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弓道の形を覚えたら身体の中に落ちてきた気がした
和弓は好き勝手に引いて良いわけではなく、決まった動作通りに引かなくてはいけなく、それが最も美しいとされる。動作を8つに分けた射法八節という形に従う必要がある。トレーニングと平行してこれを覚えるために弓を持たずに動作だけを繰り返す練習をする。
弓道の基礎の基礎だ。
八節、と言ってもあいだあいだに細かい動作が入ってくる。動作は8つではなく実際にはその倍くらいある。
そのうち無意識に体が動くようになるから、と言われても毎回、次は何だっけ?となる。なんせ8つの動作とか言いながら「胴づくり」という動きは実際には動かない。動きなのに動かないとか何だそれ、とか思うが、実際には脚や背筋やいろいろなところが動くというより整わせる感じ。これがわかるまでは胴づくりを飛ばしてしまったり。
最初はわけわからず、号令をかけながら皆で並んで同じ動作をする。謎の体操を全員でゆっくり合わせて動くのだ。遠くから見ると気味悪かったかもしれない。しかも、1つ1つ号令をかけてるわけだし。
さて、この時に号令を間違えたら最後、全員であたふたする。覚えていないので自分が間違えたのか号令が間違えたかわからないからだ。
また、指を折りながら順番に言っていくと最初のうちはなぜか7つで終わるという謎な状態が続く。特に長い期間この練習をするわけではないが、身につくまで繰り返す。
やはり毎日毎日やってるとやはり覚えてくる。無意識にとはならないと思っていたけど急にスッと体に入ってきた瞬間があった。次は「引き分け」だ、と思うよりも先に体が動く。
血となり肉となるっていうのはこういうことを言うんだなと思った瞬間だ。