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52.【APYとAPR】の違い


クリプトDeFiにおけるAPYとAPRの違いを理解しよう!

こんにちは。
みなさんは、暗号資産 (仮想通貨) を活用した分散型金融 (DeFi) に興味がありますか?
DeFiでは、銀行などの中央機関を介さずに、スマートコントラクトを通じて貸出や借入、トークンの流動性供給などの金融サービスを利用することができます。

そんなDeFiの世界で頻繁に目にするのが、「APY」と「APR」という2つの指標です。
どちらも投資リターンに関する数値ですが、その意味と計算方法は異なります。
この記事では、APYとAPRの違いを詳しく解説し、DeFi投資を行う上で知っておくべきポイントを紹介します。

1. APRの定義と計算方法
APR (Annual Percentage Rate) は、「年間利率」を意味します。
1年間で投資元本に対してどれだけの利息が発生するかを表す指標で、主に借入金利の表示などに用いられます。

例えば、元本が1,000ドルで、APRが10%の場合、1年後には100ドルの利息が発生することになります。
APRの計算式は以下の通りです。

APR = (利息額 ÷ 元本) × 100

ただし、この計算式はあくまで単利ベースであり、複利効果 (利息が元本に加算されて再投資される効果) は考慮されていません。

2. APYの定義と計算方法
APY (Annual Percentage Yield) は、「年間複利利回り」を意味します。
一定期間ごとに支払われる利息や配当金が、元本に複利で再投資されることを前提とした年間利回りのことです。

APYを計算するには、まず金利の複利計算を行います。複利計算の一般的な公式は以下の通りです。

A = P (1 + r/n)^(n×t)

A: 運用終了時の元利合計額
P: 元本
r: 年利率 (APR)
n: 1年あたりの複利回数
t: 運用期間 (年数)

例えば、元本1,000ドルを年利10%、毎月複利 (n=12) で1年間運用した場合のAPYは以下のように計算できます。

A = 1,000 × (1 + 0.1 ÷ 12)^(12 × 1) = 1,104.71ドル
APY = (1,104.71 ÷ 1,000 - 1) × 100 = 10.47%

つまり、APRが10%であっても、毎月複利運用することでAPYは10.47%まで上昇するということです。

3. DeFiにおけるAPYとAPR
DeFiプロトコルの多くは、流動性供給者 (Liquidity Provider) に対して、手数料収入などから得られた利益を報酬として分配しています。
こうした報酬利回りは、一般的にAPYで表示されます。

例えば、Uniswapのようなアンメッジ型分散型取引所 (DEX) では、流動性プールに資金を提供することで、取引手数料の一部を報酬として受け取ることができます。
年間の報酬利回りは、プールへの資金の出し入れや取引量の変動などによって変化しますが、これらを考慮した上で算出されたのがAPYという訳です。

一方、DeFiにおけるAPRは、主に借入金利を表示する際に用いられます。
例えば、Compoundのような分散型レンディングプラットフォームでは、資金の貸し手 (サプライヤー) には供給したトークンに対する利息がAPYで支払われる一方、資金の借り手 (ボロワー) が支払う借入金利はAPRで表示されます。

4. リスクとリターンのバランス
DeFiでは、APYやAPRの数値が非常に高くなるケースがあります。
流動性マイニングや収穫量農業 (yield farming) と呼ばれる手法により、数百%から数千%といった高い利回りを謳うプロジェクトも存在します。

しかし、高いリターンを期待できる反面、価格変動リスクやスマートコントラクトのバグ、流動性リスクなど、潜在的なリスクも高くなります。
プロジェクトの信頼性や持続可能性を見極めることが重要で、過度な利回り追求は危険を伴うことを理解しておく必要があります。

5. まとめ
以上、DeFiにおけるAPYとAPRの違いについて解説しました。ポイントをまとめると以下の通りです。

・APRは単利ベースの年間利率、APYは複利効果を考慮した年間利回り
・DeFiではAPYが報酬利回り、APRが借入金利を表示する際に用いられることが多い
・高いAPY/APRは高いリターンを期待できる反面、リスクも高くなる傾向がある
・プロジェクトの信頼性やリスク評価を行った上で、投資判断を行うことが重要

DeFiは、従来の金融システムに変革をもたらす可能性を秘めた革新的な分野ですが、まだ発展途上の段階にあります。新しい投資機会を探る際は、APYやAPRといった指標の理解はもちろん、プロジェクトの背景や仕組みをしっかりと見極めることが求められます。

最後まで、見てくれてありがとうございます。スキとフォローもお願いします。

ではまた!

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