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無職の一日

「おはよ」

朧気に目覚める朝

彼はもう食パンをかじっている。

少しだけぬくぬくした布団に浸る


彼が出る頃にようやく起き上がって

でもすぐに「いってらっしゃい」とぎゅっとする。

今日も少し寂しい朝がやってきた


彼を朧気に見送って、そこから動き出す

昨日洗った食器を片す

朝ごはんの準備をする

洗濯機をまわす


食べて、干して、洗って

私のやることも開始

今日は記事を作ろう

本を読もう


朝は頭が良く冴えるから、ジャーナリングをするようにしている。

わたしがやりたいことは?

好きなこと・嫌いなことは?

今の目標は?

そういったことを書き出したり、昨日を振り返ったり。

ジャーナリングで集中力やエネルギーを得て、パソコンを開く。




と、気がついたらあっという間にお昼頃になる。

時間を見るより先にお腹が空いてくる。



彼のいない食事は質素で雑で簡単にしてしまう

悪いときはカップ麺

いい時はおにぎりに作り置きの野菜


空腹をなんとなく満たしたあとは

コーヒーをすすりながらしばし、くつろぎ空間

好きなことをしてみる

そんなことあるのかな、なんて思いながら

本を開いたり、パソコン開いたり、スマホみたり。

寝っ転がって何もしなかったり

ときどきぼーっとしたり。

あっという間に夜になる。

辺りが暗くなっていることに驚く。

彼の帰宅時間に合わせて慣れない料理をする

慣れなくて大変だけど、楽しいなと思う。
頑張ろうと思える。

これがあるべき努力の姿のはずだよなと思う。

今か今かと、彼を待つ。


これが私の5月の半ばの無職生活

振り返ってようやく、無気力だった自分がいることに気づいた。

普通じゃなかった。
ただ、息をする生き物みたいだった。

なんでやめちゃったんだろう

そんな自己嫌悪で一日が終わる
前を向こうとしても向けなくて
動こうと思ってもなんだか身体は重くて
やっぱり自己嫌悪で一日が終わる

あの時、何かを始めることを諦めた。
今やることじゃない気がしてそこから、ただ休む。そして何もしないことに切り替えた。

自分の殻にすっぽり篭って、静かにすることで少しずつ、そして長く、充電していた。

その途端、半月で何もしないことに飽きた。
底からは考えられないくらい、できる限りでいろんなことして、読んで書いて見て出て、

私という人間を理解するヒントを
これから何がしたいか、どうしたいか、
何をしなければならないのか探すヒントを

ひたすらに求めている。



まだまだ先は見えないときに
なにかしろって言わないでそっとしておいてくれた彼くんありがとう。

何もしないで欲しい時に何もしないでいてくれる
それ以上の優しさってあるのかな

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葵月みず
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