ヤなことそっとミュートのこと ~ヤナミューがいない世界が来る前に~
ヤなことそっとミュート、現体制終了。
その一報を聞いたとき、最初に浮かんだのは「やっぱりか」という感情でした。あれほど精力的に新曲を発表していたヤナミューが、まったく新曲を出さない。常に新しいチャレンジに挑んでいたはずのヤナミューの活動に、熱が感じられない。今は一息入れているだけだ、と自分に言い聞かせつつも、心のどこかで、これはもうダメかもしれない、という気持ちがあったのでしょう。なので、その知らせ自体に驚きはありませんでした。
しかし「やっぱり」の次にきた感情は、自分でも思っていなかったぐらいの大きな喪失感でした。ヤなことそっとミュートというグループを知って五年と数か月。正直に言います。
僕はいまだに「ヤナミューがいない世界」が来る覚悟ができていません。
どういう動機でアイドルグループを応援するのかは、人それぞれでしょう。応援したい女の子がいるから、楽曲が好みだから、運営やファンの雰囲気がいいから。メンバーは好きでも楽曲がイマイチ、曲は好きだからライブは見るけれどメンバーには興味がない。正直、そういうグループはいくつかあります。メンバーも楽曲もグループの雰囲気も満点、というグループなんてそうそうないでしょう。当然です。
僕にとって、もっともそれに当てはまるグループが、ヤなことそっとミュートです。メンバーも、楽曲も、グループの雰囲気も、全部好き。
それが、なくなってしまう。心のどこかで覚悟はしていたはずなのに、その喪失感は、とてつもなく大きい。ヤナミューがいない世界なんて想像できない。
インターネットの片隅で僕がこんな文章を書いても誰にも届かないかもしれません。でも、別にいいんです。自分自身で折り合いをつけるために、ヤナミューがいない世界が来る覚悟を決めるために、こうして文章としてまとめているのですから。というわけで、僕が思うヤナミューの魅力――グループのことや思い出、楽曲、メンバーのことについて、思うまま書き散らそうというのが、このnoteです。
ただ、メンバーや運営には届いてくれたらいいなあ、とはちょっと思います。
ヤなことそっとミュートが僕に与えてくれたものが、どれほど大きいか。嫌なことをミュートしてヤナミューのライブで拳を振り声を振り絞ることが、どれほど自分の助けになったか。いくらかチケットや物販でお金を落としているとはいえ、到底、その分のお返しができているとは思えません。
あなたたちのおかげで――大袈裟に言うならば――救われた人間がいるのだとこうして伝えることで、せめてほんの少しでもお返しになればいいな、と思います。