大は小を兼ねるを実感した

会社にて。
毎年4月に新商品が追加されるので、3月の終わり頃は新商品のシールを作ったりと、やることが増える時期でもある。

私は共有スペースの管理人(自称)なので、みんなで使う商品のシールや品番早引き表を作ったり、時期を過ぎたら古いデータを捨てたり。いわゆる雑務を手がすいたときにチミチミやっている。

誰かに指示されたわけではないけど、勝手にやってしまうことが好きで得意なことだというのなら、私は管理が好きだし得意なのだろう。
会社から「整理整頓賞」をもらったのも、あながち間違っていないのかもしれない。同僚のみなさん、本当によく見てくれている。


昨日、新商品のデータ作成を終えて印刷、さあファイリングするぞという段階で事前に買っていたファイルのリフィルが2穴なことに気づいた。
必要なのは30穴。
2穴必要なところに30穴あれば、なにがあっても大丈夫と思えるくらいに安心感はある。でも、現実は30穴必要なものに、穴が2つしか開いていない。

リフィルの厚みしか見ていなかったので、普通は1番に確認するところを失念していた。事欠くにも程がある。あまりに初歩的なミスに口角がぐぐぐっと上がってしまう。しかも大容量50枚入り。

さて、どうしたものか。
事務所には2穴のファイルを使っている人はいない。わずかな期待を胸に席を立って、事務倉庫に向かう。ぎいぎいと鳴るドアを開けて電気をつけると、ぐるりと倉庫内を見回した。

「奇跡が起こっている...」
幸いなことに2穴のファイルの予備が3つ見つかった。しかも扉を開けてすぐの場所に。この会社に2穴のファイルを使っている人が存在している事実がこんなに嬉しいなんて。

ポケットからペンと付箋を取り出してメッセージを書くと、リフィルにそっと付箋を貼る。
「積極的に使っていただけると、とてもとても嬉しいです。」
自分の手から離れた喜びで、また口角がぐぐぐっと上がる。実際のところ、リフィルの使用頻度は高くない。なんとなく分かっているけれど、この時ばかりは素知らぬふりをした。保身。

そっと倉庫から出て席に戻る。次は間違えないように、注意深く商品ページを読み込んで購入ボタンを押した。
30穴、厚手、A4サイズ。
到着するのは4/1、ぎりぎり期日には間に合いそうで胸を撫で下ろした。

大は小を兼ねるので、リフィルの穴は少ないよりは多いほうがいい。そして、いくつ経験を重ねてもうっかりミスはあるので、自分にも人にも優しくしようと改めて学んだとてもよい1日。