ほんのひとりごと
好きな人ができると、どうしようもなく弱い自分が顔を出す。もしかしたら計算なのかもしれないし、私はそういう自分が苦手だ。
改札前で堂々とくっついて、まるでこの世界には二人しかいないかのように見つめ合うカップルが苦手だった。ちゃんとわきまえてよ、本当にふたりきりの時にすればいいのに、と思って。だけど本当は私も同じかもしれない。好きな人の前じゃ、本当は一人でできることも"できない〜"と言ってしまうし、そうして"仕方ないなぁ〜"と助けてもらうのはまんざらでもない。私のために尽くしてくれる人が好きだし、私の我儘を可愛いと、弱さを守りたいと言ってくれる人に恋をしてきた。
だけど、弱いだけだと思われるのも、一人じゃ何にも出来ないんだと思われるのもごめんだ。所詮私はプライドの塊で、好きな人以外には弱さを見せるのが怖いくせにあえて見せないで平気なふりをしてしまうくらいには意地っ張りで。今までもずっと、しっかりしてるね〜本当に大人だね〜といった褒め言葉は一通り貰ってきたし、そういう自分が嫌いじゃなかった。
でも、だけど、やっぱりたまに守って欲しくなる。私の強がりを見抜いて甘やかしてくれる人に縋りたくなる。
自分でもつくづく我儘だと思う。面倒くさいだろうなと思う。
昔付き合っていた人に「あすかちゃんは誰よりも弱いし誰よりも強いね」と言われて、とても嬉しかった。そう、私は誰よりも弱く強くありたかったのだ。
強く思われたいのも弱さを零したいのもどちらも好きだからで、そのどっちもを叶えられたら今よりも自分らしくいられるのかもしれないな。