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ルスミラ・カルピオ:ボリビア・フォルクローレのヴォーカリスト
ミュージシャンに関する投稿のシリーズです。
ちなみに、私は音楽雑誌の編集の仕事をしていたことがあり、音楽は一番の趣味の一つです。
ルスミラ・カルピオ(Luzmila Carpio)は、非常にアーティスティックで伝統主義的(原住民主義的)なボリビアのフォルクローレのヴォーカリストです。
彼女は、1949年にボリビアのポトシ地方のケチュア族の村カラカラで生まれました。
そして、幼い頃、アルティプラノに住むケチュア族とアイマラ族の先住民の歌を学びました。
ポトシ地方のフォルクローレは、独特の節回しがあって、他とはまったく違う魅力があります。
彼女は、10代前半にオルロに移り、スペイン語を学んでいくつかのグループのヴォーカリストとして歌いました。
そして、1969年に最初のレコーディングを行いました。
その後、彼女はアンデスの文化的や音楽を深く研究して、1970年代終わりから、ケチュアの歌を作り始めました。
1980年代後半、彼女は、アーティストとして評価を受けるために、パリに活動拠点を移しました。
それは、モダンなサウンド・プロデュースの2枚のアルバムのリリースにつながります。
彼女の音楽は、基本的には伝統を重視したフォルクローレですが、この下記2作は異質で、きわめてアーティスト性の高いモダンなサウンドになっています。
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1枚目には、とてもシャーマニックな要素が感じられます。
2枚目のアルバムには、参加したミュージシャンの影響もあってジャズ的要素が感じられます。
下の曲(2作目に収録)は、パチャママ(母なる大地)の歌です。
彼女の鳥の鳴き声を模倣したヴォーカリゼーションの技法は、ケチュア文化、特に女神パチャママへの信仰に由来しています。
完全な鳥も声の模倣は、下の曲(1作目に収録)で聴けます。
彼女は、25枚以上のアルバムをリリースしています。
2015年にリリースされた「Yuyay Jap'ina Tapes」は、ローリングストーン誌のその年のラテン・アルバム・ベスト10のひとつに選ばれました。
このアルバムには、パチャママへの信仰、女性の解放を願う歌、原住民が受ける不正に対する抵抗の歌など、伝統的なサウンドの曲が収録されています。
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このアルバムには、以下のような伝統的で素朴なプロダクションの曲が収録されています。
ですが、とてもスピリチュアルでシャーマニックであると感じます。
彼女の活動は音楽だけにとどまらず、2006年から4年間、彼女はボリビアのフランス大使を務めました。