男性不妊ドクターが選ぶ「いい不妊治療クリニック」

私は大学病院で男性不妊を専門に勤務している泌尿器科医です。
同時にいくつかのARTクリニックでの非常勤歴があります。

今年は100例以上の男性不妊関連手術を執刀見込みで、専門性が高すぎない範囲で女性不妊治療も行っています。

そんな、男性不妊ドクターが選ぶ「いい不妊治療クリニック」

・男性不妊を専門にする泌尿器科医がいる
不妊原因の割合は男女半々です。精索静脈瘤やホルモン異常など根本治療が可能な男性不妊があります。男性不妊を放置して女性治療を進めた方が、高額な体外受精を行った方が儲かるのですが、良心的な治療とは言えません。
できれば初診で男女両方受診。最低でも、泌尿器科医がいなくても、異常所見があれば専門外来に紹介してくれるところがいいです。
→「担当医表に男性外来の記載があるクリニック」

・保険診療を行っている
自費でしかできない治療・検査があるのは確か。でも、自費で100万ぐらいしていた治療が保険だと自己負担10万台だったり。ART複数回失敗例、高齢とかでは初診で自費を推奨することはあっても、最初の治療ほ保険一択だと個人的には思っています。男性不妊に関しては、保険診療の値段設定がどう考えても赤字になるように設定されているので、自費でも仕方ないかなと思っています。予算に制限のない方は最初から自費フルオプションにするのは、個人の自由です。

・ある程度の治療実績がある
採卵数300:やってるな 500:やってるな 1000:結構やってるな 
3000-:かなりやってるな、というイメージです。

・ラボの質がいい
ARTで一番大切な部分、培養室=ラボのクオリティーです。卵を実際に扱うのは医師でなくラボです。しかし、ラボの質は外からでは分かりにくいです。ホームページ上で学会活動の実績が多いところはハズレが少ないが、必ずしもそうとは言えない。

・「他ではできない独自の治療」をやっていない病院!
これは医者目線での常識です。医学的な技術・知識は論文などで共有され、専門家が学会で話し合って世界で受け入れられます。いい治療は自費であっても複数の病院で行われていることが多いです。不妊治療は自費診療がメインだった時代もあり、とんでもない独自治療を行っているところもあるため、「他ではできない独自の治療」はやめといた方がいいとは思います。治療効果が低く、高額、その病院が全体的に微妙なことが多いです。
たまに、手術に自身のある先生が自分の名前をつけた手術で売り出すことはありますが、一般的にちゃんとやってる医師の手術とやり方自体は大差ないことが多いです。(上手なのかも知れません。)

 

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