私の包茎手術 最近の工夫

大学病院を中心に男性不妊・性機能などメンズヘルスを専門にしている泌尿器科医です。

メンズヘルスを語る上で外せない話題が包茎。
私個人的考え方として、真性包茎であれば手術適応。
仮性包茎は基本的には手術は必要ないけど、コンプレックスになって困っているなら手術をしてもいいんじゃないのか?でも、合併症などは要注意だから理解してから受けてね。というスタンスです。

というわけで、保険適応の手術ばかりですが、定期的に包茎手術を行っています。保険でやるとは言っても専門家として、機能がよければ仕上がりは汚くていい、とは言えません。最近は形成外科・美容系のドクターのオペ見学やディスカッションを重ね、日々ブラッシュアップしています。

直近で行ったオペの術式紹介です。

・デザイン
亀頭直下2mmぐらいのライン、小帯は温存。このデザインが結構肝です。根本側は余り過ぎず、切りすぎない範囲。勃起した長さは陰茎を牽引した長さとほぼ同じなので、それを目安にデザイン。

・麻酔
陰茎根部にブロック注射。E入りで出血を少なくします。陰茎には禁忌では?と思われるドクターもいると思われますが、業界的に大丈夫なコンセンサスが得られています。ブロック注射後にwater dissectionも兼ねて切開部位にも麻酔。

・切開
メスで切開。切ったらバイポーラで止血を繰り返します。

・縫合
6-0ナイロン 抜糸ありで、丁寧に縫合。

術後はコーバンで3日圧迫。
2週間後に抜糸。前後の傷のフォローは本人希望に合わせて1-2回程度。

だいたい手術時間は20-30分程度で日帰りです。
保険適応なので手術料金としては2040点=約2万円+診察料、薬剤費なので、全く収益にはなりませんが大切な治療なので丁寧にやっています。

一般的に総合病院の泌尿器科医は前立腺癌などの大きな手術が好きで、病院の収益にならない小手術である包茎をやる自分を見ると「なんでそんなの頑張ってるの?笑」と言われますが、メンズヘルス外来の一環として細々続けていこうと思います。


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