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スピッツの苦悩

自分はそこまでスピッツのファンというわけではないが、いい曲が多いな〜と思いアルバムも何枚か聴いている。

スピッツといえばやはりロビンソンが有名で、この曲をきっかけにブレイクしたという印象が強い。
事実この曲が入っているアルバム
「ハチミツ」は169万枚というセールスを記録した。

次作「インディゴ地平線」は134万枚売り上げ、多少下がったもののそれでもミリオンセールスを記録した。

続いて「フェイクファー」では70万枚を売り上げた。もちろん他のバンドから比べれば、大ヒットといっていい数字だが、前作と比べると半分ぐらいに落ちてしまっている。

スピッツの苦しみはこの辺りから始まる。

フェイクファー以降の2000年前後にスピッツは解散することも考えたらしい。バンドを存続させることも難しい状態まで追い込まれていたというのだ。
主な原因は、スピッツの持つポップなイメージが出来上がって、本来やりたかったロックなスタイルがやりづらくなっていた事らしい。よく考えるとボーカル草野マサムネは元々ブルーハーツに憧れハードコアパンクのスターリンに憧れ、パンクバンドとしてスピッツを結成したはずだった。
ロビンソンやチェリーでポップでキャッチーなイメージがついてしまったことは逆に活動の妨げになったのかもしれない。

しかし、スピッツは解散しなかった。やりたいロックを思いっきりやると吹っ切れたかのようにフェイクファー以降のシングル「メモリーズ/放浪カモメはどこまでも」
で大幅なロック路線へと舵をきった。
そしてそれに続くアルバム「ハヤブサ」でこれまでより激しいギターロックスタイルを打ち出し、スピッツはロックバンドであるということを世間にアピールしたように見えた。

結果的にハヤブサの売り上げは36万枚とフェイクファーからさらに半分近く落ち込んだ。
ピーク時から比べたら約1/5にまで下がっている。
しかし、スピッツは未だに現役のロックバンドとして活動している。

それは、例え売り上げが落ちても好きなことをやったあの時があったからではないかなと思う。
大衆に合わせてバラード作り続けるようなスピッツなら、今はいないかもしれない。
スピッツが今も輝いているのは、ハヤブサがあったからではないだろうか。




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