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「MAGiCAL SUPERMARKET」全曲語ってみた

 マジカル・パンチライン、ファーストフルアルバム「MAGiCAL SUPERMARKET」発売を記念し、豆知識や雑談交えつつ全曲だらだら語ってみよう、という企画です(音楽知識が足りないので、レビューというほどのものではありません)。かなり長くなりましたが(汗)アルバムを聞くとき、少しでも楽しみの助けになれば幸いです。
※トップ画はセカイベさんから(問題あれば取り下げます)

1. マジカル・スーパーマーケット
 1月26日定期公演で初披露された、アルバムリード曲。いかにもリード曲らしい、華やかで楽しいポップソング。個人的には、過去2枚のミニアルバムから「マジカル」を引き継いだのが嬉しい。タイトル通り、スーパーマーケット的な「いろいろ詰め込みました」という雰囲気が、一曲目にふさわしい。
 音楽的にはなんと言っても「サビがユニゾンではない」という点でしょう。メンバーそれぞれ声質が特徴的で、それが交互にサビを担当するため、よりスーパーマーケット感が強まっています。やっぱり、推しが一人でサビを歌っているのはうれしいもの。歌唱力や人気によってパートにそれほど差をつけないのは、マジパンの美点でしょう。また、「さあ、さあ、さあ」「FUN FUN FUN」のところが、とてもチャーミングで耳に残ります。


2. Melty Kiss -Album ver.-
 ドリーミュージックに移籍し、2018年末からの三ヶ月連続新曲披露の定期公演にて、二番目に披露された曲。言わずと知れた移籍後初シングルです。
 吉田尚記氏が語ったとおり「王道すぎるアイドルソングでインパクトが弱いのではないか」という印象はありました。ただ、恋愛ソングのない癖のある楽曲から、レーベルを移籍し新体制でやっていくにあたって、癖のない王道アイドルソングは「通っておかなければならない道」だったのかな、と今では思います。
 音楽的にはシンプルで分かりやすい構成ですが、それゆえの乗りやすさ、コールの入れやすさが特徴の曲でしょう。歌詞も振りも、マジパンの大きな武器である「可愛い」を全面に押し出していて、その振り切りっぷりが心地いい。加えて、なんといっても清水ひまわりの「ヘイヘイ」が最高。リード曲を受けての二曲目にぴったりでしょう。


3. マジ☆マジ☆ランデブー
 これまた王道の自己紹介ソング。たしか、2019年6月ごろの南大沢でのリリイベで初披露された記憶。「Melty Kiss」と同じく「通っておかなければならない道(自己紹介ソングver)」だったのかな、と。
 見せ場は、なんといっても吉田優良里の落ちサビ。先輩が作った花道を最年少が堂々と歌い上げながら歩いていく様は、微笑ましいの極み。あの場面でのゆらりコールは、ゆらりすとのみならずマジファン総出。間奏のクラップは一見さんを巻き込みやすい。「マジファン☆イズ☆ばんざーい!」は、みんなで叫びましょう。
 個人的には、渋谷ストリームホールで披露された間奏を長くした特別バージョンが好き(「もう一度」通常版A収録)。全員で名前をコールするの、楽しかったなあ。


4. ぱーりないと!!
 これまた王道のパーティーソング。通っておかなければ以下略。2019年5月1日の令和一発目の定期公演にて初披露。
 これまでタオル曲らしいタオル曲がなく(「手のひらがえし」で強引に回してた)メンバーにとってもファンにとっても念願のタオル曲。コールの盛り上がりという点では「Melty Kiss」と双璧。リリイベ等でステージにタオルが置かれたら「お、ぱーりないと!!」来るぞ、となります。ぱーりーないと!!かぱーりないと!!か、初期は混在していましたが、後者で確定かな?
 アルバムとしては、1~4曲目まで明るくポップな曲で押し切る、といういい流れ。


5. ハルイロ -Album ver.-
 マジパン初の王道バラード。2018年末からの三ヶ月連続新曲披露の定期公演にて、最後に披露された曲。個人的に「ハルイロ」で振られるピンクのペンライトが大好き(自然発生的にピンクが振られた2019年2月の渋谷Duoはいい光景でしたね)。ハロウィンツアーで披露された、浅野小山のアコースティックバージョンがまた素晴らしい。
 余計なアレンジを加えず、とにかく「メンバーの歌を信じる!」という姿勢が強く出た一曲でしょう。浅野杏奈の歌いだし、二番の頭の清水ひまわり、小山リーナの落ちサビと聞きどころが盛りだくさん。特に、特徴的な声を生かした清水ひまわりパートは、ノスタルジックな空気を作り上げます。演技派清水ひまわり。歌詞や曲調的に、披露される機会が多くないのが少し残念。


6. これから、私!
 初めてバンドから楽曲提供いただいた一曲(ONIGAWARAさんありがとうございます)。2019年9月1日のファンクラブイベ@時事通信ホールで初披露。キャッチーで可愛らしいメロディー、これまた可愛らしい歌詞が特徴の、小品ながら、アイドルらしいポップな応援ソング。サビの歌詞&振りがとてもいい。「十二時過ぎのシンデレラ」の振りも可愛い。ファンと一緒に「まだまだまだまだこれからだから!」と歌うのがまた楽しい。
 あくまで個人的評価ですが、音楽的にもっとも完成度の高い一曲だと思っています。ONIGAWARAらしいポップソングで、構成が凝っていてアレンジも玄人のツボをつく丁寧な作り。Bメロから流れるようにサビへ繋がるところ、間奏で転調してどんどん上がっていくところが独特で聞いていて楽しい。


7. Alright
 2019年7月の渋谷ストリームホールのワンマンにて初披露された曲。お洒落&キャッチーな曲で、海岸をドライブしながら流したい曲だと思っています。分かりやすく派手な曲が多かった中で、とうとうマジパンにこういうお洒落な曲が来たか!と感慨深かった思い出。
 初期は、メンバーがピンクのペンライトを振りながらパフォーマンスをしていました。Alright→ハルイロのピンクペンライトセトリがめちゃくちゃよかったのっていつのライブでしたっけ? 最近はメンバーはペンライトを持ちませんが、やはりこの曲でも会場はピンクに染めたいですね。
 個人的には、サビでにこにこと手を振るはるゆらがめちゃくちゃ可愛い一曲。サビが流れると勝手に手が動きます。


8. ひとかけら
 2019年12月のクリスマスイベで初披露された一曲。ハルイロを経て、さらに壮大さを増した美しいバラード。「歌としての強さ」という点では、アルバム中でも屈指ではないでしょうか。メンバーの個性溢れる声質、高い歌唱力、心のこもった歌声をもっとも堪能できます。グループとしての境遇と重なるところもある歌詞がまた素晴らしい。
 聞きどころは、なんといっても浅野杏奈の歌いだし。緊張を滲ませつつ、凜と前を向いて歌い出す浅野杏奈は、美しいを超えて荘厳であるとさえ。メンバーの歌唱力に大きく依存する曲だけに、初披露時からどんどん曲として練りあがっていっているように感じます。
 これほどハーモニーの美しさを響かせるアイドルソングも希少でしょう。アウェイ現場でも戦えるバラード、という貴重な曲です。

9. 今日がまだ蒼くても
 名曲。その一言で片付けたくなるほどの曲です。初披露は、2019年3月のよみうりランドらんらんホール無料ワンマンにて。
 王道過ぎるアイドルソング「Melty Kiss」から、マジカル・パンチラインらしさへと一歩踏み出した曲、と言えるかもしれません。「今日がまだ蒼くでも」というタイトルがまたよく、そのタイトルだけで良曲を期待したのをよく覚えています。
 聞きどころは、言わずもがな、小山リーナの歌いだし。ショッピングモールで歌えば、誰もが足を止めるほどのパワー。ほとんど前奏がない中で「あー!」と歌い出すのは技術的にかなり難しい。小山リーナの高い歌唱力あってこその曲でしょう。
 また、もう一点特筆すべきはサビのユニゾンの強さ。ソロパートを重ねてサビで一気に声量が上がるシーンは鳥肌もの。ユニゾンでも一切手を抜かないのは、マジパンの強みでしょう。
 今後とも、マジカル・パンチラインにとって大切な曲になることでしょう。

10. 名もなきヒーロー
 勢いのある快速ロックチューン。2019年9月(でしたっけ?少なくとも秋)の名古屋リリイベで初披露。アニメソングにしたくなるような曲調と歌詞。清水ひまわりの「君を待ってるよ」からの「オレモー!」が最高に気持ちがいい。特徴的なサビの振りコピ、ラララの大合唱も楽しみどころ。
 前奏のハードロックなギターからのブレイクがいい。そこからのリーダー、沖口優奈の歌いだしというのがまたエモい。マイナーなヒーローかもしれないけれどそれを貫くんだ、という歌で、ザ・普通だけど努力家な沖口優奈にスポットライトが当たるのがぴったりですね。

11. もう一度
 今回のアルバムで、実は一番好きな曲です。これ以前、これから先のマジカル・パンチラインにおいて、マイルストーンとなる一曲ではないでしょうか。2019年8月の@JAMでの初披露に立ち会えなかったのは、個人的には痛恨。
 LUNASEAが名曲「WISH」を「全編サビという気持ちで作った」と語っていましたが、それと同じ印象があります。うぉううぉうから始まり畳み掛けるように聞かせどころが続く勢いのある構成。メロディーラインも構成もシンプルながら、シンプルであるが故の熱さ、強さがある一曲でしょう。
 そんな全編聞かせどころな曲の中でも、一番のピークがラストの小山リーナのロングトーン。CD音源ではそうなっていないように、初期は伸ばしていませんでした。個人的に「あそこ伸ばしたら気持ちいいのにな」と思っていたら、ハロウィンツアーの大阪(名古屋かも。自分は名古屋いなかったので)でロングトーンをぶっ放したのです! あのときの驚きと感動は忘れません。
 もともと小山リーナは高い歌唱力を誇り、精密に音程を合わせCD音源かと思うほどのクオリティでした。それが、音源どおり、ではなく、音源以上、のパフォーマンスを初めて見せたのが「もう一度」のロングトーンではないでしょうか。そういう意味でも、エポックメイキング的な一曲、ワンシーンであると思っています。

12. ONE -Album ver.-
 今日がまだ蒼くても、から熱さを増していったアルバムの掉尾を飾るのが、レーベル移籍後初めて披露された「ONE」という構成は見事(初披露は2018年秋の定期公演)
 マジカルな癖のある楽曲に親しんでいた中、果たしてどんな新曲かと期待と不安半ばで臨み、「ONE」を聞いて「タイトルも曲もシンプルすぎるのではないか」というのが実は第一印象でした。ただ、「Melty Kiss」でも語ったとおり、マジパン再生の物語として通っておかなければならない道だったのかな、と今では思います。「ONE」がなければ「今日がまだ蒼くても」はなく「もう一度」もなかった。それは変化と成長の道筋でしょう。
 浅野杏奈による始まりを告げる力強い歌いだし。ファンと一緒に手を振るサビ。(新生マジパンとしては)初期曲だからこその未熟さがありつつ、未熟さがあるからこそファンにとってもアンセムとなる。そんな一曲ではないでしょうか。

 長くなったので簡単に総評。沖口さんが語るとおり、スーパーマーケット的なバラエティ豊かなアルバムである、というのがまず一点。続いて、吉田尚記氏が語るとおり、メンバーの歌唱力・魅力を全面的に信頼して作られた一枚でもあります。素材の良さをバラエティ豊かに見せる、という意味では、高級回転寿司的一作、と言えるかもしれません。
 それに付け加えるなら、まだまだ伸び代を感じる一枚、ではないでしょうか。今後どんな姿をファンに見せてくれるか、楽しみなアルバムです。


追記:記事を読んで「いいな」と思った新規の方、ぜひ↓をクリックしていただき、マジパン現場へぜひお越しください。


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