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大谷選手のホームランダービー

写真のモデルはTOMMYちゃん。2019年撮影。

大谷翔平選手がアメリカ大リーグで活躍している。

「日本人である」ということを抜きにしても、投打二刀流で大リーグの今シーズンのホームラン争いでトップを走り、史上初の投打二刀流でのオールスター出場など、その大活躍はボクが書くまでもなく、インタビューや試合の合間に何となく見える彼の表情からも、人間的な魅力もうかがい知れて、その超快進撃は、この暗い話題の多い中で、見ていて気持ち良く楽しめるし、心から尊敬する、本当にすごい選手である。

何度か、ちょこちょこ書いているが、ボクは小学生のころ、地域の少年野球チームに所属していた。

元々、ものごころついた時から、体を動かすことが得意ではなく、体力測定でのボール投げは、女の子にも劣る、15m以下だし、ボールをドリブルをすれば、3回もするとボールが手に戻ってこなくなるような運動音痴で、もちろん野球もサッカーもバスケも、あらゆる運動について、するのも見るのも嫌いだった。

そして、少年野球チームに入ったことは、ボクの野球嫌いを決定的に「大嫌い」にさせた。

小学生になると、少年野球チームの監督とコーチが、少年野球チームへの参加を促すため、各家庭を回ってくる。
地域の「祭り」「盆踊り」「運動会」「キャンプファイヤー」から「廃品回収」に至るまで、「こども会」が参加する行事のほとんどを、その野球チームのメンバーで牛耳っていたから、「地域の行事参加メンバー」=「少年野球メンバー」という図式が成立していたのだ。
しかも、少年野球チームの監督は、ボクの父親と同級生という、ややこしい関係性もあった。
因みに、ボクの父親はスポーツ万能で、小学校のころは、その少年野球チームの監督より野球が上手かったらしいし、後に親父の高校時代には、テニス部を立ち上げて主将になったり、スポーツが超優秀だった。

ボクの運動音痴は母親譲りなのである。

そんなボクの運動音痴、運動嫌いを克服させたい親の思いや、地域社会への参加のために、ほぼ強制的に少年野球チームに所属することとなった。

時代や地域性もあるのだろうが、今思うと子供も多かったので、各町内ごとに少年野球チームがあって、学区内で、各町対抗で試合が頻繁にあったし、学区を超えて、市や県の大会もあったりして、監督の指導は非常に熱心だった。
土曜日、日曜日の練習はもちろん、今思うと異常だし、他の地域の人には信じられないかもしれないが、中学や高校の野球部並みに学校登校前の「早朝練習」までやっていた。

運動嫌いだった上に、夜更かし大好き、早起きが大の苦手だったボクにとって、この「早朝練習」は地獄だった。

最初のころは、眠いながらも早朝練習に参加したが、さすがのボクも早朝練習には抵抗して参加しなくなっていった。
親が叩き起こしても、布団にしがみついていた。
何度か親父に水をかけられた思い出もあるな。。。

冬は暗いうちから、キャッチボールをして、公園の外周道路を走るのだが、なんとその公園の外周道路沿いにボクの家があったのだ!
家の前を走る時、チームの中のやんちゃな奴が、わざと大声で「ムーニーくーん!!」と叫んだりしているのを、ボクは家の中で布団を被って聞いていた。

「悔しいから練習して上手くなってやろう」なんて負けん気は、ボクには無かった!!
キャッチボールをすれば、監督が「球は正面で取れ!」と言うから、グローブではなく鼻や目にぶち当たって痛いし!!
バッターボックスに立って、バットを振っても当たらないし!!
ライトしか守らせてもらえなくて、球が来なくて暇で、時々急に左バッターのフライが飛んできて、見事にバンザイして、落とすし。。。

学年が上がるに従って、上手いメンバーでレギュラーチームが組成されて試合用のきれいなユニフォームが与えられた。
もちろんボクは、試合の時には、ツギハギやほつれのある色褪せた練習用ユニフォームでベンチを守っていた。

小学校5年生になったころには、下の学年の上手い奴が、試合の先発メンバーに入るようになった。
逆に小学2年からずっと続けていながらすごいんじゃないかと思うが、ボクは、ほぼ成長無く、投げても、捕っても、打っても、ほぼチームで一番下手くそだった。

親父は、自分の息子とキャッチボールをするのが長年の夢で、何とかその夢を叶えてあげることはできたが、もちろんボクから「キャッチボールしよう!」と誘ったことは一度も無い。ごめんな、親父・・・

そして、やっぱり野球はボクにとって全く面白くなかったので、小学校5年になって、塾に行くようになり、親に、「野球辞めるか?」と言われたので、喜んで二つ返事で辞めることを決断して、ちゃんと一人で監督のところに行って「辞めます!!」と申し出た。
喜んで申し出たのだが、監督があまりに残念そうな悲しい顔をするので、ちょっとボクまで泣きそうになったのを覚えている。

大谷選手に話を戻そう。

アメリカ大リーグは、選手みんなが、楽しそうに野球をしている。

複雑なルールを駆使して、新人からベテランまで、ダイナミックなホームランから、ピッチャーとバッターの攻防、天才的スタープレイヤーから、9人のチームプレー、野球の魅力など、ボクが今更語るまでも無いか・・・

何だかんだで少年野球チームのおかげで、ボクが一番ルールを知っているスポーツは野球だと思う。

ボクの所属した少年野球チームや、今でも一部の高校野球やマンガ「巨人の星」に残る、熱血根性精神論じゃなく、大リーグの大谷選手を見て野球に出会っていたらなぁ。

最近の日本のプロ野球も、もっと楽しめるようになっていたかもしれない。

しかし、昨日のホームランダービーは、アメリカらしいエンターテイメント性を存分に出した企画だった。ソト選手先攻で、大谷選手が同点に追いつく、手に汗にぎる攻防・・・
大音量で音楽が鳴り響き、満員の観客の歓声とブーイングに包まれ、まぁ、アメリカらしいと申しますか、御幣を恐れず申し上げると「品のない」、人間の脳内快楽物質、ドーパミンとエンドルフィンを直接刺激するような過剰なエンターテイメント演出・・・。
正直、ボクは途中でたまらなくなってチャンネルを変えちゃいました。。。

うーん、ボクは、悲しいかな、陰湿な日本の精神論を刷り込まれたせいで、緊張感をカラッとエンターテイメントすることができなくなってしまったかもしれませんね。。。

 さぁ、大リーグオールスターゲームが始まった!
史上初のオールスター二刀流、大谷選手はどんな活躍を見せてくれるでしょう!!??

少し、野球が楽しくなってきました。


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