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また仕事辞めた(2回目)

前回仕事を辞めたとき

会社員として働き、全くやりがいを感じられず約1年で仕事を辞めた。
充電期間(及びモラトリアム期間)を経たのち、保育士として働き始めて同じところで約2年。年度末でまた仕事を辞めた。

前回、つまり会社員を辞めた際は、人生のほとんどの時間をその仕事に費やす意味が全く見出せずストレスで心身の不調を感じ始めたこと、ちょうどその頃に「自分のやりたいこと」を再発見したことをきっかけに仕事を辞めた。

転職先も決まらぬまま会社を去ることとなったが、少しゆっくりしている間に次の道が運よく決まったため、得意のモラトリアム期間を過ごしつつ更なる転機を待った。

会社員を辞めた後は、保育士の資格の勉強をしつつ保育のアシスタントとして約1年ほど働いた。
出勤は週に2~3日ほど、実家でかなりゆとりのある生活を送った。
資格が取れたタイミングでちょうどその園の正社員枠に空きがあったため、そこで正保育士として働くこととなった。

受け持ったクラス内に発達ゆっくりめの子どもが数人いたこと、またそのような子たちへの対応経験がなかったこと、アドバイスを求めても目の前の業務に忙殺されあまり協力してくれなかった園長と主任、コロナ渦、少し特殊なカリキュラム、大変だったことは挙げだせばキリがない。
しかしそのおかげで私はたくさん成長したと思うし、自分がこれからもやっていきたい仕事はこれである、という強い意志が固まった1年だった。

今回仕事を辞めたきっかけ

今回は幸い体調に異変を感じることもなく、ストレスは大きな環境だったが真摯に仕事と向き合っていた。
上の人間にはあまり恵まれなかったが、同僚は素敵な人ばかりで、たまに愚痴をこぼしながらも支え合って日々を乗り切っていった。

そんな時、2回目の退職を考え始めたのきっかけはパートナーとの話し合いだった。
その頃、私とパートナーは同居しておらず、お互い別々の場所で暮らしていた。
そして2~3年後の未来について既に話し合っていて、私の住む地での同居開始に向けて少しずつ準備を進めていたが、長引くコロナ渦で予定は全て狂っていた。
そこでもう一度話し合いの場を設け、今の状況下で2人の人生を進めていくためにはどのような道が考えられるのかを洗い出していくことにした。
その中で一番実現可能性が高かったのが、私の退職と同居の開始だった。

お互い一人ひとりの人生をそれぞれ進めていくことはもちろんできるが、「2人のこの先」が見えなくなっている気持ちだった。
そして、それはお互いが一番憂いていたことだった。
とにかく一緒に住み始めてみよう、ということで合意した。

話し合いを進めている頃、パートナーはスキルアップのための勉強を始めるため、新天地へ引っ越しをしていた。
「同居を開始する」という新たな目標に向け、彼の新天地に私が行くという計画も現実味を帯びてきて、私も退職の意を固めていった。

2回目の退職、交換可能な部品としての私

心を決めてしまえば行動するのはとてもスムーズで、10月頃に年度末(3月)で退職する意を園長に伝えた。
園長は私がたった1年で辞めることに少し動揺していたようだったが(後から知るのだが、私以外にも同じタイミングで退職する意を伝えていた人がかなりの数いた)、サラッと私の申し出を受け入れた。

その後は通常通り仕事をしつつ、プライベートの時間で新天地への引っ越し準備や手続き等を進めていった。

職種は違えど、一度退職を経験していると、「退職って本当に簡単だな」と感じる。
いい意味でも悪い意味でもなく、仕事において自分は交換可能な部品なのだという事実を認識する。
保育士は特に入れ替わりが速い業界だと聞くので、それも相まってか、拍子抜けしてしまうくらい簡単で、他人事にすら思えてくる。

「交換可能な自分」を卑下する気持ちは一切なく、それは事実として受け入れている。
自分のいたポジションはきっと他の誰かが今望んでいるポジションだろうし、その誰かが私のいた場所を埋めてくれるからこそ、私は次の道に心置きなく進める。
子どもたちが私以外の様々な保育士や人間と関わって、さらに自分たちの幅を広げていくことも、彼らのさらなる成長につながっていくと信じている。
もちろん、私がいなくなることに関して、子どもたちへの伝え方には十分に気を付けた。園長と話し合い、子どもたちへの伝え方を考え、子どもたちからの質問にも彼らが納得するまで答えた。
きっと、新しい年度が始まってから自分の不安な気持ちを認識する子もいるだろう。そこは、園長がしっかりケアしてくれていることを祈るばかり。

退職はもう2回目なので、前回のように周りの意見に振り回されることもなく、自分の決定に一切揺らぎはなかった。
ただ、やはり成長を見守り信頼を築いてきた子どもたちとその親との別れを思うと心が痛かった。
たった1年間でも、それぞれの子ども・親と共に様々な経験をして乗り越えてきたため、どうしても後ろ髪を引かれてしまった。

出勤最終日には出来る限りの感謝を伝え、子どもたちに「またね」と伝え、職場を去った。

その後の生活

最終出勤日の3日後には引っ越しをした。
あまり振り返る間もなく新天地での生活が始まったため、最初は仕事を辞めた実感がなく、長期休暇中のような気持ちだった。
こちらでの生活が落ち着くと、子どもたちのことを思い出したり、もらった手紙を読み返したりしてみた。
引っ越し先での仕事はまだ決まっておらず、かなりゆったりとした生活を送っている。
目まぐるしく働いた日々を思い出して、少し懐かしい気持ちになる。
たった1ヶ月前までは子どもたちと公園へ遊びに行っていた時間に、私はこうして1人で文章を書いている。

また新たな場所で働き始められるよう、少しずつ進んでいこうと思う。




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