【リレー脚本】箱爪~ハコヅメ~3完
【脚本】箱爪~ハコヅメ~2の続き。
〈執筆担当:松田〉
<シーン3>
●シーン1と同じ場所。主人、お付入り。
主人:んーーーー! ふっふーん! 真っ赤なパンツは勝利の合図! ヴィックトリー!
お付:……。
主人:ッヘイッ! ブーメランパンツ!
お付:……。
主人:ッヘイッ! んーーーー! ッヘイッ!
お付:へい。
主人:キャアッチ。
お付:……。(ぱちぱち)
主人:真っ赤なパンツは勝利の合図!
お付:あいずー。
主人:どうだい、つっきー。彼は元気だったかい?
お付:かわらない。
主人:よし来たならば見よこのパンツ!
お付:……。
主人:そうともこれは真っ赤なパンツ。さて、つっきー、そうだそうだそうなんだ! 勝負の日がやってきた!
お付:……。
主人:つーれてきなぁっっ!!
お付:へい。
●扇山入り。お付けにうつ伏せで引きづられてくる。奥行き180横60高さ50くらいの箱に入れられている。色々叫んでる。
扇山:おい、なんなんだ! 何をしてる!
主人:こんにちは。
扇山:なんなんだこの箱みてぇなのは!
主人:箱だよ、ただのね。
扇山:牛丼クセェ。
主人:牛丼を食べていたんだろう。(お付を見る)
お付:……(うん。と首を立てにふる)
主人:最近牛丼屋から連れてくることが多いな。
お付:……(照れ)
主人:照れるな、次は場所を変えるんだ。
扇山:誰か居るのか。
主人:さて会話に戻ろう。
扇山:そうか、おまえ、一連の失踪事件の犯人だな。
主人:仮にそうだとして、君は納得がいくのかな?
扇山:なんだと。
主人:全て同じ事件であると仮定して。疑問は生じないのか。
扇山:……被害者の、法則に一貫性がなくなる。
主人:ならば話は簡単だ。私は模倣犯かもしれないということ。
扇山:そうとも限らねぇ。全てが同一犯としての可能性はまだ考えうるからな。
主人:まぁいい。君とはゲームをしよう。
扇山:ゲームだと?
主人:そう、ゲーム。断る権利はないよ。
扇山:何の意味がある。
主人:君が勝てば素直に逃がそう。そのときは私も素直に捕まる。
扇山:負けたら?
主人:こちらの言うことを聞いてもらう。
扇山:素直に聞くとでも思っているのか?
主人:聞く以外にないさ。その箱の中じゃ見えないだろうが、君には特殊なパンツを履いてもらった。
扇山:パンツ。
主人:パンツ。真っ赤なパンツ! 真っ赤なパンツは勝利の合図!
扇山:なんなんだ急に。
主人:そのパンツは爆発する。鍵は私が持っている。大丈夫、トイレは出来る。
扇山:そうか、今までの被害者にもこれを。
主人:いいや。君で二人目だ。前の奴はまだ、私が模倣犯だと思い込んでる。ずーっとずーっとビクビクビクビク怯えるんだ。私の姿がわからないまま。私はそれを正面から後ろから声をかけて観察する。もしかしたら爆弾を抱えた善良な市民として、善良な市民である私に声をかけるかもしれない! ゾクゾクする、他人が恐怖に怯える姿は何物にも代えがたい。負けたら私の言うことを聞くしかない。じゃなけりゃあ木っ端微塵だ。
扇山:早く始めろ。
主人:そうだ、君が勝った場合の商品の質を上げよう。
扇山:いいから早く始めろ!
主人:全ての事件は私がやった。こういう新しい目線も楽しそうで楽しそうで。
扇山:やっぱり想像通りだったか。
主人:どうかな、やる気は出てきたかい刑事さん。
扇山:知ってたのか。あぁ、出てきたよ、クソ野郎。
主人:さぁ、特別にヒントだ。ここに来る前は何をしていた?
扇山:……思いだせねぇ。
主人:それじゃあ問題。
●主人ハケ
〈シーン4〉
●牛丼屋。シーン2の終わり。回想。扇山板付き。
扇山:豚汁もう一杯!ん?そーいえばここの店、店長変わったんだな。
●花昌入り。
花昌:お待たせいたしました。お冷こちらにおいておきますね。
扇山:店長さん?
花昌:はい、そうですが。どうかなさいましたか?
扇山:いや、他の店員さんはいないのか、と。
花昌:さっきひとり居たんですけどね。帰っちゃったんで今は私一人ですね。
扇山:大変だねぇ。
●花昌ハケ。
主人:それじゃあ問題。君は花昌という人間に会っているか。
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