二次創作と夫婦生活
野球全然興味がない人間でしたが、野球漫画にどハマりしてハマりすぎて二次創作まで初めてしまいました。
何度も何度も読み返し、ストーリーを噛み締めていたのですが野球についても興味が湧いてきました。
パートナーである夫は元野球少年です。今も家で野球中継をよくみます。付き合いたての頃家に行くとグローブが棚に飾ってあり、過去を戻せるならと会話をしたときに「俺のせいで試合に負けたから、あの時もっとこうしてればって後悔してる」なんて事を言ってました。
野球にも人にもそんな興味ないので、(へぇー。なんか打ち込んでたんだなぁ)なんてぼんやり思っていたのですが、ハマった漫画のストーリーに出てくる心境と同じという事に気付き、アラフィフになっても高校時代の試合を後悔するってヤバない?え?すごっ。と、やっと彼の気持ちの深さに気づけたのです。
スポーツをなにもやらず、打ち込むこともなく帰宅部でダラダラと遊んでいた私にはない経験で、漫画を通してやっと彼の傷を知ったのです。
「ねぇ、もしかして野球の強豪校とかにいたん?」
「まぁ、そうだね」
甲子園目指す漫画の中のキャラと同じ道を通っていた事に驚きと、私は本当にこの人の事を知らずに結婚をしているんだなと我ながら夫婦としての距離感を感じました。
自分から話しをするタイプでないので、質問をしないと彼の事は分からない事が多く、「昔ホームレスしたことある」とか「友達とルームシェアしてたんだけど、帰ったら家財道具もお金もなくなって連絡とれなくなった」とか掘り出しエピがたまにポロリと出てくるおもしれぇ男です。
「甲子園目指してた?」
「俺の代は行けなかったけど、下の代は行ったよ。だからOBとかには色々言われた……」
うわぁ、OBからのプレッシャーとかまぢ漫画やんなんて興奮を覚え、ハマっている漫画のストーリーがリアルなものだと実感。
そして、さらに私と旦那の身長差が推しカプの身長差と近い事に気づきました。
気付いて以来、近くでさりげなく自分の頭の位置と目線を確認して推しキャラの目線を想像してニヤニヤする毎日。
この作品にハマってから夫の知らなかった人生の1部に触れ、推しカプとの身長差の想像で胸がトキメキが湧いてます。
ありがとう、忘却バッテリー。
君たち球児の日常はフィクションでなく、現実にも沢山いるのだね。
高校時代の1つのプレーが一生の傷になりえる、そんな戦いをしているんだね。
フィクションの中で位はハッピーエンドがいい。救われてほしい。年々そんな気持ちが強くて、漫画の中の君たちが救われていく姿をみたいから、辛くてシリアスな展開をみると幸せにしたくて、励ましたくて、祈りをこめて二次創作をしています。
どんなにしんどくても、最後には乗り越えられる救いのある話しを書く作者だからシリアス展開はその伏線なのだと今後の展開も楽しみに待ち続けようと思ってます。
試合の後悔をしている元球児も、アラフィフの未だ忘れられないしこりであっても、野球中継を見て草野球をする位野球からは逃れられない魅力があるみたいで、だけど、辛い経験があってもやっぱり好きは好きなのだと旦那を通して負けたキャラに思いを馳せ、今日も今日とて漫画を読み返して噛み締めます。