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一期一会

私の好きな言葉の一つ
以下。Google先生からの引用

「一期」は人の生涯、「一会」は一度の出会いを表し、何度でも会う機会がある人に対しても、常に「これが最後かもしれない」と考え、そのときを大切にすべきという教えです。


東日本大震災が起きた時
私はまだ会社員をしていて
社外に出ている時に異常な揺れを感じた

居た場所が地下鉄の中なので
「閉じ込められたらまずいな」と咄嗟に思って
たまたま開いたドアからダッシュで地上に出た

降りた場所は銀座で
娘が心配で携帯が繋がるうちに電話したら
「もう学校から帰ってるし特に何も壊れてない」

と、平然と答える娘

「これから余震があるから
とりあえず、家具が無い私の部屋に入ってて」
と指示

当時、マラソンをやってたので
ランニングシューズがカバンに入っていたから
それに履き替えて走って家まで帰った

崩れ落ちてくる外壁 
ビル内に居られなくて外に避難してる人たち

とにかく娘が心配で心配で
過去最高記録が出たんじゃないかぐらいの
速さで走って帰った

慌てて自分の寝室を確認すると
私の布団に潜ってた娘がひょっこり顔を出して
「大丈夫ダヨー」と呑気な声で
のそのそと出てきた

出先から会社に報告もせず
そのまま疾走して家に帰ってしまった私

夜の10時過ぎにかろうじて通話が復帰したころ
上司から電話があって

「音信不通で心配してた!」

すっかり会社のことなんて忘れてた

その後、自宅待機と休校が続いて
娘と二人でテレビを見てた

テレビに張り付いていたと言っても
過言ではない

震災を通して私が学んだことは
「一期一会」

どんな時もこれが最後になるかもと思って
相手と接するようになった


私は遅い時間まで働いてることが多いので
スタート時間が遅い

会社員だった娘は当然、朝が早い

極力「行ってらっしゃい」だけは言いたいとは思っているけど死ぬ直前は、
とても大事なプロジェクトが進行中で
朝早い日が続いてた

亡くなった日は娘より早く起きて
朝ごはんの支度や料理を朝から作ってた

「おはよう、
いまビーフシチューつくってるから
帰ったら食べて。でもお米は切らしてるから
ご飯は炊けないとおもう」

と言うと

「やったね。じゃあ帰りにパン買ってくる」

それが最後の会話になった

前日の休みは中学時代から仲のいい友達と
ヲタ活して晩御飯にラム肉を食べに行ってた
(ラインの履歴でわかった)

ビーフシチューは娘の好物

一期一会

これからもこの言葉を心に留めて
生きていきたいと思う

#遺族 #ビーフシチュー#一期一会