あなたの音楽はどこから?(ボカロ編)
私はみんなの音楽・映画遍歴や本棚の写真を見るのが好きである。そのため、私も以前好きな本を10冊あげてみたり、音楽遍歴を綴ってみたりした。
しかし先日、他の健文会メンバーが書いてくれた音楽遍歴を見てふと思った。
私の音楽遍歴から……!!!
ボカロと音ゲーがすっぽ抜けている……!!!
私がスマホを手にしたのは高校生から。
しかし実は中学2年生頃から、親の目を盗んで共用PCの自分のアカウントからTwitterとYouTubeにはアクセスを繰り返していた。あと今は亡きアメーバピグ(PC版)。
周りから出遅れてはいたものの、私も思春期にボカロをしっかり履修済みだったのだ。
ということで今回は音楽遍歴第2弾・ボカロ編をお送りいたします。れっつらごー。
人生初ボカロ
人生で初めてYouTubeを開いたとき、そこにどんな目的があったかは覚えていない。しかし、目の前に広がる無数のサムネイルに驚嘆し、「だから今の子はテレビ見ないんだなあ」としみじみ感じた、ような気はする。
当時すでにボカロ文化は定着していた。小学生でも六兆年と一夜物語くらいは常識的に知っていたし、千本桜はもはや国民的ポップスの域だった。
そんな中にあって、私が初めてまともに聞いたボカロ楽曲は、これである。
弁解させてくれ、頼む。全部おすすめのせいです。
オレノ シュミ ジャナイ
まずこの動画がログインすらしてない初期状態のYouTubeのおすすめトップに表示されるって何事……? そんなに世は女装メイドを求めていたのか……?
とにかく、早口なボーカル・訳分からない歌詞・ヲタク的テーマチョイスとワードセンス・かわいいイラストに「あー……ボカロって感じするな……(?)」とボカロ楽曲をこれしか知らないくせにしみじみとつぶやいた私は、そこからはサビメドレー動画を中心にボカロリサーチを始めることになる。あとは順当にkemuやじん、40mpに接触し、1ヶ月もすればごく通常のボカロ知識を持つ中学生ができあがっていた。
米津玄師、wowaka、川谷絵音……?
上記3人は、「生身でバンド活動をしつつ、ボカロ制作もおこなっていた」共通点がある。
・米津玄師
ハチを知ったのと米津玄師を知ったのはほぼ同時である。前者は私の当時のカラオケセットリスト殿堂入りを果たしていたし、後者についてはカメラのCM?に使われていた「Flowerwall」に一目惚れして、学校でCDを借りまくっていた。2人が同一人物であることを知ったのは「LOSER」が発表されたくらいの頃だった。遅っ。
・wowaka
wowakaは実はヒトリエとの接触がかなり早い。人生で初めて買ったCDのシングルはヒトリエの「ワンミーツハー」だった。ただ、私は彼を「ヒトリエのボーカル」として認識していて、「ボカロPのwowaka」と一致したのはかなり後のこと、なんと彼が亡くなったときだった。
学校からの帰り道、電車で友達が「wowakaさんが亡くなったって」と絶句したときのことをよく覚えている。
「wowakaさんってボカロの?」「そう」「まだ若いんじゃない?」と年齢を調べるためにWikipwdiaを開いてヒトリエの4文字を見たときの電車は鈍行だった。
・川谷絵音
こいつに関してはよくわかんない。本当に一瞬だけ、「学生気分」という名前で1曲だけボカロ曲(しかもゲスの持ち曲をカバーしたもの)を投稿して、あとは消息不明である。自分で歌う方が性に合っていたのだろうか。
とまあ、こんな風に「ボカロをやりつつ自分でも歌う」人が世間的にも結構増えてきた。この頃から私はボカロを離れ、ゲスをはじめindigo la Endやアジカンに本格的にのめりこんでいくようになる。
煮ル果実との出会い
いま「好きなボカロPさんは誰ですか?」と聞かれて、自信をもって「この人です」と答えられるのは、煮ル果実さんただひとりである。
初めて聞いた楽曲は「紗痲」。独特な調声と軽快に韻を踏む言葉遊び、ちょっぴりダークで考察しがいのある世界観で一気に大好きになり、そこから新曲が出るたびにチェックしている。あと全体的にMVが素敵。絵師さんの皆様ありがとうございます。
お気に入りは「サルバドール」。ポップな色彩でメッセージがビター。「この音どうやって出すの……?」という不思議な音が満載で聞いていてとても楽しい。
PSYQUIとの出会い
すいませんこの人はボカロPではないです。
読み方は「サイキ」さん。肩書としては「トラックメイカー」になるらしい。出会いは音ゲー……といったら少しイメージが湧きやすいだろうか。聞いてもらった方が早いかもしれない。
音ゲーで出会い、YouTubeで調べ、たまたま見つけたこの曲に本当に一瞬で引きずり込まれた。大学生になったばかりの時だ。新品のPCで夜なべしてPSYQUIさんの楽曲を漁りまくり、WALKMANに手に入る限りの曲を詰め込んだ。
我が家ではこうした「ピコピコ系音楽(※父命名)」は長い間どちらかというと忌避されてきた。しかし私はもうガン無視である。「うるせ~~~!良いものは良いんだよ~~~!!!」と運転中にガンガン流しまくったら何も言われなくなった。大勝利。
ちなみにこの曲がご縁でイラストレーター・LAMさんの存在も知り、無事に沼った。今度個展をしてくださるらしいので、参戦しようと画策中である。
やっぱりt+pazolite
この人もボカロPじゃないです。
読み方は「トパゾライト」。Wikipedia曰く肩書は「作曲家・編曲家・DJ」。この人も音ゲーで存在を知った。「HARDCORE TANO*C(ハードコアタノシー)」というレーベルにも所属しており、有名人も有名人である。音ゲープレイヤーは1曲くらい聞いたことあるよね?
「落ち着きがない」という評の通り、楽曲はだいたいテンポが速い・声ネタが多い・どこへ向かうかわからない。Twitterのリツイート数をテンポに取り入れた「BPM=RT」とかいうあたまおかしい天災的な楽曲をお創りになったこともある。なお、この時のBPMは驚異の1962であり、音ゲーに実装された際は無事多くのプレイヤーの指を破壊した。
(彼はのちに、BPM136~2560、曲中のBPM変動23回・拍子変動27回というさらに凶悪な楽曲を世に送り出すことになる)
ただ、適当に無茶しているわけではない。そのセンスとテクニックはまごうことなき一級品。幅広いジャンルでかわいい系からかっこいい系まで何でもお任せ、それにネタ曲が作れると考えればもう向かうところ敵なしである。
真面目な話、変拍子や変化球の多い彼の楽曲は、音ゲーとしてプレイしていてとても楽しい。飽きない。これからも様々な人に愛される最高の楽曲を作り続けてほしい。トパゾユルサナイ?まあまあ落ち着いて
現在:早ければいいってもんじゃない
以上が私のボカロ・音ゲー遍歴のだいたいである。
今は昔ほど音ゲーもしていないしボカロを聞きこんでもいない。でもたまに「おっ、良い曲が出ているじゃないか」と嬉しくなることはある。最近はサブスクのおかげで色々な曲を好きなところだけ聞けるようになっているのだ。功罪両面あるとは思うが、聞いたことないジャンルだからと敬遠せず、どんどん覗いてみてほしいなと思う。
まあ私サブスク一切やってないんですけどね。
マイブームはcosMo@暴走P。びっくりするほどの早口リリックと全編自主製作のMVが最高なボカロPだ。カラオケで歌うととっても楽しいぞ。今更とかは言わないでほしい。
ちなみに私が愛した音ゲーはCytusⅡです。
おしまい。