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アウトプットの経験値
アウトプットを続けると、インプットだけでは得られない経験値が確実に溜まっていきます。
僕は長年、自分用のメモをせっせと書き続けていました。メモを取ることで情報が整理され、忘れにくくなるという実感はありましたし、それなりに役立ちました。
けれど、それはあくまで「自分のための記録」にすぎず、大きな変化はありませんでした。
ところが、あるとき気まぐれにそのメモを公開してみたところ、それまでとは全く違う学びが得られた。
平面だったものが立体になったかのように。
情報の捉え方や理解の深さが変わりました。
インプットは、どこまでいっても「他人ごと」です。誰かの知識を受け取る、誰かの経験を知る、その繰り返し。でも、それだけでは自分の中にしっかりと根付くことはありません。一方で、アウトプットをすると、その情報が「自分ごと」に変質する感覚があります。
例えば、本を読んで「なるほど、いいことを学んだな」と思うことはよくあります。でも、そのままではすぐに忘れてしまうし、実際に自分の行動が変わることは少ない。ところが、その内容を整理して言語化しようとすると、「自分は本当に理解しているのか?」「どの部分が重要なのか?」と考えるプロセスが生まれます。さらには、それをどう伝えれば分かりやすいかを考えるうちに、ただの情報が「自分の視点」を持ち始めるのです。
また、アウトプットを続けていると、自分の中に「回路」ができてくるのを感じます。インプットをした瞬間に、「これをどう整理して伝えようか?」と自然に考えるようになり、学んだことがすぐに自分の言葉として定着していくのです。ただ情報を溜め込むのではなく、使う前提で学ぶからこそ、理解が深まり、次に活かせる知識になっていく。
アウトプットは単なる記録ではなく、思考を磨き、経験値を積み重ねるための重要なプロセスです。インプットだけで満足せず、どんどん言語化していくことで、学びの質は飛躍的に向上すると思います。
ご一読ありがとうございました!