![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/161631933/rectangle_large_type_2_0e1ece880e4b2ad354264b6a59135e2f.png?width=1200)
アニメーション、演出用語まとめ
個人的備忘録として更新していきます。
特に演出系の用語は情報が散らばっていることが多いので、
一か所に集約する目的もあります
※用語は業界によってローカルルールが存在するため
あくまでも一つの情報として捉えて頂ければと思います。
こんな意味もあるよ!など アドバイスもお待ちしています。
★=演出色の強い用語
あ行
アイダート
人間の瞳が一定のところを見ていても、わずかに素早く動く現象
アクション繋ぎ★
一つの動作を二つのカットにわけ、それを自然につなぐ編集技法
例えば、1カット目は遠くでジャンプしたところを映し、2カット目で近づいて着地したところを見せるなど
アクションライン(ラインオブアクション)
体の主要なポーズを簡略化してラインで表したもの
アクター
アクティング
演技のこと 心理描写を助けるための動き
アピール(訴える力)
アニメーション12原則の一つ 観客を引き付ける要素
ストーリーを納得感のあるものにしたり、キャラクター性を引き出すための工夫
アンティシペーション(予備動作)
メインとなる動作の前、多くは直前に 動きの準備を行うこと
野球選手のバットの振りかぶりや、ジャンプの前にしゃがむ動きなど
また、目線で進行方向を示す、など 観客に次の行動を予測させる行動なども含まれる
アーク
アニメーション12原則の一つ
直線ではなく、曲線的な軌道を通って動くこと
生物は意図しない限り直線的に動く事は難しい
板野サーカス★
2Dアニメーター板野一郎が描いた映像表現
ミサイルのような高速で動く被写体を、よりダイナミックに写す手法
パースのデフォルメを効かせたり、カメラと被写体の距離感に抑揚を持たせることで迫力のある動きを表現する
イーズアウト
ゆっくり加速する スローアウトとも言う
イーズイン
ゆっくり減速する スローインとも言う
インビトゥイーン
キーポーズの間を補間する中割のポーズ
エクストリーム
動きが最大値に達したときのポーズやドローイング
エクスプレッション
関数を用いてアニメーションをコントロールすること
オーバーシュート
急に止まれず、ちょっと行き過ぎてから戻ってくる動き
オーバーラップ
連動して動いているものがある場合、元となる動きと、後からついてくるもののタイミングがずれること
ドラッグやフォロースルーなど、似ている言葉と併用する
また、別の意味として手前のものと奥のものの重なりを指すこともある。
か行
金田パース(かなだパース)★
かねだパースではないので注意
2Dアニメーター金田伊功が生み出した、パースを誇張する技法
剣や腕、銃などの長形のものを、画面手前に配置し
誇張されたパースを用いることで、手前にあるものがより大きく
ダイナミックにうつるようなレイアウトになる
そうするために、現実では有り得ないパースを用いることを
「噓パース」という
ガン=カタ(ガンカタ)★
映画『リベリオン』における戦い方
膨大な銃撃戦を分析し、効率的で勝率が高くなるよう計算された戦闘手法
相手の動きを読み、敵の武器も使いながら無駄のない動きで攻撃を繰り出す
基本的には銃を使うが刀や体術も使う
二丁拳銃で腕の動きだけで四方の敵を制圧するシーンが印象的
クレーン★
クレーンでカメラを吊って撮影したようなカメラワーク
上下の動きが多い ティルトを組み合わせることも
ケレン味★
はったりを利かせた迫力のある演出
誇張
アニメーション12原則の一つ
現実の特徴を大袈裟に表現する
伸び縮みや、極端な演技、タイミングの取り方など手法は多岐にわたる
コンタクトフレーム
物体と物体が接する瞬間のフレーム
このフレームを用意する事で、接触したことが視覚的に分かりやすくなる
コントラポスト
体重を片足にかけて立っている状態 アクションラインがS字になる
有名なのはダビデ像 しなやか、リラックスしたポーズを表現できる
コンポジター
様々な映像素材を組み合わせて合成、調整し 最終的なルックに仕上げる人
さ行
サブテキスト
ポーズを見るだけで状況を理解できるような、非言語で伝わってくる情報
キャラクターの感情や置かれている状況など
三分割法(ルールオブサーズ)★
画面を上下に三分割し、分割線上に被写体を配置することで均衡の取れた配置にする手法
CSIカーブ
アルファベットのC,S,Iのような形状をしたアクションライン
ジャスチャードローイング
詳細なパーツや影などはあまり表現せず、キャラクターが持つ動きの方向性や、ポーズ全体のイメージを大きく捉えて描画する
ジャンプカット★
一連の動作の一部分をカットし、いきなり時間が進んだように見せる編集技法
例えば着替えているシーンを再生し、次の瞬間すでに服を着ている状態までスキップして再生するなど
スクアッシュ&ストレッチ
アニメーション12原則の一つ
伸ばしと潰しを行う事で、物体の質感を表現したり
誇張表現に利用したりする
スタティックホールド
キャラが完全に止まった状態
ステーシング(演出)★
アニメーション12原則の一つ
カメラのレイアウトや、ライティングなど、演出に関わる工夫全般
観客に、効果的に、また正しくストーリーやアイディアを伝えることが命題
ストレートアヘッドアクション
アニメーション制作手法の一つ
パラパラ漫画のように、開始フレームから順番にアニメーションを付けていく 対するものとして、ポーズトゥポーズがある
スピードランプ★
動きの再生速度を変化させ、緩急を持たせることで
映像を印象的に見せる編集技法
SPINNING SHOT(スピンショット)★
被写体の周りをぐるぐる回るように移動し、撮影する方法
スペーシング
中割をどのような割合で再生するか スペーシングの程度を変更する事で
動きに抑揚を加えたり、よく言われる「タメツメ」を表現できる
スミアフレーム
速い動きが目に残るようにに、スケール機能などで残像表現を行う
スローイン
ゆっくり減速する イーズインともいう
スローアウト
ゆっくり加速する イーズアウトともいう
ズームイン/ズームアウト★
カメラの焦点距離を変えながら被写体による/はなれる
撮影者は基本動かない
実質感のある絵
アニメーション12原則の一つ
パースや、立体感を理解しながら描画すること
CGの場合は、シルエットなどからキャラクターの奥行きや形状が理解しやすいように気を付ける
セカンダリー
アニメーション制作工程において、髪の毛や服などの揺れもののような
比較的優先度の低い仕上げの部分を作業する工程
た行
タイミング
一定のフレームに到達するまでにかかる時間
かかる時間が長いと=タイミングが遅い
かかる時間が短いと=タイミングが早い
タンジェント
背景とキャラクター、配置物と配置物、画面フレームと対象物、など
輪郭が接してしまうことで形状が分かりづらく感じたり、窮屈に見えてしまうこと 視認性、演出的にあまり良くない状態に対して使われることが多い
DUTCH ANGLE(ダッチアングル)★
カメラを傾けて撮影する 不安や緊張感をあおったり、不吉なことの前兆として使われることが多い
TRACK (トラック)★
被写体に追従するようにカメラの位置を動かし撮影する
ドラッグ
いくつかの連動して動くものがあるとき、後から動くものが遅れてついていっている状態
ドリブンキー
Mayaで使用される機能 maxだとリアクションコントローラー
一つのアトリビュートを用いて、複数の対象を同時に操作することのできる機能
フェイシャル用のコントローラーや、指を一度に動かす際などに用いられる
DOLLY(ドリー)★
元々は台車などの機材を使ってまっすぐ移動させながら撮影するカメラワークのこと
ドリーしながら近づくことをドリーイン 遠ざかることを ドリーアウトという
3Dにおいては上記のようにブレない軌道で位置を動かしながら撮影したもの
ズームと違い被写体に直接近づくので、背景やパースの移動が感じられ臨場感のある映像になる
ドリーイン/ドリーアウト★
ズームとは対照的に、撮影者が実際に動きながら被写体に近づく/離れる
な行
なめる★
手前の被写体越しに、メインの被写体をうつす
例えば、手前に人物の肩をうつし、肩越しに話しているキャラクターをうつすなど。またこのことを「肩なめ」と言う。
二分割法★
縦横にフレームを二等分し、そのラインをガイドに撮影する手法
シンプルでつまらない印象になりやすいが、意図的に使うと効果的
ネガティブスペース
シルエットや、フレームの間にできる空間
は行
反動表現 反動動作
メインの動きを行うための準備動作
バッターの振りかぶりや、ジャンプ前にしゃがむ動作など
似た言葉に予備動作がある
バイオメカニクス
生物の動きや構造についての学問
日本語では生体力学という
モーションだけでなく、介護やスポーツの分野で多く学ばれている
ハイアングル★
高い位置(ハイポジション)から、俯瞰で下のものを写すアングル
対して低いものはローアングル
パッシングポジション
歩き動作において、足が腰を押し出し 腰の位置が高くなったときのポジション 対して、低い時をダウン(ポジション)という
パワーセンター
動きのエネルギーの中心 キャラクターの意識がどこに向いているのか、
動機や性格などを表現できる
ヒットフレーム、ヒットストップ
日の丸構図★
日本の国旗のように、対象物をフレームのど真ん中に配置する構図
単純でつまらに印象になりやすいが、対象物に注目させたい印象的なシーンでは効果的
ビッグシェイプ
人のシルエットを、丸、三角、四角などの簡単なシルエットで表現したもの
ポーズが塊としてどのような情報をもっているのか理解するのに役立つ
速い、対象物が遠い、などのモーションなどでは特に重要
ジェスチャードローイングのあたりなどとして使用するのも効果的
フェイシャル
顔のアニメーション作業のこと
フェイシャルアニメーターは表情専門のアニメーターのことを指す
フォロースルー
連動して動いているものがある場合、根元の動きが止まっていても
後からついてくるものがまだ動き続けている状態
フォース
ポーズや動きを作成する上で、エネルギーの流れを示す
ドローイングでよく用いられる
副次アクション★
アニメーションの12原則の一つ
動きを成り立たせるために必要不可欠なメインのパーツ以外のアクション 英語ではセカンダリーアクション
例えば、緊張しているときに手をもぞもぞ動かしたり、歌っているときに手を動かしたり、演出を深めるのに役立つ
フットボールマウス
口角の位置が上唇と下唇の間にあってフットボールのような形になっている
基本的に、避けた方が良い形
FPS
フレームレートにおいては、「frames per second」の略
30FPSであれば、一秒間に30枚動く映像のことを差す
ゲームにおいては、「First Person Shooter」の略
一人称視点のシューティングゲームを差すことが多い
ブレーク
多くは、アクションラインや体の曲線を美しく作成した方が良いとされているが、あえてそれを崩して力やぎこちなさを表現すること
ブレークダウン
キーポーズ間を経由する中割のポーズ
ブロッキング
制作工程の一つ
ディテールを深める前に大まかなポーズ、タイミングなどを簡易的に制作したもの。ステップ接線で中割を除いて作る場合にはステップドアニメーションとも呼ばれる
プライマリー
制作工程の一つ
アニメーション制作において、メインの主要なパーツだけに動きを付けた状態 揺れものや細かい調整はまだ
プルフォーカス★
ピントを合わせる対象をカットの途中で変えること
プロキシリグ
軽いバージョンのリグ 本来の製品用のモデルのシーンが重たい場合
アニメーションの作業を効率化するために軽いモデルで代用されたリグ
プロシージャルアニメーション
数式やスクリプト、パラメータなどによってアニメーションを制御すること
手付けのアニメーションに対して、規則的な動きや、汎用的な動きのバリエーションを増やすために用いられる
POV (ポイント・オブ・ビュー)
「point of view」の略
一人称視点で撮影すること
ポリッシュ
ブラッシュアップと似た言葉 動きを磨き上げクオリティを高める作業
ポーズ・トゥ・ポーズ
アニメーションの制作手法 初めにキーポーズを作成してから
中割を作成していく。
ま行
真俯瞰(まふかん)★
真上からのアングル
有名なのは美女と野獣のダンスシーンで天井から二人を映したカット
また、スクランブル交差点の真上から撮影するなど、世界と対象物との関わりを表すようなカットでも用いられる
めまいショット(ドリーズーム)★
ズームとトラックを同時に使用することで、被写体に対して背景が大きく動くような見た目となる。これにより迫力と錯視感のある印象的なショットになる。
モーフィング
徐々に形状変化していくような動き
Aという形状がBという形状に徐々に変形していくようなイメージ
や行
四つ足
四足歩行のアニメーション制作を差す業界用語
予備動作(アンティシペーション)
メインの動きのための準備動作
視聴者に次何が起こるのか予想させる行動全般を指すこともある
ジャンプ前のしゃがみや、移動方向にあらかじめ視線をうつす、ホラー映画で敵視点のカメラが一瞬入る、など
ら行
ラインオブアクション
体のラインを簡略化してラインで表したもの アクションラインともいう
リズム
音楽的な意味とは少し違う ポーズや動きの中で 体のパーツが作り出す流れを表す
リファレンス
制作において必要な参考資料
リードルーム
キャラクターが見ている方向に空間をあけておく構図
ルールオブサーズ(三分割法)★
レイアウト
絵コンテを元に、背景やカメラ、キャラクターの配置などを詰める作業
レイヤードアプローチ
制作手法 重要なパーツから順番に動きを作り始め、動きを重ねていく制作手法 例)腰→足→胸→頭 のように順番につくる
よくポーズトゥポーズと対比される
ローアングル★
低い位置(ローポジション)から、煽りで上のものを写すアングル
対して高いものはハイアングル