10年に一度くらいの辛い出来事

生きてきて、この10年で思い出せる出来事の中で、一番悲しい出来事があった。
まだまだその渦中で、抜け出せる兆しが全くなくて、文字通り真っ暗闇。
辛い気持ちが続くのも疲れ過ぎて、違うことをしようといろんなことに手をつけるけど、何だかずっと上の空。
ふとその出来事を思い出してしまう。
夜と早朝の暗い時間は特に辛い。昼間には少しだけ芽生えたポジティブな気持ちが、跡形もなく消える。夜が来るのが怖い。
会いたい人にもすぐに会えない距離。時差。

何も見えない。気を抜くとすぐ涙が出る。辛い気持ちを一瞬でも紛らわせたくて、こうして文字を打っている。
動画を見ても集中できず、体を動かすエネルギーがあるわけでもなく、趣味にも没頭できず、こうしてただキーボードを叩いている。

吐き気がするほど、全てから逃げ出してしまいたいほど、こんなに辛くても、パン1枚くらいは喉を通った。あったかいお茶も嬉しい。今欲してるものは、本当にあったかいお茶くらいだな。あとはものすごく寄り添って話を聞いてくれている友達からの連絡。本当にありがたいな。

すぐに前向きになる必要はない。
私にはこの出来事を消化する時間がたくさん必要。
むかーしのとっても辛かった事だって、今はもう傷が癒えているんだもん。
この大きな傷も、いつかは癒えるんだ。
ただ、もっともっと、たくさんの時間が必要なんだ。

目の前のことだけを見て走ってきた。
今まで見てこなかったこと、気づかぬうちに目を背けていたこと。
楽観的に、ふわっと捉えていたこと。
突然、それがはっきりとした形になって、目の前に現れた。
はっきりと見えてしまった。

衝撃が強過ぎて、疲れ果ててその日は眠りについた。でも数時間後に動悸がして起きてしまった。
夜の暗さ、冬の静けさは簡単に私を飲み込む。
起きてしまったら最後、もう一度寝ることは本当に難しい。
暗い想像で頭がいっぱいになって、抜け出し方が分からなくなる。
ただじっと朝になるのを、太陽が出るのを待つ。
無音になるのが怖くて、ヘッドホンを手放せない。

きっとこれから数ヶ月、もしかしたら年単位で、私は夜を恐れるのかもしれない。
ふとその出来事を思い出すものに触れてしまって、壊れてしまうのかもしれない。
後悔もたくさんするのかもしれない。

でも、今日だけは。
この残りの数日だけは。
一瞬でもいいから、幸せを感じられるように。

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