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舞妓さんちのまかないさん 感想

最近、お風呂でビールを飲むのにハマっていて、現在良い感じに泥酔しているのでその勢いで感想noteを書いてみようと思います。
ちなみに体には絶対良くないのでやめた方がいいと思ってはいます。

・・・

youtubeでふとレコメンドされて、NETFLIXでなんとなく見始めたこの作品。見る前はなんとなく、「孤独のグルメ」「美味しんぼ」「ワカコ酒」的な飯テロ作品だろうと思い、見始めた。

しかしいい意味でその期待は裏切られ、ボロ泣き。悲しい訳でも切ないわけでもないのに、なぜか涙が出てしまう。私はこの作品を見て、初めてほっこり泣きをした。

この作品は喜劇でも、悲劇でもない。だから悪者なんて存在しないし、大恋愛なんて起こらないし、大した伏線回収だってない。この作品にあるのは、圧倒的”日常”だ。

だからこそ、圧倒的に美しい。

オープニングを見てもらえれば分かるだろうが、この作品はとにかく画と音へのこだわりが変態的にすごい。無駄を極限まで削いで、かといって不足もない。この絶妙な心地よさが視聴者を一気に「日常」の世界観に引き込むのだ。

どうだろうか、この透明感。
思わず息を止めてしまうような繊細さと、常に底を揺蕩う安心感。この「美と静」の共存がたまらない。

主人公であるキヨを演じる森七菜ちゃんが、インタビューでこう答えていた。この言葉がまさに、作品の世界観を体現していると感じた。

「(この作品は)日常を美化して送りたいものじゃないから、そのままが美しいことを伝えたい」


ゆえに、ごはんが大変美味しそうに映えている作品なのだ。

この作品に出てくるごはんたちは、どれもとにかく美しい。調理工程の中から一番気持ちいい音とカットだけを選んで、思わず匂いがここまで届きそうな臨場感で調理シーンが演出されている。

ここまで上品で美しい飯テロは、今まで見たことがなかった。

(もうちょっとサムネの編集どうにかならんかね…)


そしてこの日常に華を添えるのが、これまた美しい舞妓たちである。
衣装、お化粧、立ち振る舞い、独特な言葉遣い……
どこを切り取ってもため息が出るほどに美しく、彼女たちの一挙手一投足に釘付けになってしまう。

そんな彼女たちが一枚舞妓としての皮を脱いで、ほっと一息つける場所が食卓なのである。この「緩と急」のコントラストも非常に美しい。

つまり私が何を言いたいかというと、この作品はとにかく繊細で、美しいということだ。
美術館に人より長く滞在してしまいがちな人や、デザインに1mmまで拘ったことがあるような人におすすめな作品である。



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