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小学校受験【万が一ご縁がいただけなかった時の気持ちの整理】
「不合格」—合否サイトにログインしてそのページを見た時は、手の震えが止まらなかったことを覚えています。しかも一校だけではありません。二校三校と続いた時はさすがに何も喉に通りませんでした。
学校から家族全てを否定されるように感じました。
最初は力試しのつもりで始めた小学校受験。徐々に上がる成績に釣られ、そのうちに欲が出てしまい、最後には「何がなんでも難関校」となってしまいました。娘からしたらいい迷惑だったと、今になると思います。勉強すればするほどハードルが上がり塾も増え、ペーパーも増えゴールが遠のく、蟻地獄のような生活をさせてしまったかもしれません。
それでも、模試の成績が良好だっただけに、連戦連敗という結果は大きな衝撃でした。
『面接であの時こう答えていれば...』
『もしかしたら合格してたのでは?』
何度も何度も同じことを思い出しては胃がキリキリする日々。そんな時、周りの人たちは善意で声をかけてくれます。
『これからきっと挽回できるよ』
『公立行ったってこの子は頭がいいから大丈夫だよ』
『万が一ダメでもこれまで頑張ったことは無駄にはならないよ』
でも、正直に申し上げれば、そんな軽々しい気休めのような、上っ面の慰めほどイライラさせるものはありませんでした。「そっとしておいてほしい」というのが正直なところでした。
この記事では、実際に小学校受験での挫折を経験し、それを乗り越えた保護者としての体験と、教育現場のプロフェッショナルの知見をもとに、形式的な慰めではない、具体的で実践的な対応方法をお伝えします。
1. 公立小学校の新たな魅力発見
「公立に行くことになるかもしれない...」
その瞬間、なぜか肩の荷が降りた気がしました。もちろん悲しいのですが、割り切って前に進むしかないかといういい意味で開き直れたように思います。むしろ、長い間知らず知らずのうちに背負っていた重圧から解放されるような、不思議な感覚でした。
結果として、その後別の私立小学校に合格し、娘は現在そちらに通っています。しかし、あの時公立小学校という選択肢と真摯に向き合えたことは、私たち親子にとって大切な経験となりました。
今の正直な気持ちとしても公立でもよかったなと「本気で」思っています。
1.1 公立小学校をよく研究する
受験がうまくいかない時、私たちはつい公立小学校を「受験に失敗した場合の選択肢」としてしか見ていないことがあります。しかし、それは大きな間違いでした。
公立小学校には、私たちが気づいていなかった多くの魅力があります。例えば:
地域に根差した教育活動
近所の友達との自然な交流
文科省の指導要領に基づく確実な学力形成
地域行事への積極的な参加機会
おそらく合格を目指す中で、無意識に公立小学校を毛嫌いしていたことはありませんか?しかし、日本の義務教育制度は世界に誇れる仕組みです。私立であれ公立であれ、文科省の指導要領に則って教育が行われているのです。
1.2 通学路で通う我が子をリアルにイメージ
実践的なアプローチとして、地域の公立小学校の通学路を実際に歩いてみることをお勧めします。特に下校時間帯に、子どもたちの様子を観察してみましょう。
「できたらその小学校の通学路の子供達を眺めて、楽しそうに帰っていく様子を想像する。自分の子供があの子達と一緒に毎朝通うと言うリアルなイメージを持ちます。」
そこで見かける光景は、意外にも私たちの心を温かくしてくれると思います:
元気に挨拶を交わす子どもたち
友達との楽しそうな会話
地域の方々との自然な触れ合い
季節を感じられる通学路の風景
1.3 通学時間など空き時間のメリットを考える
公立小学校ならではの大きなメリットの一つが、通学時間の短さです。この時間的余裕は、子どもの生活に新しい可能性を開いてくれます:
朝のゆとりある時間
放課後の習い事の選択肢の広がり
家族との充実した時間
子どもの自主的な活動時間の確保
私の場合、結果として私立小学校への進学となりましたが、この過程で公立小学校の価値を見直せたことは、とても意味のある経験でした。どちらを選択するにせよ、この視点を持てることは、お子様の教育を考える上で大きな財産となるはずです。
1.4 実践チェック:明日からできること
以下のチェックリストを参考に、具体的なアクションを起こしてみましょう:
□ 公立小学校の研究
学校のホームページを確認する
学校行事の年間予定を調べる
特色ある教育活動をチェックする
□ 通学路の下見
実際に通学路を歩いてみる
下校時間に子どもたちの様子を観察する
通学時の安全ポイントを確認する
□ 時間活用プランの作成
現在の生活時間を見直す
新しい習い事の候補をリストアップする
家族との時間の使い方を具体的に考える
これらの準備は、たとえ最終的に私立に進学することになっても、決して無駄にはなりません。むしろ、教育の本質を見つめ直す貴重な機会となるはずです。
2. お教室との建設的な対話
不合格の結果を受けて、まず最初にすべきことは、お教室への報告です。しかし、多くの保護者の方は、この時点で足が遠のいてしまいがちです。「申し訳ない」「恥ずかしい」という気持ちが先立ってしまうからでしょう。
けれども、この時こそお教室の先生方と真摯に向き合うべき時なのです。
2.1 専門家の視点から見た分析
私の場合、お教室の先生から、思いもよらない視点での分析をいただきました。
「行動観察で娘さんのいいところが見落とされたのかもしれない」
「今年は話の記憶が難しかったのでそこでつまづいたのかもしれない」
これは、ただの慰めの言葉ではありません。特に大手のお教室では優秀な子から徹底的にヒアリングして、ほぼ確実に入試問題を再現します。それを踏まえてプロフェッショナルとして、客観的に分析してくださっているのです。このような専門的な視点は、私たち保護者には持ちづらいものです。
2.2 具体的な改善策の提示
さらに先生方は、残された時間で何をすべきか、現実的なアドバイスをくださいました:
基礎の徹底
「時間も限られているので確実に数の問題は7割取れるように毎日練習しましょう」
焦って新しいことを始めるのではなく、確実に得点できる部分を固める
メンタルケア
「元気に受けることがまずは第一なので外で遊ぶなど親子共にリフレッシュしましょう」
受験勉強だけでなく、心身のリフレッシュの重要性
新たな選択肢
「今から出願できるところもたくさんあります。選択肢として検討してください」
まだ十分なチャンスがあることを具体的に示唆
2.3 建設的な相談のために
相談の際は、以下のような姿勢を心がけると良いでしょう:
事前の準備
これまでの受験結果を整理する
お子様の様子の変化をメモする
具体的な質問事項をまとめる
相談時の心構え
感情的にならない
先生の分析をよく聴く
すぐに結論を求めすぎない
今後の方針について
残された受験の可能性を確認
具体的な学習計画を立てる
リフレッシュの方法も相談
2.4 実践チェック:相談後の行動プラン
□ 先生のアドバイスを書き出す
改善が必要な点
伸ばせる可能性のある部分
具体的な練習方法
□ 今後の学習計画を立てる
毎日の練習時間の設定
基礎問題の確実な習得
休息時間の確保
□ リフレッシュの予定を立てる
外遊びの時間を確保
家族での楽しい活動
気分転換の方法
□ 新たな受験校の検討
出願可能な学校のリストアップ
各校の特徴調査
実現可能なスケジュール作成
お教室の先生方は、単なる受験指導の専門家ではありません。多くの受験生とその保護者に寄り添ってきた経験から、的確なアドバイスをくださるはずです。恥ずかしがらずに、しっかりと相談することで、新たな道が開けてくるかもしれません。注意点は「どうしてくれるんですか?」といったクレーマー的な立ち位置にならない。その塾を選んだのも通わせたのも親の意思です。
2.3 建設的な相談の進め方
相談の際は、以下のような点を意識すると、より建設的な対話が可能になります:
事前の準備
現在の心境を整理する
具体的な質問事項をまとめる
今後の選択肢を箇条書きにする
相談時の姿勢
感情的にならない
先生の話をよく聴く
メモを取る習慣をつける
今後の方針について
残された受験の可能性
公立小学校での学習計画
習い事や学習の継続方法
2.4 実践チェック:相談時の確認ポイント
□ 面談の予約を入れる
できるだけ早めに連絡
十分な相談時間の確保
可能なら両親での参加
□ 事前準備をする
これまでの経緯の整理
現在の不安点のリストアップ
今後の希望をまとめる
□ 建設的な対話のために
感謝の気持ちを伝える
具体的な質問を用意する
前向きな姿勢を保つ
□ 相談後のフォロー
決まった方針を書き出す
必要な場合の再相談日程
家族での情報共有
重要なのは、この相談が終着点ではなく、新たなスタートを切るための機会だという認識です。先生方との対話を通じて、お子様の新しい可能性が見えてくるかもしれません。焦らず、一つ一つ着実に前に進んでいきましょう。
3. 原点回帰:子育ての本質を見つめ直す
受験のプレッシャーから一時的に解放されたこの瞬間、私たちができる大切なことがあります。それは、子育ての原点に立ち返ることです。
3.1 生まれたての記憶に触れる
私の場合、落ち込んでいたある日、たまたまスマホで娘が生まれたばかりの泣き声の動画を見ました。精一杯自分の力で泣く姿をみて、本人が決して望んでいるわけではない受験という経験をさせてしまい申し訳ないなという気持ちが湧いてきました。
6歳といえば、まだ泥だらけで遊んだり友達と喧嘩している時期です。親の期待する姿に矯正させられながらも明るく接してくれる娘に、なんともいえない気持ちになりました。
その動画を見ていると、あの時の気持ちが鮮明に蘇ってきました。生まれてきてくれて、それ自体に感謝していたあの気持ち。元気に育ってくれたらそれでいいと思っていたあの時の純粋な願い。
```mermaid
mindmap
root((生まれたての記憶))
赤ちゃんの姿
精一杯の泣き声
懸命に生きる力
純粋な存在
6歳の今
遊び盛りの年頃
本来の子どもらしさ
明るい笑顔
親としての気づき
過度な期待への反省
子どもの本質
ありのままの大切さ
```
3.2 受験期の葛藤を見つめ直す
その動画をきっかけに、私は娘の日々の様子を改めて観察するようになりました。受験勉強の合間に友達と遊びたそうにする姿、塾の休み時間に走り回る姿、そして時には疲れた表情を見せながらも、親の期待に応えようと頑張る姿。泣きながらどうしても今日だけは塾に行きたくないと言われましたが心を鬼にして授業に受けさせました。
```mermaid
graph TD
A[本来の6歳児の姿] --> B[泥んこ遊び]
A --> C[友達との喧嘩]
A --> D[無邪気な笑顔]
E[受験に向けた姿] --> F[早めの生活リズム]
E --> G[塾での学習]
E --> H[大人びた受け答え]
B --> I[失われつつある<br>子どもらしさ]
C --> I
D --> I
F --> J[求められる<br>成長]
G --> J
H --> J
I --> K[バランスの<br>必要性]
J --> K
```
3.3 これからの親子関係を考える
写真を見ていると、改めて気づかされます。
子どもの笑顔、日々の成長、何気ない会話—これらこそが、本当の宝物なのではないでしょうか。
```mermaid
mindmap
root((親子の絆))
見つめ直すこと
子どもの本来の姿
無理のない成長
自然な親子関係
取り戻したいもの
のびのびとした時間
自由な遊び
素直な感情表現
これからの関わり
過度な期待を手放す
子どものペースを尊重
共に成長する姿勢
```
3.4 実践チェック:明日からできること
□ 写真を見返す時間を作る
アルバムを一緒に見る
思い出を語り合う
成長を喜び合う
□ 今の気持ちを伝える
頑張りを認める言葉
変わらぬ愛情の表現
将来への希望
□ 新しい目標を立てる
子どもの意見を聞く
無理のない計画
楽しみながら
原点に立ち返ることで、私たちは大切なことを思い出すことができます。そして、それは次のステップへ進むための大きな力となるのです。
さいごに
もしも公立に通うことになったら?
```mermaid
mindmap
root((新しい一歩))
区切りをつける
手作りの合格証
頑張りの認定
新たなスタート
自由な時間を楽しむ
遊園地
家族旅行
好きな遊び
学校との出会い
事前の相談
温かい歓迎
新しい環境
```
お子さんに合格証を手作りで作ってあげましょう
お子様は本当によく頑張りました。毎日の学習、面接練習、行動観察の対策...。長い間、一生懸命に取り組んできた努力、その思い出はお子さんが大人になった時ふとした瞬間に思い出す一コマではないでしょうか?
「もしかしたらもうちょっと頑張れたかも」—そんな後悔の念が心をよぎることもあるかもしれません。でも、今はその気持ちを脇に置いて、お子様の頑張りにしっかりと区切りをつけてあげましょう。
```mermaid
mindmap
root((手作りの合格証))
伝えたい気持ち
毎日の努力への感謝
最後まで諦めなかった勇気
一生懸命な姿勢
書き添えたい言葉
具体的な頑張り
新しい期待
変わらない愛情
デザインのポイント
お子様の好きなキャラクター
カラフルな装飾
心のこもった手書き
```
2. 学習からの解放
今は、中学受験の準備や学童での学習など、先のことは一旦横に置きましょう。6歳の子供と親でしかできない、大切な時間を過ごす時です。
```mermaid
graph TD
A[これまでの生活] --> B[一時的な解放]
B --> C1[遊びの時間]
B --> C2[家族との時間]
B --> C3[友達との交流]
C1 --> D[心の回復]
C2 --> D
C3 --> D
D --> E[新しい生活への準備]
```
具体的な過ごし方の例:
行きたかった遊園地への家族旅行
公園でとことん遊ぶ時間
お友達との思いっきりの遊び
好きな本をたくさん読む時間
家族で料理を作る楽しみ
近所の自然探検
今まで我慢していたことを、少しずつ解放してあげることで、お子様の心も自然と軽くなっていくはずです。
3. 通う公立小学校へ相談する
私立受験を経て公立小学校に通うことになった場合、もしかしたら親子共に気持ちをポジティブにするのが難しいかもしれません。
私の知り合いの話ですが、お兄ちゃんの学校に不合格で残念ながら弟は公立に通う事になりました。
「どうしてお兄ちゃんと同じ学校に通えないの?」
「僕がバカだったの?」
といったことを聞かれる毎日で辛かったそうです。
そこで困って公立の小学校に相談に行ったそうです。
「実は兄が通っていた学校に不合格で貴校に通う事になりました。息子が落ち込んでいるのですが、何かいい方法はありませんでしょうか?」正直に伝えたところ教務主任の先生と面談していただけたそうです。
お子様に対して
「この学校に来てくれる事になってありがとう。」
「君の友達は、ここにたくさんいるよ。」
「お掃除あるから家でお手伝いしておいてね。」
「給食は残さないようにするんだよ。」
「漢字をたくさん覚えてね。」
「自分のことは自分で少しずつ自分でできるようになってね。」
「お母さんにありがとうをちゃんと言うんだよ。」
親御さんはそういった話をいただく最中、ずっと涙が止まらなかったそうです。その親御さんの話をそのまま伝えると「公立私立ではなく、この学校に行けて本当に良かった。」と語ってくれました。
私の実体験
今でも不合格だった制服の子の登下校姿を見ると心が締め付けられる思いがあります。しばらく直るのは無理だと思います。お金も時間も熱意もかけたけど結果が共わなかったという事実は忘れることはできないと思います。
しかし時間が経つにつれちょっとだけその締め付けが弱くなってきたようにも感じます。この記事を読んだ方の心の締め付けがほんの少しでも弱くなってくれたらこれに勝る喜びはありません。
受験の結果がどうであれ、お子様の人生はこれからです。そして、親子の絆もまた、これからも深まっていくはずです。今は辛いかもしれませんが、この経験もいつか、かけがえのない思い出として心に残ることでしょう。
みなさまの新しい一歩が、希望に満ちたものとなりますように。