが頭にあったので心配で、この時点から流動食をシリンジで強制給餌していました。
ただ、刺身や肉類は喜んで食べるし、おねだりまでしていました。
それでも何かがおかしい。顔に元気がない気がする。
6/6 二度目の病院
やっぱり何か変です。という訴えで再び病院へ。
これ、先生も困ったと思います。
土曜日に来たばかりで、すぐ月曜日ですから。
この日は熱はナシ。体重も元に。
念の為に血液検査をしてみた結果が以下の通り。
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蛋白が少し高いけれど他は問題なし。
腰の痛みから食欲がないのかもしれないと腰にレーザーを当てて貰いました。
帰宅すると久しぶりに食卓に飛び上がっておねだり。
あぁ、やっぱり腰が痛かったのねー。
レーザー当てて貰って元気になるなんて、接骨院に通ってる爺さんか!
ドライフードを食べないのも馬刺しだったりササミだったり美味しいのをすぐ与えてしまうから贅沢病だな。
なんて家族で笑っていました。
けれど貰った痛み止めを飲み切っても改善していない。
食欲不振も続いたまま。
やっぱり何かある筈。
6/11 三度目の病院
食欲不振になって丁度一週間。
この日も熱はありませんでした。
ただ体重の減少が著しく5.8kg↠5.2kgへ。
再度血液検査をした結果が以下の通り。
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やはり総蛋白が高く、ここで初めてFIPの疑いがあるとその名が出ました。
正直、前回の結果を自分で調べた時点でその病名が頭にあったので驚きはなかったです。
おそらく先生にもあったのではないかと思います。
エコー検査をすると胸水・腹水共に無し。
只、リンパが腫れている場所がいくつかあるとの事でした。
再度血液を採りFIP…蛋白分画とFCoV抗体価の外注検査となりました。
6/15 FIP確定
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上記の結果により地元のかかりつけの病院にてFIPと診断されました。
しかし、そこでは対症療法的な治療しか出来ないと……。
おそらくそう言われると思っていました。
ですので、検査結果が出る前に治療薬の使える病院を探していました。
また、そこが遠方だったので、地元の病院にサポートして貰っての投薬に対応して頂けるかまで渡りをつけて病院へ来ていました。この事を全て先生にお話をしてサポートして頂く了解までこの場で得ることが出来ました。
そして、東京へ……。
雑感
嘔吐も下痢も無し。黄疸やブドウ膜炎といった目に見える身体症状の出る前のドライタイプにしては、割合早くFIP診断まで行けたと思っています。
早期に疑って頂けたこと、地元の先生には感謝しかありません。
また飼い主として、何かおかしいと感じたらそれに自信を持つ事も大事だと思いました。
人間と同じ言葉は話せなくても、全身で喋っている動物の言葉を一番わかっているのはいつも一緒にいる飼い主だと思います。
些細な違和感でも病院に行き、納得出来るまで粘り強くいく事が大事。
また主要な病気については、前もって勉強しておく事も大切だと思いました。
今回FIPだと言われても慌てなかったのはそれが大きかったです。