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月ふたつ

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嬉しかったこと、楽しかったこと、辛かったこと、悲しかったこと。生きてたら、みんなそれなりに何かある。それを全部ひっくるめて私という人間ができあがる。もちろん、あなたも。日常と、想…
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#日常

ないものねだり

ないものねだり

冬に想う、夏のうだるような暑さ、容赦なく照りつける日差し、鳴きやむことのない蝉の声、草いきれのこもる道、夕立のあとのアスファルトの匂い、夜空に煌めく大輪の花。

そのすべてが狂おしいほど恋しい。暑さで皆が少しずつおかしくなってしまうような。匂い立つ濃密な闇。なにかが起こりそうで、でも結局なにも起こらないまま終わる夏。胸がぎゅっと締めつけられるようなあの空気感。あの中にいますぐ戻りたいと、そう願う。

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幸福な瞬間

幸福な瞬間

いつものお店でお昼を食べる。顔馴染みの店員さんたちとの他愛もない会話。食事を終え、図書館に寄り、その後軽く買い物もすませ歩いて帰る道の途中、真ん中に大きな池をたたえた公園の横を通り過ぎようとして、何とはなしに、その池のほとりをぐるりと一回りしてみることにした。

初夏の蒸し暑さのなか、木々の緑は日に日にその色の濃さを増してゆく。穏やかにたゆたう水面を噴水のしぶきが細かく揺らしている。そこへ太陽の光

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日常

普通の、何気ない日常が、いまやとてつもなく貴重で尊いものになってしまった。

当たり前は、もはや当たり前ではなくなった。

メディアに踊らされ過ぎだと言う人もいるけれど、やはり今は考えずにはいられない。

わかっていても、目に入るニュースや、通勤電車に乗る人々の緊張感や、何も変化のない職場の勤務体制などが、私の心を疲弊させていく。

しかしこんな状況でも、花が咲き誇っていれば、その艶やかな美しさに

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