![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/120484278/rectangle_large_type_2_4349b8a8c4777ce91a552c3914415fcb.png?width=1200)
Photo by
kokospain
アルハンブラ宮殿の思い出
高校一年の秋でした。いつものよつにNHKFM放送ラジオを聴きながら勉強していると美しいギターの曲が流れてきました。モノクロの世界、石畳を歩く足と石畳に写る影がはっきりした映像になって頭に浮かびました。その曲は「アルハンブラ宮殿の思い出」
翌日は幼なじみの高校の文化祭に行く予定がありました。吹奏楽に入っているので演奏を聴きにいく約束をしていたのです。
文化祭に行ってみると、吹奏楽の部長さんの友人という人がギターを持ってきていました。
その時弾いてくださったのが偶然にも「アルハンブラの宮殿の思い出」でした。
社会人になりアルハンブラ宮殿に行く機会がありました。光と影を美しく対比させた緻密な彫刻が余すところなく施された建物。その血生臭い歴史とは裏腹に美しさが際立っていました。
ふと、初めて「アルハンブラ宮殿の思い出」を聴いた時に、頭に浮かんだ映像を思い出しました。
この石畳だ!
そして、石畳に落とされた私の足の影。
それも、あの時の映像と寸分変わらない風景が目の前にありました。
音楽ってすごい力があるものだと感激しました。
見知らぬ土地の風景でさえ、頭に描かせてしまう。
国を超え宗教を超え人種を超え音楽はすべての人に平等です。