台湾の「鬼」について
どうも、林です。
タイトルにもあったように、今回は台湾の「鬼」について話したいと思います。
鬼はなんですが?
まず、おに、鬼といえば何を思い浮かべますか?
日本絵や物語に登場する鬼は、外見的には頭に角があり、口から尖った牙が見えます。また、肌の色が青だったり、赤だったり、生きている人間の色と違う色している場合が多いです。
現在だと、台湾でも人気のある漫画・アニメ作品ー吾峠呼世晴先生の《鬼滅の刃》からの知識でもあり、鬼は人を喰う化け物という認識があります。
そして、これもまた同じく台湾で人気がある漫画・アニメ作品ー江口夏実先生の《鬼灯の冷徹》のお陰で、鬼は閻魔大王さまのところで獄卒として働いている知識が広められています。
つまり、日本の鬼は人間離れな見た目を持つ妖怪であり、人を喰う鬼もいれば、あの世で働く鬼もいるという認識があります。
しかし、海外の文章を読む時、特に中華文化にまつわる内容だと、この「鬼」が違う物を指している可能性が高くなります。
何故かというと、中華文化の鬼と日本書物に登場する鬼とは違う物を指しているからです。
台湾、中華文化の「鬼」は何?
台湾の言語にひらがなとカタカナはなく、漢字だけで言葉が成り立ちます。その為、台湾にも「鬼」の漢字があります。
しかし、台湾や中華文化の場合、まず、発音として、「鬼」は『オニ』ではなく、『クェイ』のように読みます。
次に、「鬼」は何を指すのかというと、基本的には幽霊の事を指しています。人間の寿命が尽きたら、体から離れた魂は「鬼」になり、あの世の住人になります。
日本だと、こういう亡者の事を幽霊と呼びますが、中華文化では「鬼」と呼びます。
もしかしたら、全文の『基本的には幽霊の事を指しています』のところに、引っかかる方がいるかもしれません。
何故『基本的に』なのかと説明すると、中華文化で「鬼」として呼ぶ、扱うモノがあまりにも多すぎるので、『基本的に「鬼」は幽霊の事を指している』という認識で大丈夫です。
ですが、もし興味があれば、もう少しだけ説明します。
他に「鬼」と呼べるモノ
台湾、中華文化の「鬼」は基本的に幽霊の事を指しますが、他には妖怪も、化け物も、あらゆる『人間ならざる怪異』も、それらを全部まとめて「鬼」として呼ぶことができます。
一言でまとめると、「鬼」は化生の者を指します。
他にも翻訳の関係上、吸血鬼(ヴァンパイア)や魔鬼(デーモン)、屍鬼(グール)喪鬼(ゾンビ)など、海外モンスターにも「鬼」がついてます。
っと、ここまで読むと、「鬼」は何を指しているのかと、少し混乱するかもしれません。
ですが、基本的に「鬼」は幽霊の事を指していることを覚えておけば、問題はありません。
これからも台湾・中華文化の「鬼」と関連する物を紹介する事はあると思います。
その度も「鬼」について説明を入れたり、意味が違う時は説明しますので、分からなくでも大丈夫です。
でも、「鬼」は中華文化だと幽霊になるという事を覚えておけば、ちょっと楽しくなるかもしれません。
(カバーイラスト:Midjourney https://www.midjourney.com/ )