子育てと支配は紙一重?
パートナーは、権力で息子を手懐けてきたようだ。
子供だからよそ見して食べこぼす。その度に「おい!」とビクっとするほど大声をあげる。
少しでもダラダラしようもんなら「習い事やめさせる!」といい放つ、ゲーム機取り上げるやら、スマホ使えなくするやらの懲罰…
「お前がモタモタしてるから、電車乗り遅れたじゃないか!!早くしろよ!!!」
周りの人も振り向くくらいの剣幕で怒鳴りつける。
「早く食べろよ!」「早く寝ろよ!」家でも外でもすぐ怒鳴る。とにかく怒られてようやく動く。
子分みたい。見方を変えれば、怒られないと動けない子。
子は怒られないために、父に取り入る技術を習得していて「とぅちゃ〜ん」と甘い声で父をはぐらかしたりもする。正直ゾッとする。
これって、支配関係じゃない!?ドン引き。
こんな調子で、この子に未来はあるの!?
そうそう、私がこちらに来て間もないころ、子供が外で落とし物をして、父子で探しに行ったことがあった。子が父に口ごたえしたらしく、逆上した父が子を蹴ったところを、一部始終を見た人に通報され警察沙汰。子は一晩、児童相談所に預けられた。なんともお恥ずかしい。
これが昭和なら、なんともない景色だったのかもしれない。私だって言うことを聞かなければ、親にぶっ叩かれた。どの家庭でも当たり前だったから、疑問に思うことすらなかった。しかし、時代は令和。
私が来る前は、日常的に手をあげていたみたい。
「1回以上は叩いてないよ」いや、1回叩いてるじゃん。それじゃ別れた嫁と変わらないじゃんかよ。元嫁は子の頭を踏みつけていたらしい…
ザッとこんな調子。
これって、子育てか!?
子供は親を選べない。パートナーが元嫁と離婚したとき「息子は俺を選んだ」と、彼は言う。
いや、選んだのではなく、身体的な暴力を奮われるよりマシだと思っただけだと思うよ。もしくは、選ばなかったら怒られると思ったか。恐怖政治じゃんか。私のことだって、息子からしたら、父親が勝手に連れてきた女性。息子が選んだわけじゃない。
おはよう、いってきます、ただいま、いただきます、ごちそうさま、ありがとう、ごめんなさい、
何ひとつ言えない子だった。歯磨きもしない、外出がなければ1日中パジャマ、ゴミも捨てられない、服も脱ぎっぱなし、整理整頓も皆無、いつも探し物。忘れ物だらけ。自分の主張が通らなければ授業中でも大声で進行を妨げる。謝れないから友達とのささいなトラブルも多かった。小4の頃は担任の先生から毎週電話がかかってきた。
でも、怒鳴っても、なんの解決にもならない。
環境を作る、一緒に決め事をする、持ち物チェックシートを貼っておく、相手がどう思うか一緒に考える。時にはこういうものだと知ってもらうなどなど、自分でできるようになるための道筋を提供した。
やるか、やらないかは息子が決めたらいいと思う。
やったらどう変わるか、反対にやらなかったら?
そのプロセスをじっくり噛み締めさせて、どうあれば、自分と親を含めた他者と気持ちよく生活できるか、子供なりの気づきが絶対あるはず。
そこを信じて、投げかけているし、自立していってもらいたいなぁ。
11歳ともなると、正直なところ、もう無理かもなぁ…という領域もある。でも、知らないことは知っていけばいい。私のやり方が正解か不正解かはわからないし、そんなものはないかもしれない。
ただ、私は何も生み出さない支配ではなく、子育てで乗り越えたいだけ。