【Episode1〜⑩】さようなら、ありがとう、決心がつきました(前半)
50代で幸せな再婚をするまでの
シングルマザーのストーリー
~新米シングルマザー編
2つ下の彼が博士号を取り、新潟で専任講師の仕事が決まった晩秋。この頃4月からの赴任に向けて、春には一緒に新潟へ行こうという流れになっていました。
娘は何度となく彼に向かって「パパになってくれ〜」と言って、彼には相当懐いていました。もちろんそれは一緒になるうえで大切なことです。でも私は“あぁ娘は自分に父親がいないことを分かってるんだ”と小さいながらも認識できていると分かり、改めて実父から引き離した罪悪感が頭を持ち上げました。
元夫と娘はひと月に一回面会していましたが、娘は私が呼ぶ名前で同じように呼んでいて、実父だと認識してないことも判明。
この時私は切なさを一番感じている自分に戸惑いました。そして何故か、このまま彼に着いていって幸せになることに罪悪感さえおぼえ始めていました。
弟や妹家族を見て自分だけ普通じゃない道を進んでいると感じた時の不安感、プリキュアショーでよその家のお父さんに混じって娘を肩車した時の心もとなさ。
それらは彼と一緒になることで解消されます。
何より自分の人生を作り上げていく意志が弱く、結局アルバイトしか道がなくなった元夫とは雲泥の差の相手です。
そして結婚前にあんなに好きだった人。
これ以上の条件はありません。
でももう今は昔と違い、色々な経験を経た私には彼に着いていくことに違和感が生まれ始めていました。
そんなこと言わないで着いていけばいいのです。
彼も「一緒に幸せになろう」と言ってくれています。
でもどうしても思っちゃうんです
本当に再婚して幸せになれるの?
多分彼はこの先専任講師から助教授になり教授になる人でしょう。
一級建築士として家族のために素敵な家も建てるでしょう。
でも彼(夫)が建てた家に住みたくないなと思ったのです
何てバカなのでしょう
でも私が一番欲しかったのは
自分の人生への手応えなんです
10代の頃からそうでした
生きてるって手応えを感じたかった
そのために生命力の弱い元夫にはイライラし
生命力の強い彼に守られて生きていくことには、人生を決められてしまうのではないかという恐れがありました。
自分でも呆れてしまいますが、性(さが)は自分でもどうすることもできません。
4月からの新生活に向けて、もちろん引っ越しも必用です。
でもこれまた所沢を離れたくない。
私は自分の思いに気づきながらも彼には話せず、年を越しました。
次回:さようなら、ありがとう、決心がつきました(後編)
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