【読書メモ】一歩踏み出したくなる物語。「もう別れてもいいですか」
垣谷美雨さんの小説が好きでいろいろ読んでいます。
1冊ずつテーマ(社会問題とか)があるけど
世の不条理や根強い男尊女卑に対して
何とか奮闘している女性が主人公のことが多い印象。
最近読んだのがこちら。
主人公(58歳女性)はいわゆる夫源病に苦しんでいて、だいぶ重症。
この夫がかなりひどい。
垣谷さんの作品に出てくる人って
一癖あったりもするんだけど
みんなどこか憎めないところがある気がするんです。
そこが現実っぽい。
しかし。
今回のお話に出てくる夫は全く憎めない要素がなかった。
何もしないだけならまだしも、
妻に全部やらせて感謝するどころか妻を見下し、
バカにしたような発言をし続ける夫。
なんでそんな夫の好きにさせてるんだ!と
イライラしてしまう人もいるかもしれません。
でも、そんな夫と長い間生活していると、
自尊心も自信も低くなっていくんですよね。
話し合いにならず疲弊するだけだからと
波風立てない方を選ぶようになっていく。
わかります。
そんな生活の中、自問自答を繰り返した挙句
頑張って一歩踏み出そうとする主人公の勇気は素晴らしい。
新しいことを始めるのって、
やっぱり年を重ねるにつれハードルが上がる気がします。
でも、案ずるより産むがやすしってこともある。
例えば私は高速道路の運転は経験がなく、ちょっと怖かった。
でも、40歳過ぎて必要に迫られてやってみたら
割とすぐ慣れて行動範囲が広がりました。
こういうちょっとした自信の積み重ね、
人生ですごく重要なものだと思います。
大学時代に目にした本(確かE原さんの本)に
「結婚は修行」
と書かれていました。
忍耐を学ぶ場である。
だから、途中で投げ出したらダメだと。
結婚したあとも頭のどこかにそれが残っていて、
つらくても我慢するのが正解なのかと悩みました。
それを乗り越えて成長し、
夫婦の形を見つけるのが人生なのかと。
結局、いろいろあって今シングルなわけですが
後悔はありません。
後悔しているとしたら
「もっと早くすれば良かった」
ってこと。
今回の主人公同様、経済的にはすごく不安でしたけども。
やっぱりお金は非常に大事。
もしかして、結婚生活がつらくても
隠し財産が山ほどあったら
「いつでも離婚できる」
という余裕が生まれてかえってうまくやれるかもしれないという気もします。
世の息子たち娘たち、みんな何があっても
自立できる経済力を身に着けてから結婚しようね。と思います。
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