残りページ数から犯人当てるヤツ【健文会活動報告書】
昨年10月、健文会は新たなシリーズ企画へと手を出した。
リアル謎解きゲーム「ナゾときっぷ」である。
健文会メンバー4人のうち、元クイズ研究班が1名、QuizKnock履修者が2名(うち一人はホームズ狂い=私)と謎解きへの好奇心が強かった。中でも周遊型はみんなで協力してわいわい、阪急・阪神沿線の商業施設や観光スポットを巡れる……という目論見だった。
夏休みに記念すべき第10回目の会合をおこない、健文会として志と目標を新たに一致団結しようじゃないか────。
そんなわけで2023年10月、我々はまず「阪急編・名探偵と深紅の箱」に取り掛かるべく西宮北口駅に集合したのだった。
1.夙川駅
最初の謎を解き、すぐ隣の夙川駅から物語スタート。
テンション上がりすぎたホームズ狂い、現地を散策せずに謎を解こうとする。メンバーに制止されたが。
初駅だからか謎自体は簡単であった。しかし全員、周遊型謎解きは初体験。「謎解き」特有の仕掛けの洗礼を受けつつ、次の駅へ向かった。
2.豊中駅
移動中の車内で謎を解くホームズ狂い。だからやめろって!(やめない)
ここではまずMAPに示された場所に行くのに一苦労。道中、パチンコ屋の自転車整理のおじちゃんに助けてもらって何とか辿り着く。この時点でおそらく、目安時間の30分はオーバーしていたはずだ。
そしていざ謎を解き始めたが、ここの仕掛けが曲者過ぎた。
キット紙面上に描かれた野球板を脳内で動かし、5つあるボールの転がった軌道を全て暗記するというどえらい脳筋実力謎解きが立ちはだかったのだ。
全ての謎を解いて次の目的地を突き止めた時はもう昼過ぎ。近くのお店でキット付属のクーポンを使用してランチを済ませた時には既に、豊中滞在時間は3時間に迫っていただろう。
キットに記されたチェックポイントは全部で6つ。豊中はまだ2つ目。「こんなんで今日中に終わるんか……!?」という不安は、次の目的地が発覚して以後、我々に付き纏い続けることになる。
3.箕面
「観光地じゃん!」と思われるかもしれないが観光している暇は一切ない。でもみたらし団子は食べた。美味しかった。
ただひたすらに、キットの指示に沿って街を踏破し謎を解き、付属の封筒を開けると────え?バス使うの?ここから!?
4.千里中央
時刻は17時前。チェックポイントにして4つ目。キットには「ここで昼食がオススメ!」とあるが、冗談じゃねえですわ!!!
ここまで来ると謎の難易度もなかなかに上がってきている。そして、これまでに登場した手がかりや使用したアイテム、ページなんかも総動員されてくる。キットの中身をぶちまける我々はてんやわんやである。
しかも我々、4人もいるのに協力という行為を一切しない。完全なソロプレイ4人組である。そのくせヒントを全く見ないガチンコ勝負だから目安時間内に終わった試しがない。まあ、真の謎解きとはこういうことを言うのかもしれないが……。
5.関大前
懲りずに上級コースを選ぶ我々である。だが関大は我々にとって(ほぼ)未踏の地。敵陣調査のごとくうきうきで敷地内の探索をおこなう我々だったが、またしてもここで脳筋実力勝負の仕掛けが襲いかかる。
簡潔に言うとマインスイーパーをする羽目になった。
ここで完全に向き不向きが出てしまった。キットの説明が不十分だったわけではないだろうが、しかしマインスイーパー未経験者的には例題が欲しかっただろう。たぶん。
途方に暮れた彼を残りのメンバー全員で介護し、最後の駅を導き出したのは19時過ぎ。
ある意味、予想通り過ぎた「終点」へ向けて、健文会は急ぐ───最終チェックポイントが閉まってたらどうすんだ、これ!??
6.大阪梅田
ここまで数々の謎を解いてきた探偵4人。最後の謎は楽々クリア……するはずだったのに何故か折り紙ゲームに突入。最後まで脳筋なのか!!!
先程マインスイーパーに苦戦していた折り紙名人の助けにより、無事全員で最後のアイテムを完成させることができた。これにてクリア、エンディングである。
こうして満足した探偵たちは、21時過ぎでも空いている鳥貴族を求めて自動音声電話と戦うことになるのだがそれはおいといて。
エピローグ
以上、健文会・ナゾときっぷ阪急編(2023)の活動報告である。
なんやかや色々と書いたが、私個人としては念願であった電車系謎解きを健文会でチャレンジすることができて非常に満足であった。筋肉痛?知らない子ですね。
我々にはそれぞれ得意分野と苦手分野があり、謎に取り組む姿勢も手法も様々である。にもかかわらず、空中分解することなく最後は4人で解決まで辿り着いたところは、「さすが健文会、11回もの会合は伊達じゃないなあ」というところである。
余談だが、私は今回の謎解きで「メタ探偵」略して「メ探偵」という称号を授かった。不服である。確かに土地勘で解いたりフライングして解いたり次の謎から逆算して解いたりしたところもあったが、野球板やマインスイーパーは人一倍真面目に取り組んだ……と思いたい……。
なお、この称号は現在も健在である。
さらなる余談。
今回は阪急編のレポートをお送りしたが、実は「阪神編」及びそれら2つをクリアした者のみチャレンジできる「完結編」が存在する。
もちろん全てチャレンジした。完結編までコンプリート済みである。私は。
実は阪急編・阪神編の開催期間が11月末まで、完結編は12月までという関係上、3ヶ月連続謎解き企画というこれまた脳筋なスケジュールを立てるしかなかった。
その結果、阪神編はメンバー2人だけで、完結編は(阪急組と阪神組の二手に分かれる必要があったため)欠席した1人の代わりにピンチヒッターを投入して挑戦することになった。つまり、純粋な健文会4人で取り組めたのはこの阪急編だけだったのだ。
というわけで、このレポートでは阪急編の報告のみにとどめさせてもらう。なお、2024年度版ナゾときっぷも絶賛攻略中であるため、そちらも会期が終われば報告書を提出する予定である────無事に謎が解ければ、の話だが。
おしまい。