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ポルノグラフィティと出会えた私はラッキー
根っからのオタク気質な性格のため、学生時代から現在29歳に至るまで、様々なアイドルやアーティストに沼ってきました。
中にはもう出て来てしまった沼もある中、出会ってから今もずっと沼り続けている、自分の中の軸のような存在のアーティストがいます。
ポルノグラフィティです。
ポルノグラフィティは1999年デビューのバンドで、誰もが知るアポロやサウダージ、アゲハ蝶をリリースしたのはだいたい2000年前後。その頃の私は5歳。正直全く世代ではなく、ポルノグラフィティに沼る2012年までは、ほとんど自分の人生と交わることなくここまで来ました。
《好きになったきっかけ》
そんな私がポルノグラフィティと出会ったきっかけが、2012年2月に2012sparkという新曲の披露で出演した、ミュージックステーションを見たことです。
当時高校1年生だった私は家のソファーで半ば寝落ちしながらMステを見て(聴いて)いました。そんな意識も半分ない中で、2012parkが強烈に頭に響いたのです。「なんかすごくかっこいい曲が流れている??!」と一瞬で飛び起きテレビの画面にかじりつきました。すでに曲はサビの途中だったのですが、急いで録画したのを覚えています。とにかくボーカル昭仁さんの鬼気迫る歌い方と勢いに衝撃を受けました。
ファンになり10年以上が経ち、歌番組でもライブでもこの曲を何度も聴いてきましたが、今思い返しても、このテレビ初披露のMステだけ気合の入り方が違うように思います。
そしてMステの衝撃から2週間後、初めて自分のお金でファンクラブに入会し、無事にラバッパー(ポルノファンの呼称)の仲間入りを果たしました。
《私が思う一番の魅力》
ポルノグラフィティの一番の魅力はライブの楽しさに尽きると思います。
ファンクラブに入会した年の秋に、偶然私と同時期にファンになった幼馴染と一緒に、武道館で初めてポルノグラフィティのライブを見ました。
そこで聴いた2012sparkとCentury Lovers
初めて生で浴びたこの2曲の衝撃たるや(ずっと衝撃を受けている)。
それまでアイドルのライブにしか行ったことが無く、両手に持ったうちわとペンライトを振るのが普通だったため、初めての完全手ぶら状態が不安で仕方なく、あまりの緊張に友人と手を握り合いながら開演を待ったのを覚えています。
そしてライブ序盤に披露された2012spark。会場が暗転し、爆音の音楽とレーザー、身体を突き抜けるようなボーカル、周りの大歓声を目の当たりにし、開演前までの不安が嘘のように、自分自身も自然と声を出しながら腕を振り上げていました。「ポルノグラフィティのライブは手の振りが揃いすぎていて怖い」と常々言われていますが、周りをマネしようとしたというより、私たちの場合、勝手に手が動いた結果揃っていたので、あれは自然発生的に異常に揃っているんだと思います。
続く中盤でのCentury Lovers。この曲はコール&レスポンスを含むとても盛り上がる定番曲です。正直CD音源で聞いたときは「この曲が盛り上がり曲なの…?」と半信半疑でしたが、実際に生でイントロのメロディーを聴いた瞬間、マジでブチ上がりました。(言い方)
言葉では上手く言い表せないのですが、確実にあの瞬間に脳から何かが出たのが分かりました。今までに感じたことのない高揚感で、私の29年間の人生でこのような感情になったのはこの時だけです。初ライブだからこそ体験できた感情なのかもしれません。とにかく人生で一番楽しかった瞬間として記憶に強く刻まれています。
そうしてこの日から、私たちはポルノグラフィティのライブに行かないと生きていけない身体になってしまいました。
あれから今年で13年が経ちますが、相変わらずライブに行きたい気持ちは年々高まるばかりです。初めて来た人も何回も来ている人も、誰も置いていかない空間。CD音源とは全く別の次元の圧倒的なボーカルと演奏。照明や映像の使い方。ゆるゆるの広島弁トーク。
興奮と感動の非日常世界と、実家のような安心感が共存する不思議な場所です。
そして一番すごいなと思うことが、毎年過去最高を更新し続けているところです。もちろん過去のライブも大好きなので映像を見返すこともありますが、最新が最高なので、つい最新の映像作品ばかり見てしまいます。
変わらないことと言えば、ライブの最後に昭仁さんが必ず「自信持っていけー!」「胸張っていけー!」と何度も何度も私たちへ叫び伝えてくれることです。
この言葉を受け取るたび「今日ここへ来てよかった」「ポルノグラフィティを好きになってよかった」「またここに帰ってきたい」と改めて実感します。ライブの力は大きく、明日から何でもできそうな気さえします。小さな悩みなど、終わる頃にはどうでもよくなってしまいます。
なので私はこれからも、ポルノグラフィティのライブがあるならば日本全国どこへでも飛んで行くと思います。
《好きになって変わったこと》
ポルノグラフィティを好きになり、生活で変わったことと言えばギターを始めたことです。
きっかけは2018年3月にリリースされたカメレオンレンズのカップリングである、前夜という曲に影響されたことです。
いつものようにCDを買い、寝る前にベッドで新曲を楽しんでいました。カメレオンレンズを聴き終わり、次の前夜に入ってイントロのギターを聴いた瞬間、「あっ、この曲弾きたい」と直感的に思いました。
シンプルなバンドサウンドと、印象的なギターリフがかっこいい壮大なロックナンバーで、ポルノグラフィティらしい一曲です。旅立ちの前夜を歌った歌詞で、翌月から社会人になる自分と所々リンクしていて思い入れが強い曲です。
ちなみに私はこの時22歳。ギターを触ったことすらありません。でもなぜか当時この曲を聴いて、自分でもギターを弾いてみたいと思ったのです。
そして、興味を持ったことに取り掛かるスピード感だけはある人間なので、次の日にギター教室の体験を申し込み、その場で無事に入会します。さらに、とりあえず形から入る性格でもあるため、翌週くらいにさっそく7万円近くするエレキギターを購入しました。昭仁さんが使っているものと何となく似ていた白いストラトキャスターと赤いストラップを選び、やる気満々です。
音符もテンポも全く分からない状態から始めたギターですが、練習はとても楽しく、前夜をはじめとしてポルノグラフィティの様々な曲を練習しました。
いつも聴いてるギターのメロディを、完全再現ではないけれど、自分で演奏していることが嬉しくて楽しくて感動しました。
そんな中、ギター教室にも通いしばらく経った頃、教室主催のバンド発表会がありました。教室の中でバンドを組んで、ライブハウスで発表するというものです。
学生時代は人前に立ったり、ましてやそこで何かを話すなんて無理中の無理で、ずっとそういう場を全力で避けて生きてきました。顔見知りのクラスメイトの前だとしても、緊張で頭が真っ白になり震えが止まらないほどです。
そんな私がライブハウスで大勢の知らない人に見られながらステージで演奏することなんて、今までの自分にとってはありえない出来事なのです。
ただこの時の私は、全く未知のギターの世界に足を踏み入れたことで少しだけ自信がつき、今まで考える余地もなかった「人前に立つ」ということを選びました。
もちろん教室の発表会なので、見ている人の大半は生徒とその友人や先生がほとんどで、ありがたいことにアットホームな空間で大盛り上がりしてくれます。それでも長らく避けてきた人前は、やはり緊張で頭が真っ白になり、客席を見る余裕も一切なく、とにかく無事に終えることだけで頭はいっぱいでした。あとで友人が撮ってくれた動画を見ると、一切微動だにしない自分が写っていました。(体感ではノリノリのつもり)
それでも動画の中で、ハネウマライダーの演奏でタオルを回しながら楽しんでくれているお客さんを見て、「楽しかった」という実感がじわじわと湧き、同時に「意外と自分にもやれた」という達成感がありました。
自分を少しだけ変える経験ができて、ギターを始めてよかったと思えた一番の出来事です。元をたどればポルノグラフィティを好きになったことがきっかけで、人生がより豊かになって、改めてポルノグラフィティの音楽と出会えた私はラッキーだなと感じました!
最後までお読みいただきありがとうございました。