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FIPと診断が下りたら

診断されるまでの経過は下記記事をご参照ください。
こちらでは診断が下りたその次、何を基準に治療法を選んだのか。実際どう動いたのかをまとめてみました。

治療法、どう選ぶ?

FIPが不治の病とされたのも今は昔。
勿論、症状や進行度によって難しいケースもあります。が、決して治らない病気ではなくなったと思います。
ただ、そこに金に糸目を付けなければ……とつくのが問題ではありますが。

治療薬と呼ばれるものも多々ありますが、基本的には12週間の投薬+12週間の経過観察を経て寛解を目指していきます。
一番有名なのはMUTIANですよね。
それから、SPARKAURA、レムデシビル、モルヌピラビル、GS-441524等々……。
どれを選ぶかも難しいです。
完治してほしい。再発しないでほしい。出来るだけ副作用のないものがいい。一番いい薬が欲しい。
ただ現状、取り扱う場所が限られている事から、日本全国誰もが希望する治療法を選ぶ事は出来ない。
これも問題だとは思います。

じゃあ、どうやって選ぶのか。
身も蓋もない言い方します。

妥協と見切り発車です。※あくまでも個人的見解です。

選択肢が限られている現状、進行の早い病である以上、ゆっくりと検討するのが難しいです。
ベストよりもベターを選んで出来るだけ早く治療を始めた方が良いのではないかと思っています。

まず、通える範囲に治療をしている病院がある場合。
そこが一番だと思います。
実際取り扱っている獣医さんの方がFIPに対する経験も豊富ですし。使用される薬の種類よりも個人的にはそちらを優先したいです。
通える範囲にたくさんある人は正直羨ましいです。
その場合は普通に病院を選ぶ様に、問い合わせた時の雰囲気や先生との相性だったりで良いのではないかと。

次に、通える範囲に無い場合。
これが猫ちゃん次第なので難しいのですが、一度ぐらいなら遠方へ行けそうであればなんとかして行った方がいいと思います。
前項と同じでFIPに慣れている先生に診て貰えるのは大きいです。

最後に、どうしても移動が無理な猫ちゃんの場合に個人輸入だと思います。
というのも薬だけ手に入れても効果判定の為には検査が必要になります。
が、グレーな存在の薬を服用している猫ちゃんは診られない。と最寄りの病院から断られたという話も聞きます。

個人輸入で寛解したという先例がいくつもあるのは知っています。でも、自分の手元に届いた薬が本物なのか。ちゃんと有効成分が含まれているのか。小麦粉の塊が届いても素人目には全く分からないという不安。それが個人的には拭えませんでした。

※あくまでも個人的見解です。

モルの場合

もふもふして

ふんわりとした情報は以前から知っていましたが、具体的にどうするか?それを検討し始めたのは6月11日にFIPの疑いが出てからでした。

治療を行う。まず、これを大前提としました。

出来れば病院に行って治療したい。
しかし、うちの県には治療薬を取り扱っている病院は無さそう。
更に隣県まで範囲を広げてもネットでざっと情報を浚った限りでは見つけられない。
こうなると都市部まで行くしかない。
移動時の負担が少なそうなのは自家用車。ですが、所要時間を考えると公共交通機関の倍かかりそうなのと土地勘が無い都市部での交通状況への不安から、今回は公共交通機関を使い出来るだけ乗り換えを少なくして行ける病院という目安で探しました。

昨今では治療薬も様々出ていますので、この薬がいい。あれはちょっと……。というのもありましたが、距離的制約から選ぶ贅沢はできない。
そう思っていたのですが、本当に偶々、運良く。診断の下りる前日6月14日にこれは!と思う治療法を取っている病院と巡り合いコンタクトを取る事が出来ました。
遠方である旨、相談させて頂いたところ。一度診察した後、主治医の先生のもとでの経過を報告しつつ郵送等で薬を処方して頂ける事になりました。

そうして6月15日。地元の主治医の先生の所でFIPという診断が下りた為、その場で治療の出来る病院へ行きたいという事。どういう治療法なのかを先方のWebサイトを交えつつ説明し納得頂き。またやりとりのメールも見て貰ってサポートの了解もして頂きました。

頻繁な通院は難しい距離でしたので、今回私の取れる選択肢ではベストだったと思っています。

雑感

今回幸いな事に、モルは大らかな性格の為、遠方の病院まで新幹線移動が出来ました。また、地元の病院の協力を受けることも出来ました。
けれど、もし先代の場合だったら絶対取れない手段でした。
車で20分でも大絶叫するのに、何時間も新幹線になんて考えられません。そのストレスたるやどれ程のものか……。
……おそらく個人輸入を選び、対応してくれる地元の病院を探し回ったと思います。もしくは積極的な治療ではなく対症療法を選んでいたかもしれません。

ただ何を選択しても飼い主が責められるべきではないですし。また、飼い主自身が自分を責めることもして欲しくないです。
全国的な標準医療が定まっていない以上どうしようもないです。
ただ選んだ中で精一杯の事をして、猫に寄り添う事が出来ればそれでいいんだと思っています。

一日も早く標準治療が定まり、飼い主が情報を求めて奔走する事無く。一般的な病気の様に診断が下りれば、そのままスムーズに治療へと移れる日が来ることを願っています。


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