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23歳 珈琲で乾杯

23年生きてきたって、すごいことだよね。
ううん。こんなに長い間育てて、見守ってくれた親がすごい。
生きるのって時々本当に嫌になる。もともといなかったみたいにそっと消えてしまいたい日だって何度も見送ってきたけど、それでもいつのまにか、自分で道を選択して、社会で働く大人になっていた。わたしが小さい頃想像していた23歳は、もうちょっと大人のお姉さんな気がするけど。

今日くらいは、自分をすっごく甘やかしたい。
わたしは毎年誕生日の日は自分のことが好きな日になるように、必ず何かしら計画をしている。
去年は午前中で自習室から飛び出して、ひとりでラーメンを食べに行って、読みたかった本を3冊買って、その足でスタバへ行ってお母さんから貰ったスターバックスカードで大好きなカフェモカのホットを飲んだっけ。
今年は何をしよう…ともう1月に入ってからそればかり考えていた。
有給休暇を申請する前にカレンダーには有給って書き込んで、自分へのプレゼントを考えた。
欲しいものはたくさん浮かぶし、行きたい場所も。
そして今日。わたしは自分に2つのプレゼントを用意した。
まずは、ずっと行きたかったレトロな雰囲気の珈琲店に行ってゆっくりすること。

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あとね、プリンも食べたよ。

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そしてもうひとつ。きっと、今までもこれからもプレゼントされることもすることもなかった特別なもの。
Kojiちゃんにmoonのロゴの作成をお願いした。
以前、Kojiちゃんが作ったクマキヒロシさんのロゴを見て、23歳のわたしの誕生日プレゼントはこれにしようと即決した。
ロゴはまさに顔と言っていいほど、特別な存在だ。わたしはmoonだけど、moonじゃない。
わたしがmoonなんじゃなくて、moonという存在を作り上げながら書いている。
だから、moonという個性を文章以外で創り出してくれる存在が必要だった。まさに、それがロゴだ。

Kojiちゃんにロゴを依頼するときに、わたしがオーダーした内容とは、

月のマークと「名前のない感情」をどうにか表現したい

とんでもなく難しいじゃないかい!クマキヒロシさんの『「寂しさ」と「家族へ」』に、うわ…難しっ!と思ったことを謝りたい。

わたしが書きたい「名前のない感情」は、「愛おしさ」「哀しさ」「喜び」「怒り」「恨み」「切なさ」で構成される感情の成分の「隙間をつく部分」の感情だと思っている。
特に、愛と切なさ。
だから、歪なハートと切なさを表す模様を入れたいです。よろしくおねがいします。とKojiちゃんに丸投げした結果。

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凄い…。初めて見た瞬間、感動した。わたし自身でも表現しきれない「名前のない感情」をこんなにも美しく表現することができるなんて。
白と黒のコントラスト、暗闇を照らす月。月の中に色んな名前のない感情。「真っ直ぐだけど真っ直ぐじゃない愛」を表すハートに切なさを表すまぁるい雫。
Kojiちゃんは特に、「隙間をつく」ということを本当に考えてデザインしてくれていた。

多分最初で最後の、記憶に残る自分へのプレゼントだ。ロゴを作るなんて、人生にそうそう無いだろうし、今まで書いていなきゃ、そしてこれからも書く意思がなければきっと作らないものだ。
Kojiちゃん素敵なロゴをデザインしてくれてありがとう。

23歳になっても、きっと何も変わらず毎日が過ぎ去っていく。それが幸せだし、抱負は立てない。
あ、でもちょっと愛を知りたいな。
23歳のmoonもよろしくおねがいします!

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