見出し画像

マジパン思い出話エクストラ① 清水ひまわりさんのこと

 清水ひまわりさんの最初の印象は、垂れ目で笑顔の可愛いひょろっとした女の子、でした。初めて登場したぽにきゃん!アイドル倶楽部にて、軽くオタクトークをするものの、まだまだその趣味は健全。純真で朗らかで、色に染まっていない純粋無垢なアイドル、と表現すべきでしょうか。ビリビリの衣装のような、淡いパステルカラーでした。
 活動していくにつれ、そのキャラクターが少しずつ見えてきました。ふわふわしていて、マイペース。マイペースにはいい面と悪い面があって、ゆるりとした独特のテンションはファンに癒しを与えてくれる反面、佐藤さんが厳しく叱っても堪えていないように見えたり、遅刻癖があったり、というマイナス面もあったように思います。全員握手にて「無言タイム」がもっとも長かったのも彼女です。塩対応というわけではないのですが「なにを話していいか分からなかった」と後に話しています。
 また、パフォーマンス面ではかなり頼りなかった、と言わざるをえません。メンバー内でも一番の体力のなさで、ダンスは芯がなく、長時間のライブでは終盤で息切れ。初期曲における彼女の最大の見せ場「マジカル・ジャーニー・ツアー」での「もーっと!」も、上手く行く日もあればそうでない日もあり、という不安定さでした。
 しかし、その独特の声質がアクセントになっていたのも事実です。「もーっと!」や、「Magiかよ!? BiliBili☆パンチライン」の「何万人にだって」など、美味しいパートを任されていたのは、期待の現れでしょう。
 そのパフォーマンスが安定してきたのは、やはりファーストワンマンを乗り越えてからではないでしょうか。セカンドワンマンを経て、四人時代にはもうすっかり安心して任せられるようになりました。
 四人時代からの変化は、積極的に煽りを入れるようになったことでしょう。「しゃーいくぞ!」というオタクのコールを先導する煽りは、アイドルがやるとあざとくなりがちなのですが、彼女の独特の声質のせいか、妙な爽やかさ、品の良さがありました。
 こうして成長していった彼女のパフォーマンスが成果として結実したのが、「Melty kiss」のヘイヘイと「ハルイロ」のソロではないでしょうか。前者はもはや、彼女の「ヘイヘイ」のないCD音源に違和感を覚えるほど。後者は、彼女の柔らかな声質を活かした長いソロで、初めて聴いたときは、初期の頼りないパフォーマンスを思い出し胸が熱くなったものです。
 精神的にもっとも成長したのも、彼女かもしれません。初期のマイペースっぷりは、自分のことしか見ていないゆえだったように思います。それが、様々な苦難を経て、責任感が増し、チーム全体のことを見るようになっていきました。
 中でも印象深いのは、解散ドッキリでの涙でしょう。初期のころの彼女なら、きっと笑い飛ばしていたにちがいありません。しかし、彼女はメンバーの誰よりも早く目に涙を浮かべていました。それだけ、マジパンというチームに深い愛着を持っていた、という証左でしょう。
 また彼女は、よきお姉さんとして吉澤さん、吉田さんを可愛がっていました。「ひまチル」の三人の絵のなんと微笑ましかったことか。初期は「ヤンチャな子供」でしかなかったのが、立派なお姉さんになるとは思ってもいませんでした。
 コロナでの自粛期間中、沖口さんと並びもっとも配信をしてくれたのも彼女です。自身がオタクでもあるせいか、マジパンメンバーの中でももっともファンの気持ちが分かるアイドルだった、と言えるのかもしれません。自分のことで手一杯だった彼女が、メンバーを気遣い、ファンを気遣うようになる。まさに「ビッグラブ」です。彼女はその大きな愛で、みんなを包んでくれました。「愛がどんどん大きくなっていったこと」こそ、イコール彼女の成長なのかもしれません。こういうように、メンバーが刻々と変化していく様を楽しめるのが、アイドルを応援する醍醐味でしょう。
 彼女について語るうえで外せないのは、個性的なTwitterの活用です。好きなアニメや漫画について語ったり、リプ欄をメモ帳にしたり、独特な言語感覚のツイートをしたり。自撮りや動画も頑張って載せていて(特に記憶に残っているのは、誕生日の巫女コスでのジャンプでしょうか)、ずっと小山さんとフォロワー数を競っていたのもいい思い出です。
 YouTube配信やTikTok、フリックオンTVで披露したポエムなど、コンテンツを作る才に長けていたのも彼女のすごいところです。コミケでのコスプレ、「真珠の耳飾りの少女」の仮装も見事でした。また、彼女がコロナの自粛期間に作った動画には、マジファンの多くが涙したものです。そういうフットワークの軽さ、発想の柔軟さは、誰にも真似できない美点でしょう。
 清水ひまわりファンの多くは、最初その際立ったビジュアルに目を惹かれ、しかしひま人の沼へとずぶずぶ入り込んでいくきっかけは、彼女の独特のセンスであるように思います。考え方、言語センス、発想、名前、声質。他にはいない唯一無二のアイドル。彼女ほどそう評するのにぴったりなアイドルはいないのではないでしょうか。
 その個性をより魅力的に際立たせたのは、小山さんとのひまわリーナコンビでしょう。垂れ目の柔らかな美少女と、きりっとした顔立ちの美少女、アニメ好きのオタクと、お洒落大好きのハイスペックリア充。小山リーナの隣だからより清水ひまわりは輝き、清水ひまわりの隣だからより小山リーナは輝いた。二人が奇跡的に出会いともに成長していく様を見れたことに、感謝しかありません。

 清水さんと初めて握手をしたのは、三重・鈴鹿大学です。初のツーショット(というより、浅野さん以外のメンバーとの初のツーショット)は、大阪・味園ユニバースでのランチェキ。その後、佐藤さんの卒業のワンマンの個別握手、ミナーラでのツーショットでしゃべりますが、どちらも漫画の話ばかりをしていたのを覚えています(テニプリは不二先輩でしょ?ハガレンはやっぱり大佐だよね!などなど)。このときのツーショットは、エドの錬成ポーズで、と言ったものの、ただニコニコ笑顔で「いただきます!」と言っているかのような写真になってしまいました(笑)

画像2

 後に清水さんがオススメしていた「SPY×FAMILY」にもがっつりはまりました。Twitterのリプ返でも「マイ・ブロークン・マリコ」を勧めてもらい、読みました。
 ひまコレの話をしたことも思い出深いです。短い接触時間で必死に話を聞いて、それを元にいろいろ考えたなあ。最後の接触と決めて話した先日のトークポートでも、彼女はひまコレのことを話してくれました。2019年11月、誕生日のお祝いで南端まいなさんからリプが来ているのに気づいていないようだったので「リプ来てたよ」と告げると、真面目な顔で「えっ、気づいてない、ありがと」と答えてくれた思い出も(その直後、リプを返していました)。
 金なし弱オタであるうえツーショットは浅野さんがマストなので、他のメンバーと撮る機会は決して多くありませんでした。ですが、清水さんの場合、浴衣や私服など特別な衣装のとき「か、かわええ!」となり、ふらふらとパピルスを積み増してしまうというケースが多かったです。
 自分が撮影した中でのベストショットは、こちらでしょうか。猫耳、垂れ目、笑顔。清水ひまわりのいいところがすべて詰まった一枚です。

画像1

 自分が一切絡んでいない話で、しかもうろ覚えで申し訳ない、と断ったうえで書きますが、ひとつ印象に残っているエピソードがあります。彼女が時間を区切ってリプ返をしているときでした。彼女から別のアイドルに推し変したオタクが、時間から遅れてぽつりとリプをしていたのです。うまくいかなくて落ち込んでいる、というような内容だったと記憶しています。
 彼女はそれに、推し変したことも顔を見せない時間も全て飛び越えて「大丈夫だよ、応援してるよ」という内容を返していたのです。
 なんてすごいアイドルなんだろう、と衝撃を受けました。
 思うことがないはずがありません。しかし彼女はそれを一切見せず、前向きに背中を押したのです。誰に対しても、常に前向きであること。彼女の持つ素晴らしい美点でしょう。

 僕は、清水ひまわり推しではありません。接触に行く機会も多かったとは言えません。しかし、いつ行っても彼女はフランクに、笑顔で迎えてくれました。それはきっと僕だけでなく、すべてのマジファンが感じていることでしょう。
 個人的に、清水ひまわりの最大の魅力は、その平和で柔らかい笑顔だと思っています。名は体を表す、の言葉通りの、ひまわりのような明るい笑顔。ライブや特典会で、いつも彼女はその極上の笑顔を惜しみなく我々ファンに振りまいてくれました。
 彼女がアイドルを卒業し、芸能界を引退してしまうのはとても寂しいことです。しかし、これからどこで生きていくのであれ、彼女はきっと持ち前の笑顔で、明るく幸せな人生を送ることでしょう。そのことを僕は確信しています。
 それでも、最後に一言だけ言わせてください。
 帰ってきたかったら、いつでも帰ってきてええんやで? たとえ誰かがなにか言おうと、彼女が彼女らしく笑顔でいられるなら、その生き方が正解なのですから。
 僕は死ぬまで、彼女の味方であり続けたいと思います。


< 目次 >


いいなと思ったら応援しよう!