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28★しずくの四国旅行記~⑤喧嘩と道後温泉~
前回のお話
翌朝も一切会話はない。それぞれが黙々と荷造りをする。昨日干した一人分の洗濯物がなんだか虚しい。
今日の行き先はもう決めてあった。四国最西端の佐多岬だ。岬の先から九州の大分が見えるという場所。宿がある大洲から佐多岬まで約70km、2時間はある。話さないので「休憩しよう」と伝えることもできず、一度コンビニで昼食を買った以外休まずバイクを走らせた。岬に到着しても会話はない。岬には灯台があり辺りを少し散策、海の向こうに大分県らしきものをうっすらと確認。わたしは気に入った場所で勝手に腰を下ろしてコンビニ弁当を広げた。数メートル離れたところで、たえぽんも腰を下ろす。なんだこれ?お互いに思ってたとは思うが、どちらも相手の言い分が許せずだんまりを決め込んでいた。
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黙々と食べ空の弁当箱を袋に入れ立ち上がる「行こか」「うん」。喧嘩してたので佐多岬の記憶はこれだけ。ホント勿体ない。帰りもいい距離感でバイクを走らせる、、、が、お昼を食べてわたしは猛烈に眠くなってきた。やばい、目蓋が重い。はぁ~コンビニでコーヒー買って休みたい、、、が、そんなこと口が裂けても頼まねぇ、、か、、ら、、、な、、、、むにゃむにゃ、、、
ドドドっっっズドン‼️
キキーーーッ
わたしは道路の中央分離帯に乗り上げてハッとした。数秒眠ってた。幸い転けることもなく、道路には自分達以外近くに車もなかったので、事故にもならなかった。たえぽんがすぐ後ろに停車した。
たえぽん「しずく、大丈夫?無理したらあかんで。コンビニで休もうよ」
しずく「うん」
コンビニの駐車場の縁石に腰かけてコーヒーを飲む。ふぅー
たえぽん「事故らんでよかった。少し寝たら?」
しずく「うん、そうするわ」
わたしはコンビニの大きなの駐車スペースの端で邪魔にならぬよう縁石を枕に少し眠った。たえぽんによると途中、何人もの小学生がわたしの顔を覗き込みクスクスと笑いながら通りすぎていったらしい、、、。恥ずかしいけど、命には変えられない。余裕をもって旅してるつもりだが、少しずつ疲労が蓄積していた。そのせいで些細なことでたえぽんとも険悪になってしまった。何のために四国に来たんや?こんなしょーもない気持ちで過ごすための旅行ちゃうやん。大学生活の思い出作りに、友人と一緒にアホなことしよう!思って来たんやろ。それやのに、こんなんしてたらアカン!!自分が情けない。自分達にご褒美も用意して、今より少しだけ計画的に、おもっくそおもろい旅にせな、、、
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そんな事を考えていると、自転車の旅人が話しかけてきた。彼は「自転車で2ヶ月かけて四国八十八箇所回ってるんです」と言った。強者や、、、負けてられへん!さぁ、旅の仕切り直しや
ここから何となく普通にたえぽんとも会話を再開。お互いに洗濯物の件については触れないけど、それぞれの好みとルールには踏み込まないように、、、そんな意識が芽生えた気がする。
とはいえ、数日後にはすでにバイトが入っている。のんびりばかりもしていられない。この日も総移動距離150kmくらいにはなったか、愛媛県の松山ユースホステルに泊まることにした。近くには有名な道後温泉があったので行くことに。
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その出で立ちは、まさに千と千尋の神隠しに出てくる湯屋。薬草の香りの湯の中で、大の字になって体の隅々まで伸ばす。湯の成分が体に染み込む感じがする~
濡れた髪にタオルを巻き、夜風に当たりながら商店街を歩くと「じゃこてんうどん」の旗が目に入る。たえぽんと顔を見合わせて店内へ一直線!!
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広いお風呂と美味しいうどんにすっかり癒された私たちは、ユースホステルの2段ベッドでまた気絶した、、、
松山ユースホステル
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つづく⏬