写真は、「知」の始まり
写真家、奈良原一高さん「星の記憶」展示のオープニングパーティーに行きました。
六本木、タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムにて、12月21日まで。https://www.takaishiigallery.com/jp/archives/20828/
前の会社で、ボクにとって、WEB、インターネットから、Access等のデータ処理に関するすべてを教わった、T師匠。
その後、ボクも写真が好きだったことで、写真についてお話をしていると、何と、Tさんは、写真学校を出た後、奈良原一高さんの、助手をされていたという!!
そんなことで、奈良原一高さんの写真と出会い、折に触れてじっくりと鑑賞する機会をいただいてきました。
今回は、「星の記憶」。
奈良原さんが、アメリカ横断旅行の中で撮影された写真、9点。
オープニングパーティーでは、奈良原さんの歴代の助手の方々が勢ぞろいされ、テレビの取材(まだ放送については秘密だそうですが)も入っていたので、奈良原さんの写真、暗室における秘話など、たくさんのお話をお伺いすることが出来ました。
「人間の土地」「王国」で、閉じられた世界を表現されていたところから、今回は一気に、「宇宙」、ユニバースを感じさせる世界観。
なんだろう!!この感覚!!誰かの作品でもこんな感覚になったことが・・・と思いだしたのは、そう、稲垣足穂の小説。
ボクも、まだまだ少ないとはいえ、数々の「巨匠」と言われる方々(写真に限らず)の作品を拝見してきましたが、そうか、日本にはまれにこの「宇宙」を感じさせる、作家がいらっしゃる。Tさんのお言葉を借りれば、正にその作品には、過去でありながら、未来をも感じさせる、その作家の「絶対的な時間」が流れている。
ボクは読んだことが無かったのですが、奈良原さんは、レイ・ブラッドベリの「火星年代記」を読んでいらっしゃったという。読まなきゃ笑。
そうです。ぶっ飛んだ感覚で、「フィルムが~」とか、「人間が~」とかいう感覚で写真撮ってないんですよね。そこには、絶対的「美」(とは言うけど、実際には、奈良原さんの「マイブーム」、その瞬間の奈良原さんに見えた世界、ほくそ笑んだ感覚かもしれません)で写真を撮ってる。そこには、何より、「自分」には、妥協しない!
いやぁ、宇宙に飛び出すロケットの残す煙に、取り残されたような思いを抱かせる、奈良原さんの感覚で写しこまれたアメリカ!!
「写真は『知』の入り口」というお話もありました。
奈良原さんの写真は、単純に、そこに写る被写体への興味だけではなく、「世界」「宇宙」、その写真を観る人の興味、知的好奇心を刺激する写真なのです。
この世界観、ムーニー劇場主宰として非常に学ばせていただきました。
みなさま是非ご覧くださいませ!!