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【ヨーロッパ】南ドイツ黒い森でリトリートのような暮らし
みなさん、黒い森ってご存知でしょうか?
ドイツにある鬱蒼と茂った森は現地では”schwarz wart(black forest)”と呼ばれていて、ドイツ随一の森林区域。
南ドイツの西側、フランスとスイスの国境近くにある森一体を”黒い森”と呼ばれていて、
文化や暮らしも一般的なドイツとは一味違った、まさに特別感のある場所...!
食文化もスイスの影響を色濃く受けていて、
チーズをかけて食べるラクレットや、スイスのチョコレート、南ドイツ独自の食としてはラビオリに似たマウルタッシェン、チーズパスタなど、日本人の私の口にも合う美味しい料理ばかりだった。
実は10年前にドイツへ来たことがあって、
その時はケルンやドュッセルドルフ、ミュンスターなど北西のいわばザ•ドイツな場所を回ったのだけれど、その時の感想は正直、
「冷たい...」「ごはんおいしくない」「ん〜あんまりパッとしないなぁ」という印象。
けれど今回南ドイツの黒い森を訪れてみて、
「ドイツってこんなに綺麗だったんだ...」と、息を呑むように感じました。
▫️南ドイツ黒い森にある小さな村
黒い森周辺にはたくさんの小さな村があり、私のパートナーもその一つの村で生まれた。
木こりや、牛飼い、など伝統的な手工業やファームで生計を立ててきたこの地域は、スイスの田舎を感じさせられるようなのどかな場所。
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天気がいいとアルプスが見え、空気はしっとりと澄んでいて水は冷たくとっても美味しい。
標高1000メートルに位置するこの村は、雲より上にあるので大体の日は太陽が照っていて燦々としている。
時に部屋の窓から雲海が見れたりする。
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この雲の下には、最寄りの環境都市フライブルクがある。(この街も大好きなのでまた書きたい)
距離感は、最寄りの都市まで車で30分。近くのスーパー(隣町)まで車で10分という感じ。
こんなにも人里離れたリトリートのような場所なのに、実はそんなに不便ではない。
都市と自然が妙に近く、村の人も毎朝フライブルクまで通勤しているので、この近さは海外らしいなぁと思った。
そして冬も格段に美しい。
雪が降るとたった一晩でずっと見惚れてしまうほど綺麗な雪景色に様変わり。
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ちなみにこの村一帯がスキーリゾート。
年末年始は、フライブルクやスイス、フランスからたくさんのスキー客が訪れるので村全体がにぎやかになる。
滞在したパートナーの家からスキー場までは近いもので車で、2分、3分、5分、と色々ある。
もっと大きい山まで行きたければ、30分でアルプスが一望できるこの辺で一番大きなスキー場へ行ける。
私はスノーボード派だけれど、毎朝天気を見て行きたい時に滑りに行けるのはなんて贅沢なんだろうと思った。
今年の元旦、前日の夜更かしのせいで朝遅くに目が覚めた時も、あまりにスキー場の雪が綺麗に積もっていたので、午後3時から板を担いで滑りに行ったのもいい思い出。
結局人が多くて2本だけ滑って帰ってきたけれど笑
▫️人生で持っておきたいものって案外少ないことに気づく
この黒い森で過ごした3ヶ月、ふと気づくと
私が人生において「これだけは確保したい」というものがここではほとんど揃っていることに気づいた。
•水道水から安心で美味しい水
•自然の中の暮らし
•家の裏山でハイキング
•オープンマインドな人々
•各国へアクセスしやすい立地
•インターナショナルな場所
•温泉やバスタブ
実はここから少し北に行くと、バーデンバーデンという有名な温泉地がある。
温泉が恋しくなったら、そこに入りに行くこともできるし、ドイツは意外とサウナ王国なので割とどこでもサウナやバスタブが楽しめる。
また黒い森は、フランスやスイス、オーストリアにアクセスしやすい場所に位置しているため、常にマルチカルチャーで人々もオープンマインド。
最寄りの都市フライブルクは大学都市でもあるので、リベラルでもあり、世界をリードする環境都市でもある。
いざ目の前に、そんな理想の場所を見て私は思った。
「人生の幸せのために物理的に必要なものって、本当にわずかなもので十分なんだなぁ」と。
ドイツの高級車もいらないし、新築の家もいらないけれど、これさえあれば、!っていうものって私にとっては本当に、
水、自然、人(社会)だけで十分なんだなぁと思えた。
そしてこんなにも簡単に、理想の暮らしを体験できて、すごく本質的なことにも気づけました。それは、
環境はあくまで外的な幸福度を高めるものであって、人の内面から感じる幸福度にはあんまり関係ないということ。
もちろん、大前提として環境の整った生活基盤があることで、幸せが生まれるのはもちろんだけど、第二次第三次の幸福度につながるかどうかはまた別問題。
もし心の悩みや欠乏感がある場合、環境がいくら変わったところで思考が変わらなければ状況は変わらないし、心によって見える景色も変わってくる。
目の前のリトリートが心の状態によっては監獄に見えることだってあるんです。
メンタルヘルスに関しては環境ではどうにかなる問題でなく、病気と一緒で内面から整えていく必要があるんだなということも学びました。
これらの学びについてはまた後日書きたいな。
それにしても、本当に贅沢な3ヶ月だった!
こんな世界一豊かなニートって他にいないんじゃないかなと思った笑
オーストラリアにいながらヨーロッパを今振り返っているけれどまた戻りたい。
またどんどんヨーロッパについて投稿していきます。
読んでいただきありがとうございます。