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Blur「13」について語る

blurのアルバム「13」とは失敗作なのか実験作なのかはたまた何なのか?
一聴してとっつきにくいアルバム、難解な作品であることは間違いないと思う。では、このアルバムはどう聴けばいいのだろうか?

1999年6枚目のアルバムとして発表されたこのアルバムはセルフタイトルドの前作「blur」の後ということもあってかなり期待が高まった中でリリースされた。
アメリカのオルタナやグランジに急接近した前作でSong2のような曲を作った後どうなったのだろうと自分も興味があった。
だが、実際聴いてみるとローファイな曲が多く、正直期待外れだった。

当時はまだDTMはなくprotoolsが出始めたころで世界ではBeckやビースティボーイズが採用していたと思う。
日本でもコーネリアス「69/96」「ファンタズマ」などで採用された。ハードディスクレコーダーで録音してから編集するというやり方が出始めたころだった。blurもハードディスクレコーディングを採用した初めての作品ということではないだろうか?

スタジオに入って演奏はするが、バンドがひたすらジャムセッションを繰り返しそれをプロデューサーが採集して一曲をつなぎ合わせていくという手法で録音された。なのでイントロがあってアウトロがあるような普通の歌ものや従来のロックとは違う印象を受ける。

やっていることはロックでも手法はhiphop的だなと思った。

今や当たり前となったDTMだが、この時代に自分達の演奏をサンプリングして切り貼りしていくというのはかなり時代を先取りしていたんじゃないだろうか。自分は「13」に追いつくまでに20年もかかってしまった。

ここからボーカルのデーモンはソロプロジェクト「ゴリラズ」を結成し世界的なヒットメーカーとなる。本格的にHiphop、アブストラクトに接近していくわけだが、ゴリラズの原型にもなったという点で本作「13」は重要なアルバムではないだろうか。

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