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ひとつきのかけらたち

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一ヶ月毎、日々のかけらをまとめます。
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12月のかけらたち

12月のかけらたち

会社帰り、電車が遅延していた。申し訳ありません、と駅員さん。あなたのせいじゃない。誰も悪くない。そう思えるくらい穏やかでいられる日が、すこしでも多い人生がいい。

待合室で吐く息が白い。降ってはいないのに、雪の匂いがする夜。

毎月の断片日記も、気づけば6回目。エッセイを書くのがこわいくせに、よく続いたものだ。
かつて、5年間毎日小説を投稿していた。今はお休みしているが、今年は久しぶりに長編を書き

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11月のかけらたち

11月のかけらたち

冬はつとめて。いやいやいやいやいや寒すぎる。つとめてなんて寒すぎる。布団を出るのに覚悟が要る。何食わぬ顔で冬が来た。11月の、日々の断片。



住んでいない街を徘徊するのが好きだ。読めない地図は見ず、ただ気になる方へふらふら歩いていく。このあいだは、ちいさな韓国風居酒屋を見つけた。看板に「今日もおつかれさま(にっこりマーク)」と書かれていたのに惹かれて、思わず入ってしまった。コピーライティング

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10月のかけらたち

10月のかけらたち


紅葉をたくさんみた。みさせてもらった、が正しいかもしれない。仕事だったり、友人に誘われたりで、紅葉と接する機会がたくさんあった。

自然の生み出す赤には、どうしてこんなに深みがあるんだろうと思う。蓄積された歴史によるものなのか、堂々たる威厳ゆえなのか。わからないけれど、わからないからこそ圧倒され、言葉を束の間剥奪される。取り戻そうと藻掻きながらシャッターを切り、ため息をつき、ただ、すごいなあと

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7月のかけらたち

7月のかけらたち

追憶。あっ、と言うまもなく、と言うまもなく、終わった7月。あまりにも夏だった。夏はいつも短命だ。どうしようもなくまぶしくて、濃い影を残して去っていく。

これは7月の断片。断章。

***
◯日

人生で経験できる夏には限りがある。ふっと気づいて、焦燥感に襲われた。私は夏が好きだ。いのちの気配が濃いところも、終わりの匂いが強いところも。どうしよう。また夏が去っていこうとしている。待って。私は夏が好

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8月のかけらたち

8月のかけらたち

8月も過ぎるのがはやかった。
今月も断片的にふりかえり。いつかの自分にあてた備忘録です。

某日-1

大人の写真部に参加。軽井沢と小諸へ撮影に行った。メンバーのなかにはお世話になっている人も、初めてお会いする人もいた。みんな大先輩だから、私なんかがいていいのかどきどきしていたけれど、カメラを持って街を歩いているうちに、そんな不安は消えた。楽しかった。夢中でシャッターを切っていた。
写真はおもしろ

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9月のかけらたち

9月のかけらたち

長編1本、短編2本、詩1本。
9月末に脱稿した。

この1か月間、ほんとうにずっと書いていた。小説の執筆はいつもいのちがけだけど、今回は人生で一番いのちがけだった。

*

6万字弱の長編を書くには、自分の記憶や傷や熱とひたすらに向き合わなければならなかった。
全時間軸の自分と話をした。いつの自分も、どの世界線を選んだ自分も、ちゃんと救われてほしかった。どうか届いてほしいと祈った。あのときの自分に

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