私には食の楽しさがわからない様だ。

 私は「美味しい」,「マズイ」という感情、思考が分からない。 いや、世間一般ではわかっているに含まれる人間なのだろうと思う。そう思うのは自分が作る料理には自信があるからだ。人に振る舞っても「美味しい」と言われる…お世辞ともとれなくもない…が,一応作った物は全部自分で食べ切れるし他の人も食べきれているから、まあ不味すぎる物では無いのだろうと思えるのだ。
 そうして最近私は食事の楽しさが一向に解らない。つまり、食事という作業でしか無いと思うのだ。一口目に食べた物に美味しさがある様に思う,が脳にエネルギー源だという信号,情報が送られる事でしかないと否定的になってしまう。二口目にはもう知っている味に飽きて作業なんだとつくづく思ってしまう。すると食欲が湧かなくなり、最近2〜3キロ痩せた気がする…ダイエットがしたくなったら食事=作業と考えながら食べようと思う。
 気づけば私は子供の頃から食事=作業だった。ただ親に全部食べたら褒められるから,そして美味しいと言えば笑ってくれるからという情報が脳に送られて、今楽しくもないのにテーブルを囲み、全部食べきらない弟に、昔親に向けられた表情,感情,言葉をまんまそのまま発していると気づいた時。私は…,負の連鎖とはこの事かと実感した。
 私はふとある考えがよぎった。
美味しい=不快なく、滞りなく作業が出来る物の事を言うのではないか。…と頭の片隅でいつの間にやらそう思う事で私は世間的に普通だと思われてるのだろうな〜と思ったのだ。
生きる為だけのエネルギー摂取の作業だと思ったら美味しいと思っていた食べ物も,ただ胃が重くなる不快な物になってしまった。
 そうして私は生き物ではなくなっている様なそんな気がした。
サプリメントで終わらす様な食事を仕出したら私は人間の輪から投げ飛ばされる気がする、いや投げ飛ばされても何も感じない布人形の様に私は徐々に心が腐敗していくのだろうなと悟った。今は人間で,生物でいられれば良い。もしかしたら早く無くなってしまいたい、もしくは助けて、かもしれませんけどね。

いいなと思ったら応援しよう!